UFCファイトナイト・リバプール見どころ:地元の英雄ティルが再びの大金星を狙う

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・ポーランド:ドナルド・セラーニ vs. ダレン・ティル【ポーランド・グダニスク/2017年10月21日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・ポーランド:ドナルド・セラーニ vs. ダレン・ティル【ポーランド・グダニスク/2017年10月21日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間5月27日(日)に開催されるUFCファイトナイトはビートルズゆかりの地として世界的に有名な英国のリバプールで開催される。英国でのUFCイベントはこれが18回目であるが、リバプールには今回が初進出とあって、1万1,000枚のチケットが発売開始1時間弱で売り切れたほか、BBCラジオでの実況生中継も急きょ決定するなど、地元での人気は過熱気味だ。そんな盛り上がりの中心にいるのが、メインイベントでスティーブン・トンプソン(米国)を迎え撃つリバプール出身の期待の新星、ダレン・ティル(英国)である。

オレのファイトIQは並外れて高い――ティル

MMA戦績16勝0敗のパーフェクトレコードで人気・実力ともに急上昇中のティル。前回の試合では、ランキング外、ノーマークの存在ながら当時ランキング6位のドナルド・セラーニを第1ラウンドでノックアウト(2017年10月)、大番狂わせを演じて世界を驚かせた。

「UFCがついにリバプールにやってきて、自分がエコー・アリーナでメインイベントを飾るなんて、信じられないよ! オレの名前は、この歴史的なイベントに出場した選手として今後200年間、語り継がれることになる。これがどんなにうれしいことか、言葉にならない」

地元がい旋にテンションも上がるティルは、子どもの頃から、段違いに高い自分の格闘能力に深い確信を持っていたのだという。

「正直に言わせてもらう。オレはスパーリングを始めた頃、初めてアマチュアでムエタイの試合に出た時から、自分は他人とは違っていること、自分のファイトIQが特別に高いことを知っていた。子ども時代から確固たる自信が揺らいだことはないんだ。スパーリングで大人にやられても、それくらい、どうということもなかった」

「格闘技に限らず、人生で本当に価値のある道とは、長くて苦しく、犠牲を強いられるものだと思っている。特にUFCではセラーニ戦のように、想像もしなかった試練が立ち塞がる。そんな時には自分を信じて一生懸命やるしかないじゃないか」

「誰と戦おうが、オレはレベルが違う存在なんだと本気で思っている。ヘビー級チャンピオンと戦っても、オレなら勝てると信じているんだ」

対戦相手のトンプソンはチャンピオン以外のほとんどの相手に勝ってきた強豪だが、それでもティルの自信は揺るがない。

「彼は空手マスターで、多彩な打撃を繰り出してくるだろうけど、先に打撃を当てるのはオレの方だ。オレと金網の中に閉じ込められれば、ヤツはこんなレベルの高い選手とは戦ったことがないと悟るだろう。決して簡単な相手ではないけれど、オレは再び世界を驚かせるつもりだ」

トンプソン、タイトル再挑戦に虎視眈々(こしたんたん)

UFCウェルター級王者タイロン・ウッドリーに2度挑戦してベルト奪取に失敗した後、前回はマディソン・スクエア・ガーデンでホルヘ・マスビダルに判定勝ち(2017年11月)を収めたトンプソン。その試合中に両手の親指を負傷したこともあり、今回は半年ぶりの復帰戦となる。

タイトル戦線からはいったん後退したかに見えるトンプソンだが、ベルト獲得を諦めるつもりはさらさらない。

「だって、MMAでは何が起きるか分からないからね。ティルは強敵だ。ほかにもカマル・ウスマン、コルビー・コビントンなど、この階級にはモンスターがたくさんいる。その一人一人を倒さなければならない」

そのためにもトンプソンは、ファイターとして進化を止めるわけにはいかないという。

「試合が終わるといつも、こうすれば良かったんじゃないかと反省する。あっさり勝った試合でも、必ず振り返って改善点を見つけ出す。こういう姿勢が大事なんだ。自分のレベルの選手は大抵、現状で満足してしまい、進歩しようとしない。でも、それは実際には後退を意味する。若い人がドンドン追い上げてくるんだから、自分も進化し続けないといけないんだよ」

“ワンダーボーイ”ことトンプソンのワンダーな足技がさく裂するのか、それともティルが地元でまたしても金星を挙げるのか。ハイレベルな打撃戦に期待だ。

UFCデビュー戦で大抜擢、ホワイト

英国人ファイター8名が世界を迎え撃つ今回、セミメインイベントに登場する英国出身者は負傷欠場のグンナー・ネルソンの代役としてわずか12日前の出場要請を受けて急きょUFCデビューを飾るクレイグ・ホワイトだ。現在4連勝中、7月に内定していた英国のMMA団体Cage Warriors(ケージ・ウォリアーズ)でのタイトル挑戦を振り切ってUFCファイトナイト・リバプールに出場を果たす。

「UFCデビュー戦でセミメインイベントに出場するチャンスを得られる人などめったにいない。しかも対戦相手は実績十分だ。こんなに最高なことってあるかい。こうして強敵に挑戦できるからこそ、僕はMMAが好きなんだ。この10年の努力がついに実を結んだ。後は自分がこの挑戦にふさわしい男であることを証明するだけだ」

対戦相手のニール・マグニー(米国)は、ケルヴィン・ガステラム、カーロス・コンディット、ジョニー・ヘンドリックスらに黒星を付けてきた実力派のベテランだが、昨年はケガで9カ月間欠場するなど思ったような活躍ができていない。群雄割拠のウェルター級戦線で後れを取らないためにも、ここは負けられない試合になる。

「ただ勝つだけではなく、強い勝ち方をして、マグニーが大物と戦うところを見たいと思わせたいんだ」と語るマグニーに、ホワイトの晴れ舞台を演出するつもりはまるでない。

地元の人気者“ミートボール”モリーもデビュー

今回、出場を果たすもう1人のリバプールっ子はUFCデビュー戦となるモリー・マッキャン(英国)だ。Cage Warriorsの女子フライ級タイトルを今年2月に獲得したばかり、現在6連勝中と勢いに乗る。ロンダ・ラウジー対リズ・カムーシュ(UFC 157、2013年2月)を見た次の日にMMAジムに入会したという直情派のマッキャン。ニックネームの“ミートボール”は学生時代にサンドイッチ店『サブウェイ』でアルバイトをしていた頃のお気に入りの具材に由来するのだという。

Cage Warriorsでは他の誰よりも自ら率先してたくさんのチケットを売った上、ベルトを取った後にチキンナゲット50個を大食いして勝利を祝うなど、楽しい逸話にも事欠かない人気者が、熱狂的な応援団に支えられて、地元で鮮烈白星デビューを狙う。

【文 高橋テツヤ】

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