UFCファイトナイト・リンカーン見どころ:名勝負確率10割男、ジャスティン・ゲイジー登場

UFCファイトナイト 見どころ
日本時間8月26日(日)に、ネブラスカ州リンカーンで開催されるUFCファイトナイト・リンカーンではメインイベントでライト級ランキング7位につけるジャスティン・ゲイジー(アメリカ)と同10位のジェームズ・ビック(アメリカ)が対戦する。



「フィニッシュするか、されるかがオレの戦いなんだ」

他団体で無敵のチャンピオンだったベテランのゲイジーがUFC入りしたのは2017年のこと。以来、たった3試合でゲイジーはすでにUFC屈指の名勝負男としての評価を確立してしまった。

何しろ、マイケル・ジョンソンに第2ラウンド、ノックアウト勝ちを収めた2017年7月のUFCデビュー戦がいきなりUFC公式サイト選定2017年年間ベストファイトで第1位を獲得。2戦目のエディ・アルバレス戦(2017年12月)が、同じランキングで第2位に、さらに3戦目のダスティン・ポワリエ戦(2018年4月)もUFC公式サイト2018年上半期ベストファイトで2位に選出されており、まさに半端ない安定感の名勝負製造機ぶりである。もちろん3試合ともファイトナイトボーナスを獲得した。銃弾飛び交う戦場に、喜び勇んでノーガードで突っ込んでいくような激闘スタイルがファンを魅了してやまない。

ゲイジーはプロファイターとしての自らの哲学を次のように語っている。

「フィニッシュできないくらいなら、負けた方がマシだ。退屈な判定決着なんていらない。そういう結末はありえない。フィニッシュするかされるかがオレの戦いなんだ。生か死か、なんだよ」

「オレは勝ち負けのために戦っているんじゃないんだ。ファンを楽しませたい。だってこれはエンターテイメントビジネスなんだ。オレは見ていて一番面白い選手としてファンの記憶に残りたい」

似たようなセリフを口にする選手は他にもいるが、ゲイジーは本気でこの信条を体現している選手の1人だ。「生か死か」といった言葉からも分かる通り、ゲイジーは自分のファイトスタイルが常に失敗と背中合わせであり、いつも勝つとは限らないのだということを認めている。ゲイジーがファンに約束しているのは、勝利ではなく、すばらしい試合なのだ。

もっとも、ジョンソン戦を勝利で飾った後はアルバレスとポワリエに連敗を喫した。現実的にUFCで生き残っていくために、さすがのゲイジーも今回は若干、試合への取り組み姿勢を調整するつもりだと語っている。

「試合中に自己満足にひたりすぎたり、あまり楽しみすぎたりしないようにしたい。アルバレス戦では、すごいアッパーカットを当てて、もう大丈夫だろうと気を緩めすぎた。ポワリエ戦でも同じようなことがあったんだ。失敗から学ばないといけない」

「でも、オクタゴンにあがると、オレは気分がよくなりすぎてしまう。だから、これからは怖いという気持ちを忘れない必要があるんだ。特にUFCのトップ10クラスの選手と戦う時には、1発当たれば何が起きるか分からないんだからね。だから今回のキャンプでは集中力を切らさないこと、油断をしないことをテーマに練習を積んできた」

ちなみにゲイジーは、こんなファイトスタイルでいつまでも現役を続けられるとも考えていない。前回の試合後には「残りは5試合だ」と口にしている。ゲイジーの命を削るような試合を見られるうちに見ておかなければ、ファンならずとも後悔することになるかもしれない。

ビック、金星に虎視眈々(こしたんたん)

ゲイジーと対戦するのはプロ戦績14戦13勝と好調のビックだ。両者の因縁は2017年のゲイジーのUFCデビュー戦にさかのぼる。試合後のマイクパフォーマンスでゲイジーは「オレと釣り合うヤツなどいるのか」とUFCライト級ファイターを挑発。これに敏感に反応したのがビックだった。『Twitter(ツイッター)』上で互いに激しい言葉を交わした後、ゲイジーは「この男はインターネットで人のことをビッチ呼ばわりしやがった。一度張り倒しておかないといけない。親がちゃんとお仕置きをしないから、やりたい放題をしているガキのようだ」とビックに対して挑発的な言葉を吐いている。

8月3日(アメリカ時間)に行われたUFC25周年記念記者会見でも、両者は舌戦を展開している。

ゲイジー: メジャーリーグへようこそ、ジェームズ。初めてのメインイベント、よかったな。

ビック: 今回は自分の最初のメインイベントにして、オマエの最後のメインイベントになる。4連勝中の自分が、連敗中のオマエをマイナーリーグで負け犬と戦う日々に送り返してやる。

ゲイジー: オレはボーナスだけで、オマエの生涯ファイトマネーよりも稼いでいるんだ。まあ、せいぜい頑張ってくれ。

ビックはゲイジーについて、「ハートだけは認めるが、スピードもスキルもないし、リーチも短い。アホみたいにムチャクチャに戦うだけのB級ファイター、まさに人間サンドバッグだ。今回ヤツは馬脚を現すことになる」と噛(か)みついている。

「おそらく3ラウンドもかからないで自分がフィニッシュすることになる」と意気込むビック。名勝負男を相手に金星を飾ればランキングも知名度も急上昇することは間違いない。

実力者ジョンソン、カド番の戦いへ

UFCファイトナイト・リンカーンのセミメインイベントにはゲイジーの年間最優秀試合の対戦相手だったマイケル・ジョンソン(アメリカ)が登場し、アンドレ・フィリ(アメリカ)とのフェザー級マッチに挑む。

ポワリエにも勝ったことがある実力者のジョンソンは、ゲイジー、ネイト・ディアス、ハビブ・ヌルマゴメドフら強豪との対戦が続いたこともあり、過去6戦で1勝5敗、現在3連敗中と負けが込んでいる。前回、地元セントルイスで行われたダレン・エルキンス戦(2018年1月)では、ライト級からフェザー級に転向して心機一転を図ったが、無念の一本負けを喫してしまった。今回は何としても白星を確保して、まずは体勢を立て直したいところだ。

他方のチーム・アルファ・メール所属のフィリは2013年にUFC入りして以来、勝利と敗戦を交互に繰り返してきたものの、現在は待望の連勝街道(2連勝)に乗っている。ここにきて、ファイターとして成長していることを実感できていると語るフィリの充実のパフォーマンスに期待がかかる。

UFCファイトナイト・リンカーンをお楽しみに。

(文 高橋テツヤ)
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