UFCファイトナイト・ウィニペグ見どころ:王座奪還へそれぞれの再チャレンジ

UFCファイトナイト 見どころ
UFC 214:ロビー・ローラー vs. ドナルド・セラーニ【アメリカ・カリフォルニア州アナハイム/2017年7月29日(Photo by Christian Petersen/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC 214:ロビー・ローラー vs. ドナルド・セラーニ【アメリカ・カリフォルニア州アナハイム/2017年7月29日(Photo by Christian Petersen/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間12月17日(日)に開催されるUFCファイトナイト・ウィニペグでは、前UFCウェルター級王者のロビー・ローラーと、階級をひとつ上げた元UFCライト級王者のハファエル・ドス・アンジョスによる元チャンピオン対決が実現する。

円熟の無慈悲、“ルースレス”ローラー

2014年以降、マット・ブラウン、ジョニー・ヘンドリックス、ローリー・マクドナルド、カーロス・コンディットと、殺人打線を次々に血祭りにあげてタイトル防衛を重ねた“ルースレス(無慈悲)”ことローラー。UFC 201(2016年6月)でタイロン・ウッドリーにベルトを奪われたものの、UFC 214(2017年6月)ではドナルド・セラーニを判定で下して健在ぶりを示してくれた。

「毎日、少しでも強く、少しでも早く、少しでもうまくやれるようにコーチと一緒に努力している。古い技術を再検証し、新しいトリックを足して、常に進化しているんだ。自分は相手をフィニッシュしてやろうと思っているだけのただの凶悪なファイターだけど、そんな俺を応援してくれているファンにはいつも感謝している」

そう語るローラーは今年から所属ジムをハードノックス365に変更し、得意の打撃をさらに深めている。キャリア28勝のうち21勝でフィニッシュを成し遂げ、有効打の打撃数905発はUFCウェルター級随一だ。やるかやられるかのワイルドで暴力的な試合が魅力的なローラーだが、歳(とし)を重ねるにつれて、命を削って戦う男の切なさや色気も感じさせるようになってきた。円熟味を増していくローラーからますます目が離せない。

ドス・アンジョスの華麗なる再起動

昨年3月にいったんコナー・マクレガー戦が決定しながら無念の負傷欠場を経験した後、7月の復帰戦でエディ・アルバレスにノックアウトされてライト級のベルトを失ったドス・アンジョスは今年、ウェルター級に転向した。まずはタレック・サフィジーヌ、ニール・マグニーを圧倒し、順調な再スタートを切っている。

「ライト級でチャンピオンになれたのは楽しかった。ミッション完了、という感じだ。ウェルター級も厳しいけれど、正直、最激戦区のライト級を制したことで自分にとってはこれからウェルター級のトップに立つことも、それほど大変なことには思えないんだ」と語るドス・アンジョス。本来はウェルター級が適正階級なのだという。

「これでもう、減量のストレスはおしまいだ。ライト級時代にはファイトウイークだけでなく、試合前の2、3カ月はずっと減量のストレスに苦しんでいた。ただ、ウェルター級としては身体が大きいわけではないから、その分ガンガン行くようにしている」

ローラーを下せばタイトル挑戦に大きく近づく。ブラジル人初の2階級制覇を狙うドス・アンジョスの冒険はここからが本番だ。

ヒール上等! 悪童ペリー

極寒のカナダ・ウィニペグでは同じウェルター級花丸急上昇組のバトル、マイク・ペリーとサンチアゴ・ポンジニッビオの一戦も行われる。

ペリーはUFC戦績4勝1敗、勝ちは全てノックアウト、野生児のような戦いぶりとエキセントリックなキャラで人気上昇中だ。ペリーの2017年を振り返っておこう。

4月にはベテランのジェイク・エレンバーガーをエルボー1発で完全失神ノックアウト。アメリカの全国版ニュースで衝撃映像として流され、人気がブレイクした。

5月、交通事故(信号待ち中に追突された)に遭い、椎間板を損傷。この時、はずみで謎の金属片を飲み込んでしまい、それが内臓を傷つけて著しい体調不良に陥る。しかし、本人も知らない間に金属片が便所で排出されると、そのままあっさり完治。

チアゴ・アウベスの代役、アレックス・レイエスを79秒でノックアウトしたのが9月(UFCファイトナイト・ピッツバーグ)。試合後には自ら“おんどりの祖先”と名付けた、モヒカンを突き立ててニワトリのように歩く奇妙な勝利の舞を披露、面白い、いや不謹慎だと論争を呼んだ。ペリーは今回の試合でポンジニッビオを倒せばティラノザウルスかカンフーパンダの舞をやってやるとうそぶいている。

10月はポーランドで行われたUFCファイトナイトをケージサイドで観戦し、セラーニをノックアウトしたダレン・ティルがマイクをつかんでペリーを挑発すると、ペリーがエプロンに駆け上がって応戦、金網越しの一触即発を展開した。

インタビューに答える言葉もMMAファンのツボを突いている。

「いくらMMAが主流派スポーツとして洗練度を高めていっても、その大本は“相手がこれ以上戦えなくなるまで痛めつける、自分がやらなければ同じことを相手にやられてしまう”という単純なものだ。オレは、試合は人生と同じだと思ってる。サバイバルしなくちゃしょうがないんだ」

「試合に向けて緊張感が高まってくると“ああ、嫌だなあ。オレは何でこんなことをやってたんだっけ”と思うことがある。でもオクタゴンに足を踏み入れた途端、“そうだ、理由を思い出した!”ってなるんだ。で、相手をノックアウトしてファンが熱狂すると、“イェーイ! こうじゃなくちゃね”と思う。この喜びのためにキツイ練習をやっているんだ」

「オレは世界最強になるという目標を目指して進んでいくだけだ。その目標を達成してもまだファンがいない場合にはオレが負けることを楽しみにしているアンチがたくさんうまれていることだろうから、オレはそいつらの期待を裏切り続けてやる」

今回はどんな狼藉(ろうぜき)で気分をスカッとさせてくれるのか、要注目だ。

アルゼンチンの激闘王、ポンジニッビオ

迎え撃つポンジニッビオもUFC戦績7勝2敗、現在5連勝中、前回は難敵グンナー・ネルソンをわずか82秒でノックアウトして勢いに乗っている。

「本来ならコンディット、ドス・アンジョス、セラーニといった選手と戦いたかった。ペリーは特にどうということもない選手だし、自分にとってはただの踏み台にすぎない。ペリーにはこの試合を受けたことを後悔させてやる」と自信を見せるポンジニッビオ。

「アグレッシブに戦うのがスタイルだ。相手は関係ない。目の前の男をとにかく倒す。倒れないなら倒れるまで痛めつけるのみ」と闘志を燃やす。

ウェルター級で最も攻撃的な選手同士の対決は、し烈な打ち合いになることは間違いない。

【文 高橋テツヤ】
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