UFCファイトナイト・モスクワ見どころ:ロシア初上陸! ファンの熱い思いがモスクワの夜を紅く焦がす!

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・オークランド:デリック・ルイス vs. マーク・ハント【ニュージーランド・オークランド/2017年6月11日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・オークランド:デリック・ルイス vs. マーク・ハント【ニュージーランド・オークランド/2017年6月11日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC初のロシアでのイベント、UFCファイトナイト・モスクワが、モスクワのオリンピスキ・アリーナ・センターで日本時間9月15日(土)から16日(日)にかけて開催される。

近年、ロシアでのUFC人気が急上昇しており、今やロシア全土に2,200万人のUFCファンが存在するとされている。ロシアはまさに、UFCの国際展開で残されていた最後のピースであり、今後さらにブームが過熱する潜在力のある巨大市場の1つなのである。満を持してのロシアデビューイベントは、全試合にロシア人ファイターが起用され、まさにロシア対世界の大戦争の様相だ。



ハント、キャリアのファイナルラップへ

メインイベントにはMMAのレジェンド、“スーパー・サモアン”ことマーク・ハント(ニュージーランド)が登場し、”ボア・コンストリクター”ことアレクセイ・オレイニク(ロシア)と対戦する。オレイニクのニックネームは筋肉質な胴体で獲物を絞め殺して捕食することで知られる南米に生息する体長4メートルにもおよぶ大蛇の名前にちなんだものだ。

2007年にUFCがPRIDEを買収すると、ミルコ・クロコップ、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラといったPRIDEのスター選手が続々とオクタゴンに登場する中、PRIDE所属だったハントについては契約を買い取った上でリリースする意向だった。当時のハントはすでに年齢30代半ばにして5連敗中、UFCのオクタゴンで戦っていくには力不足だと見られていたのだ。ハントにしてみれば、戦わずして大金を手にし(その金額は45万ドルに上るとも報じられた)、次のキャリアに進んでいくこともできたはずだった。

しかし、ハントは契約通りに試合をすることにこだわった。そしてUFCデビュー戦(2010年9月、UFC 119)こそ敗れたものの、そこからオクタゴンでの戦いに見事に対応し、2014年にはUFCヘビー級タイトルに挑戦するまで登り詰め、以降、トップランカーの地位を守り続けている。

UFCデビューから7年、44歳になったハントにとって今回の試合はUFCでの17戦目となる。そして今でもハントは、あくまで契約通りに試合をすることにこだわり続ける。

「あと2試合残っているUFCとの契約は最後まで消化したい。先のことは契約を満了してから考えたい」

「戦うことは大好きだ。高揚と落胆、張り詰める身体と心、生々しい感覚は格闘技ならではだ。ただ、今では自分も地球上で最高齢の選手の1人になってしまい、トレーニングの疲労が抜けるのが遅くなっている。そうしたこともあって、現実的には引退も脳裏をかすめるようになってきている」

現在、ハントが在住するオーストラリアからは近年、ハントに憧れてファイターになったタイ・トゥイバサ、タイソン・ペドロといった新世代ファイターが台頭してきた。

「彼ら若い選手と練習をするのは楽しいよ。自分の半分くらいの年齢のヤツらとすごしていると、さすがに自分の年齢を感じる。でも、そんな若い選手と練習をしても負けていないんだから、俺もまだやっていけるということだろう」

プロ格闘家キャリア20年、キックボクシングもあわせると戦歴は60試合を超えるハントは、今回の試合への思いを次のように明かしている。

「俺はかつて、史上最強のロシア人ファイター、エミリャーエンコ・ヒョードルと戦ったこともある。だからロシア人アスリートをリスペクトしているんだ。オレイニクは俺と同じタフな男だが、ベストを尽くす。彼にとって、長くてつらい夜になるだろう」

絞殺予告の大蛇オレイニク

一方のオレイニクも経験値ではハントに劣らない。1997年のMMAデビュー以来、キャリア21年、戦績は56勝11敗1分け。うち46勝が一本勝ちという関節技の鬼である。前回、UFC 224(2018年5月)のジュニオール・アルビニ戦では、得意の秘技エゼキエルチョーク(袖車絞め)で対戦相手を絞め落とし、ファイトボーナスを獲得している。

「俺がハントの大砲をもらってしまわない限り、ハントが自分の絞め技から脱出することは非常に難しいだろう」とオレイニクは絞殺を予告する。「UFC初のロシアでメインイベントを飾り、ロシアのMMA史に名を残すことができてうれしい。伝説的なイベント、伝説的な試合を期待してもらいたい」

ハントのK-1パンチがオレイニクの脳みそを揺らすか、それとも地元のエース、オレイニクが大蛇のごとくハントを絞め落とすのか。2,200万人のUFCファンの熱い思いを集めて、モスクワの夜が紅(あか)く燃え上がる!

クリロフ復帰戦、アルロフスキーも登場!

UFCファイトナイト・モスクワのセミメインイベントでは、ヤン・ブラホビッチ(ポーランド)とニキータ・クリロフ(ウクライナ)のライトヘビー級戦が行われる。ブラホビッチは現在3連勝中と好調、前回は2018年3月にロンドンでジミ・マヌワをキャリアハイの大激戦の末に下している。

一方、クリロフは2013年にウクライナ出身ファイターとして初のUFC入りを果たし、6勝3敗の好成績を残した。2016年にいったんUFCを離れた後、ロシアのプロモーションで4連勝を飾り、今回が1年9カ月ぶりの復帰戦となる。バックグラウンドは極真空手とサブミッションレスリング、戦歴29戦で判定決着が一度もないというフィニッシャー中のフィニッシャーだ。

メインカードではさらに、アンドレイ・アルロフスキー(ベラルーシ)対シャミル・アブドゥラヒモフ(ロシア)のヘビー級戦も組まれている。2000年のUFC 28でUFCデビューを飾り、2005年にはUFCヘビー級王座を獲得した大ベテランのアルロフスキー。現在はシカゴ在住だが、UFCのロシアンファイターのまさに草分け的存在だ。2013年に34歳でUFCに復帰してからというもの、そのファイトスタイルはますますアグレッシブさを増している。

対するアブドゥラヒモフは散打をバックグラウンドに、27歳でMMAデビューを飾った遅咲きファイターだ。「自分はダゲスタン出身。ダゲスタンで男として生まれた以上、遺伝子に格闘技が刷り込まれている。生まれつきの格闘家であるので、遅咲きかどうかは問題ではない」と豪語するアブドゥラヒモフ。ハビブ・ヌルマゴメドフ、ザビット・マゴメシャリドフらを続々と輩出し、UFCで幅をきかせるダゲスタン旋風にのってランキング急上昇を目論(もくろ)む。

【文 高橋テツヤ】
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