UFCファイトナイト・オースティン見どころ:テキサスの決闘“カウボーイ”対“カウボーイキラー”

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・ポーランド:公式計量セレモニーに登場したドナルド・セラーニ【ポーランド・グダニスク/2017年10月20日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・ポーランド:公式計量セレモニーに登場したドナルド・セラーニ【ポーランド・グダニスク/2017年10月20日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間2月19日(月)に開催されるUFCファイトナイト・オースティンのメインイベントでは“カウボーイ”ことドナルド・セラーニ(米国)対ヤンシー・メデイロス(米国)のウェルター級戦が行われる。

前回はファイト・オブ・ザ・イヤーを獲得する劇勝を果たしたメデイロス

メデイロスはB.J.ペン、マックス・ホロウェイと、激闘派王者を輩出するハワイ出身の新世代ファイターだ。

「BJの試合は高校時代に見ていた。同じハワイ出身の選手の活躍を見ていて、自分にもできるのではないかと思った」と語るメデイロス。その後、シーザー・グレイシー・アカデミーの中核メンバー、スクラップ・パックの一員として、ギルバート・メレンデスやディアス兄弟と練習を積み、男臭い強さを磨いてきた。現在では本拠地のオアフ島でのトレーニングが中心だ。

メデイロスが前回、もう1人の“カウボーイ”ことアレックス・オリベイラをノックアウトした試合(UFC 218、2017年12月)は、UFC公式サイトが2017年ベストファイトの第3位に選出する大激戦だった。初回から互いにフラッシュダウンを奪い合う乱打戦を振り返り、メデイロスは「あんな殴り合い、自慢できることじゃないよ。俺は長く戦っていきたいんだからさ」と明かす。

「パンチをもらい過ぎた。カウボーイは本当にタフな選手だった。普通なら俺に殴られたら、相手はいったん下がって距離を取ろうとするものなんだけど、彼の場合は殴られたら逆に本気で襲いかかってくるんだ。ほほう、こいつはやる気なんだな、じゃあまずこっちがいったん体勢を整えて・・・なんて思っていたらダウンを取られてしまった。第1ラウンドからダウンしたのは初めてだったよ」

「この野郎、やりやがったな、と、ものすごく腹が立った。殴り返してやる、ダウンを奪い返してやると思って立ち向かったら、またダウンさせられた。やばい、ゲームプランに立ち返らなきゃ、と思い直したよ」

そんな“カウボーイキラー”のメデイロスが今回早くもオクタゴンに復帰、またしても選手寿命を縮められかねない“カウボーイ”との決闘に臨む。

3連敗中でも「いつでも、どこでも、誰とでも」の姿勢を貫くセラーニ

これまでのキャリアで連敗知らずだったセラーニも現在3連敗中。前回はダレン・ティルに第1ラウンドにあっさりとノックアウト負けを喫した(UFCファイトナイト・ポーランド、2017年10月)。3連勝中のメデイロスとは勢いに差があるように思えるが、セラーニは意に介さない。

「だから何なんだ。今回、どちらかの連続記録が途絶えるというだけのことだろう。それにしても、インタビューではどいつもこいつも、3連敗のことばかり聞いてきやがる。こっちはそんなこと、聞かれるまで考えてもみなかったよ」

ティル戦を「相手がとにかくデカかったし、パンチも強過ぎた」と振り返るセラーニは試合後、ここ7試合戦ってきたウェルター級を離れ、長年慣れ親しんだライト級への復帰を希望していた。

しかし、「いつ何時、誰とでも戦う」セラーニだけあって、今回は対戦相手の都合を飲んで階級転向はいったんお預けだ。

「今回はもともとマット・ブラウンがリマッチを希望してきていると聞いていたんだ(両者は2016年12月のUFC 206で戦い、その時にはセラーニが勝っている)。それでは階級変更にならないんだが、オレとしては別にいいよと答えてあった。でもマットの方がこの日程ではまずいとか何とか言い出して、相手がいなくなってしまった。で、UFCがヤンシーではどうかと言うので、構うものかと即答したわけだ」

それにしても、セラーニもまだ34歳とはいえ戦歴は43戦と多く、長年のダメージの蓄積もあろう。引退について考えることはないのだろうか。

「オレはあと5年はできると思っている。さすがに、これまでのように年間20試合もやることはないと思う(注:セラーニ流の誇張表現である)。少しはスローダウンしないとな」

「オレはとにかく好きなことをやって楽しみたいんだ。格闘技はオレが楽しんでやっていることであって、オレ自身ではないし、オレを補ってくれるものでもない。酒をやめるべきだとか、パーティーはほどほどにと言ってくる人もいるが、お断りだ。オレはこれからも、自分流で楽しみながらやっていくぞ」

充電完了で引退返上、ルイスの再スタート

UFCファイトナイト・オースティンのセミメインイベントに組まれたのはデリック・ルイス(米国)対マルチン・ティブラ(ポーランド)のヘビー級戦だ。

昨年7月、オークランドでマーク・ハントにテクニカルノックアウト負けを喫し、連勝記録が6で止まってしまった“ザ・ブラック・ビースト”ことルイスは試合後インタビューで次のように語り、ファンを驚かせた。

「実は来週、結婚するんだ。家族にこんな仕事を付き合わせるわけにはいかない。だからこれを自分のラストファイトとする」

しかし、その2カ月後には何事もなかったかのようにUFC 216(2017年10月)でファブリシオ・ヴェウドゥムと対戦することが発表された。ただ、腰の不調でこの試合は急きょキャンセルとなり、今回の試合が引退宣言後の初試合だ。今のルイスは引退について、どう考えているのだろうか。

「あの時はちょっと休みが欲しかっただけなんだ。立て続けに試合をやり過ぎて、気持ちが疲れていた。自分は、格闘技はメンタル8割、フィジカル2割だと思っている。休養十分の今は、とても調子がいいよ」

ルイスが欠場している間に、オクタゴンではもう1人のヘビー級の新星、フランシス・ガヌーが大活躍をしていた。

「ここ数カ月はきつかった。ライバルはどんどん上にいくのに、自分はずっと同じ位置で立ち止まっていたからね。でも、ヘビー級にはまだまだチャンスがあると思っている。自分もあと2勝もすればタイトル挑戦の順番が回ってくると信じている。今回のティブラ戦はきっちり勝たせてもらうつもりだ」

一方のティブラは2016年にUFCデビューを果たし、初戦を落とした後は3連勝でトップ10に食い込み、前回のUFCファイトナイト・シドニー(2017年9月)ではメインイベントに起用されたヘビー級出世頭の1人だ。 タイトル挑戦のチャンスを引き寄せるためにも、負けられない一戦になる。

【文 高橋テツヤ】
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