UFCファイトナイト・ユーティカ見どころ:連勝中のリベラ&ガレスピー、地元ニューヨークに錦を飾れるか

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・ロングアイランド:公式計量セレモニーに登場したジミー・リベラ 【ニューヨーク州・アメリカ/2017年7月21日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・ロングアイランド:公式計量セレモニーに登場したジミー・リベラ 【ニューヨーク州・アメリカ/2017年7月21日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間6月2日(土)にアメリカ・ニューヨーク州で開催されるUFCファイトナイト・ユーティカのメインイベントはトップコンテンダーのジミー・リベラ(アメリカ)とマルロン・モラエス(ブラジル)のバンタム級マッチが行われる。

念願のメインイベントでリベラが王座に手をかける

地元ニューヨーク州マンハッタン出身のリベラは空手をバックグラウンドとするストライカーだ。戦績21勝1敗を誇り、現在20連勝中のリベラはUFC戦績が5勝0敗でランキング4位につけている。2016年9月にホール・オブ・フェイマーのユライア・フェイバーを下して名声を大いに高めた。

リベラは実はUFC 219(2017年12月)で元バンタム級チャンピオンのドミニク・クルーズと対戦予定だったのだが、クルーズが負傷欠場を余儀なくされ、代役にジョン・リネカーが立てられたものの、リネカーも歯の感染症で緊急手術を受けて出場不能になり、代打の代打として名前が挙がったのが今回の対戦相手であるモラエスだった。

今回のイベントにどうしても出場したかったリベラはモラエス戦の実現に向けてソーシャルメディアで交渉過程を公表し、相手を追い詰める作戦に出る。

「こちらはモラエス戦を受け入れた。体重も138パウンド(約62.60kg)の契約体重で構わない」

「マルロンが138まで減量できないらしい。では140(約63.50kg)で戦おう」

「こちらから5パウンドも猶予を与えたのに、モラエスはまだ減量できないのか」

これに対してモラエスが「貴様こそこちらの条件を飲め。忘れたのか。貴様もオレとの試合を過去に2度断っているんだぞ。条件はこちらが出す」と応じると、リベラは「よし分かった。145パウンド(約65.77 kg)でやってやる。契約書にサインしろ」と返した。

しかし、その時の体重が165パウンド(約74.84kg)あったモラエスは結局、イベントまで1週間を切っていたこともあり、減量は現実的に難しいとして試合を断ったのである。

いったんモラエス戦への興味を失ったリベラは次のようにコメントしていた。

「モラエスと戦ったところで、タイトルショットにたどり着くわけでもない。クルーズやガーブランドを倒せば、多くのファンは俺がタイトルに挑戦する試合を見たくなるだろう。今の自分はそういう相手と戦うべきなんだ」

それでも今回、この試合を受諾したリベラはUFCサイドに2つの条件を突きつけている。1つは、この試合をメインイベントにすること、もう1つは、この試合をナンバー1コンテンダー決定戦にすることだ。

「そうは言っても、実際には何の約束もないんだよ。俺だってビジネスの現実は理解している。結局はどんな試合をやるのかが問題なんだ。だから速射砲でヤツをフィニッシュしてやるしかない」と語るリベラ。ほぼ1年ぶりの試合となるが、「練習時間はたっぷりあった。5ラウンド戦の準備も上々だよ」と、頂点へと続く道に自信を見せる。

殺しのモラエス、因縁清算に闘志

モラエスは2011年にアメリカに渡って以来、ニュージャージー州の“ジ・アイアン・アーミー”に所属している。マーク・ヘンリー(ボクシングコーチ)、ヒカルド・アルメイダ(柔術コーチ)、フランキー・エドガーらが主宰する、目下もっともアクティブなチームの1つだ。

「かつての自分はただのファイターで、殺しの本能だけでやっていた。ところがここに来てからというもの、MMAについて多くのことを教えてもらった。それでやっと総合格闘家になれたんだ。自分のように殺しのあるMMAファイターはとても危険な存在だと思う」

過去16戦で15勝、他団体でベルトを巻いたこともある。2016年のUFCデビュー戦でハファエル・アスンソンに僅差の判定負けを喫した後は、ジョン・ドッドソン、アルジャメイン・スターリングに連勝し、ランキングは現在5位だ。

「オレはドンドン試合をして、自分がベストファイターの1人であることを証明し続けたい」と語るモラエスが、ここ数カ月にわたるリベラとのソーシャルメディア上での因縁にケリをつけるべく、オクタゴンでの決闘に足を踏み入れる。

業界屈指の釣り名人、地獄からの使者を迎撃

セミメインイベントは地元ニューヨーク州出身のグレゴール・ガレスピー(アメリカ)対ヴィンス・ピシェル(アメリカ)の一戦だ。ガレスピーといえば、MMA業界屈指の釣りマニアとして知られている。彼の『Instagram(インスタグラム)』には、大自然に分け入り釣りを楽しんでいる写真や、釣りのエピソードトークが満載で、釣りファン必見の内容となっている。

「試合前の練習の心の支えは釣りだ。試合が済んだら楽しく釣りをしたい。それを自分へのご褒美に練習に励む。対戦相手は自分を釣りから引き離す悪者なので、ぶっ飛ばすしかない」

そう語るガレスピーだが、もちろんただの趣味人ではない。NCAAディビジョン1ではナショナルチャンピオンを獲得、MMA転向後の戦績は11勝0敗(UFCで4勝0敗)、前回は今年1月にジョーダン・リナルディを第1ラウンドでノックアウトしている。

「自分のレスリングが通用しないことはほとんどない。俺のテイクダウンを止めたいなら相手は幸運を祈るしかない。そしていったんテイクダウンを取れば、対戦相手は2度と立ち上がれない」

背中のタトゥーに刻まれた“水滴石をうがつ”ということわざ通り、押さえ込んだ相手を着実かつ一方的に削り取るファイトでガレスピーが連勝記録更新を狙う。

一方、昨年6月に3年ぶりの試合で勝利を飾ったピシェルは長期欠場中に複数のケガの治療に追われていたほか、婚約者から結婚1カ月前に別れを告げられるなど、心身ともにトラブルだらけの日々を過ごしていたのだという。

「つい最近も、彼女と別れたばかりだ。彼女が教会で浮気をしていた。オレには次から次へと困難が押し寄せる。昔ならぶち切れて、ストリートで暴れるところだけど、今はプロのファイターなのでそういうわけにもいかない。だから試合でストレスを吐き出すしかない」と明かすピシェルはガレスピーについて、「オレからテイクダウンを取るのがどれほど難しいか、ヤツは痛感するだろう。オレはヤツを何発も殴りつけ、ヤツがこの試合を引き受けたことを後悔させてやる」と私恨を晴らす勢いだ。

「オレはバッドガイ役で結構だ。オレのニックネームは“フロム・ヘル”なんだぞ」と凄(すご)むピシェルがニューヨークのファンを凍り付かせる。

(文 高橋テツヤ)
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