UFCファイトナイト・アトランティックシティ見どころ:佐々木憂流迦、中村K太郎それぞれの必勝宣言

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・ジャパン:中村K太郎 vs. アレックス・モロノ【日本・埼玉/2017年9月23日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・ジャパン:中村K太郎 vs. アレックス・モロノ【日本・埼玉/2017年9月23日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間4月22日(日)に開催されるUFCファイトナイト・アトランティックシティには日本から佐々木憂流迦、中村K太郎がそろって出場するとあって、日本のファンには見逃せないイベントだ。

【編集部注:佐々木の試合は対戦相手が負傷により欠場を余儀なくされたため、中止された(日本時間4月21日(土)発表)】

佐々木、敵軍ファンによるソーシャルメディア攻撃に警戒

前回の試合、2017年9月のUFCファイトナイト・ジャパンでは上位ランカーのジュシー・フォルミーガに一本負けを喫してしまった佐々木。フライ級転向以降は白星と黒星を交互に記録し、戦績を2勝2敗としている。この試合を振り返って佐々木は、「負けてしまいましたが、非常に多く学ぶところがありました。UFCのトップランカーと戦うために準備し、練習しているので、今後に期待していただきたいです」と語り、この経験を糧に、さらなる飛躍を誓っている。

今回の対戦相手であるマゴメド・ビブラトフ(ロシア)は、複数の他団体でベルトを獲得している実力者にして、MMAブームに沸くチェチェン共和国の出身。同国大統領もビブラトフを直々にプッシュする中、その試合は国民的関心事であるとも報じられている。佐々木はビブラトフについて、「レスリングが強く、またMMAファイターとしてトータルで見ても強い選手だと感じています」とその実力を評価しつつ、「ソーシャルメディアでロシアの方々からのマゴメドの応援が僕の方にも届くなど、彼の母国での人気の高さを痛感しています」と明かしている。佐々木本人はそれ以上を語らないものの、過熱しやすいロシア人ファンのこと、中には悪口や脅しにも近いようなメッセージもあるのではないかと案じつつ、ここはひとつ、日本のファンも負けない熱さで佐々木をもり立てたいところだ。

プロデビューから8年目、プロ戦歴27戦になる佐々木は、格闘技に対して、最近こんな考えを持つようになったという。

「若い時に比べて、考えること、そして自分で選択することが多くなり、またその重みが増してきたと思います。選択の幅が広がる中、練習拠点をニューヨークに移したり、大切な人と結婚したりと、ここ数年ですばらしい環境の変化がありました。これも親しい人たちの協力と、いつも応援してくれているファンの皆様のおかげだと、感謝の気持ちが大きくなっています。だからこそ、絶対にすばらしいパフォーマンスを見せようという思いが強まってきています」

佐々木はロンゴ・アンド・ワイドマンMMAでのトレーニングも新たに開始し、名伯楽レイ・ロンゴ氏のもと、アルジャメイン・スターリング、メラブ・ドバリシビリ、アル・アイアキンタといったUFCトップファイターとともに汗を流し、スキルアップを図っている。他方で、ソーシャルメディアでも時折その様子を紹介しているように、オフの時間にはモデルとしての活動をしたり、奥様と公園に出掛けたり、服や雑貨のお店を探索するなど、ニューヨーク生活を満喫している。

「次の試合、必ずいいパフォーマンスで激勝しますので、ぜひとも応援の程、よろしくお願いいたします!」と自信を見せる佐々木の進化から目が離せない。

「実は最近、試合ですごく緊張をするようになりました」と中村

佐々木と同じく、前回はUFCファイトナイト・ジャパンに出場し、危なげない試合でアレックス・モレノに判定勝ちを収めた中村。「フックを振り回してくる相手に、しっかりとディフェンスをした上で、自分がパンチを当てていくという、作戦通りの展開を作れたと思っています」と、確かな手応えのある納得の勝利だったようだ 。

今回の対戦相手はトニー・マーティン(米国)。戦績12勝4敗、うち8勝が一本勝ちというグラップラーで、これまでのライト級から階級を上げて、今回がウェルター級(170パウンド、約77.1 kg)での初戦となる。通常体重が195パウンド(約88.5 kg)と大柄のマーティンは海外メディアで階級転向により厳しい減量から解放されること、アメリカン・トップ・チームに移籍してレスリング特訓を積んでいることから、生まれ変わった自分を見てほしいと明かしている。そんなマーティンについて中村は、「もともと3ラウンドを通じてずっとテイクダウンを狙い続けるような戦い方をする選手。そこからさらにレスリングを強化することで、得意の寝技に持ち込みたいのだろうと思います。そこは要警戒ですね」と分析、「相手のテイクダウンをしっかり切って、打撃で勝負をしたり、逆に自分がテイクダウンする展開を作りたいと考えています」と勝利へのイメージを描いている。

これまではストライカーとの試合が多かったという中村は、「もはやストライカーとの対戦の方が慣れていてやりやすいように感じますが、純粋なグラップラーと戦うのは初めてなので、それはそれで楽しみです」と、“裸締め十段”の本領発揮に腕を撫す。また、2015年からの2度目のUFCキャリアで戦績3勝2敗と勝ち越しながらも、いまだ連勝がないことから、「とにかくまずは連勝したいですね」とも語っている。

プロ戦歴44戦という経験十分の大ベテランにして、いつも飄々(ひょうひょう)としたポーカーフェイスにも見る中村だが、「実は最近、若い頃と比べて、試合ですごく緊張をするようになりました」と、意外な心境の変化を明かしてくれた。

「当たり前なんですが、やっぱり1試合1試合がとても大事なものに感じるんです。僕の試合を見て、面白いと思ってくれるファンの方も少なからずいるようなので(苦笑)、そういう人のためにも、続けていきたいなと思っています」

「今回はフィニッシュを目指します・・・いや、フィニッシュします!」と抱負を語る中村が、柔よく剛を制して、歓喜のKポーズを決めることができるのか、注目だ。

エドガー対スワンソン、し烈なサバイバルマッチも

メインイベントではタイトル戦線生き残りをかけたライト級トップコンテンダー対決、エドソン・バルボーザ(ブラジル)対ケビン・リー(米国)が、そしてセミメインイベントでは、前回はともにブライアン・オルテガに不覚を取ったベテラン同士による、こちらもし烈なサバイバルマッチ、フランキー・エドガー(米国)対カブ・スワンソン(米国)の注目の一戦が行われる。見どころ満載のUFCファイトナイト・アトランティックシティ、どうぞお楽しみに。

【文 高橋テツヤ】

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