UFC 222見どころ:“サイボーグネーション”勢力拡大か

UFC PPV 見どころ
UFC 219:クリスチャン・サイボーグ vs. ホリー・ホルム【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2017年12月30日(Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC 219:クリスチャン・サイボーグ vs. ホリー・ホルム【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2017年12月30日(Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間3月4日(日)に開催されるUFC 222はメインイベントで女子フェザー級王座をかけて王者クリスチャン・サイボーグ(ブラジル)とヤナ・クニツカヤ(ロシア)が対戦する。

当初はファン待望のUFCフェザー級タイトルマッチ、マックス・ホロウェイ対フランキー・エドガーがラインアップされていたが、試合4週間前にホロウェイの負傷欠場が伝えられてメインイベントが消滅してしまう。しかし、このラスベガスでのビッグイベントを盛り上げるべく、勇気と心意気あふれる選手たちが次々とスクランブル出場に名乗りを上げたのだった。

サイボーグが早くも防衛戦

「こんなペースで試合が続くなら、今年は普段からマウスガードをお財布に入れて歩くようにしないとね」と笑うサイボーグは、昨年末に行われたUFC 219で元バンタム級王者のホリー・ホルムを下し、女子フェザー級タイトルの初防衛に成功したばかりながら、3週間前の出場要請を受けて2度目の防衛戦に挑む。

「ホリー戦勝利の勢いもそのままに、こんなに早くオクタゴンに戻ってくることができた。これで“サイボーグネーション(サイボーグはファンのことをこう呼んでいる)”もますます勢力を拡大する。この試合には勝つ。そしてファンの皆さんには期待に応えるようなバイオレンスをお届けする」とやる気満々だ。

過去12年間にわたって19連勝中、うち16勝がノックアウト勝ちという驚異的な強さを誇るサイボーグ。前回の試合では、ホルムの攻撃にわずかにぐらつく珍しいシーンも見られたものの、驚くなかれ、サイボーグは慌てるどころか、「やっと手応えのある対戦相手が現れた」といわんばかりに満足そうにほほ笑んでみせたからたまらない。

2016年に米国に帰化、現在は地元サンディエゴで後進女子ファイター育成にも力を入れているというサイボーグは、「私はUFCのベルトを防衛し続ける。そして、格闘家志望の若い女性に対して、これは決して簡単な仕事ではないこと、さまざまな障壁を克服しなければいけないこと、困難でも規律正しく戦い続けるしかないことを示していきたい」と語っている。ベルト防衛の先の大きな目標までを見据えて戦うサイボーグが、“サイボーグネーション”によるMMA界制圧をもくろむ。

名門ジムが放つリベンジ刺客、クニツカヤ

今回がUFCデビュー戦ながら、異例のタイトル挑戦に抜てきされたのが、「まさかこんなに早くサイボーグ戦が実現するとは思っていなかった」と語る現Invicta FCバンタム級チャンピオンのクニツカヤだ。子供の頃から親しんだテコンドーをベースとするストライカーのクニツカヤはここ18カ月間、母国を離れてアルバカーキーのジャクソン・ウィンクルジョン・アカデミーでトレーニングを積んでいる。スパーリングパートナーはホリー・ホルムだ。

クニツカヤは「ホリーからサイボーグの強みも弱みも聞いている。試合で役に立つはず」と自信を見せる。

コーチのグレッグ・ジャクソンも「幸いこちらには何のプレッシャーもない。誰もこちらが勝つと思っていないだろうからね。だからこそ、とことん追い詰めることができるんだ」と何やら秘策ありげだ。同じ相手に続けてやられるようでは名門ジムの沽券(こけん)にかかわる。ジムの総力を挙げて、クニツカヤが世紀の番狂わせを狙う。

戦いに飢えたレジェンドのエドガーも強行出場

セミメインイベントに組まれたのはフランキー・エドガー(米国)対ブライアン・オルテガ(米国)だ。もともと、UFC 218(2017年12月)でホロウェイのタイトルに挑戦する予定だったエドガーだが、練習中の負傷<眼窩(がんか)底骨折>により欠場を強いられる。そして仕切り直しになるはずの今回は、逆にホロウェイが負傷欠場することとなってしまった。

「ついてないなと思うよ。数日は何もしたくないほど気落ちしていた」と語るエドガー。せっかく手に入れたタイトル挑戦のチャンスである。ホロウェイの復帰を待つという選択肢もあったはずだが、エドガーは今回の出場にこだわった。

「とにかく俺はこの大会で試合をしたいと思った。前回から間隔もあいていたし、戦いに飢えていたんだ。もう36歳だしね。月日を取り戻すことはできないから、時間は有効に使いたい。オルテガが試合を引き受けてくれてうれしい。彼はランキングも自分のすぐ下の3位だから、この階級の今後にとっても意義深い試合になる」

元ライト級王者であるエドガーのUFCでの実績はすさまじい。UFC戦績16勝5敗1分で、有効打撃数は史上2位(2,012発)、テイクダウン成功数は史上4位(67回)、そして総試合時間数は6時間27分51秒で史上最多を誇る。スタミナ切れを起こしている姿は一度たりとも見せたことがなく、試合でフィニッシュされたこともない。寝ても立っても、どうかしていると思うくらいに攻め続けるエンドレスな闘魂が信条だ。

前回はランキング急上昇中だったヤイール・ロドリゲスをあっさりと返り討ちにした(UFC 211、2017年5月)“ジ・アンサー”ことエドガー。負ければタイトル挑戦権をオルテガに譲り渡すことになってしまうリスクを飲み込んで、今回もレジェンドが、出る杭(くい)を打ちのめす。

絶好調オルテガが世代交代を果たす

「ストリートファイトなら経験豊富だ。今回は1カ月前に試合が決まったけど、2秒前に決まった試合にもずっと勝ってきた」と緊急登板にも余裕を見せるオルテガは、戦績13勝0敗、特に最近は5試合連続でフィニッシュ勝利と絶好調だ。前回、強豪カブ・スワンソンをギロチンで締め落としたシーンは記憶に新しい(UFCファイトナイト・フレズノ、2017年12月)。

エドガーの試合はファンとしてずっと見ていたと語る27歳のオルテガが、エドガーから初めてのタップをもぎ取って時代を変えることができるのか注目される。このほか、女子柔術界の超大物でビジュアル面でも要注目のマッケンジー・ダーン(米国)のUFCデビュー戦、さらに、実力者キャット・ジンガノ(米国)の19カ月ぶりの復帰戦、UFC会長のデイナ・ホワイトがフランシス・ガヌーと並ぶ2018年有望株に名指ししているショーン・オマリー(米国)も登場するなど、お楽しみ盛りだくさんのUFC 222をお見逃しなく!

【文 高橋テツヤ】

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