アルバレス対ポワリエの激闘はノーコンテストに

UFC PPV 試合レポート
UFC 211:エディ・アルバレス vs. ダスティン・ポワリエ【アメリカ・テキサス州ダラス/2017年5月13日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC 211:エディ・アルバレス vs. ダスティン・ポワリエ【アメリカ・テキサス州ダラス/2017年5月13日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
ライト級 5分3ラウンド 
エディ・アルバレス vs. ダスティン・ポワリエ


昨年11月にコナー・マクレガーとの天下分け目の大一番で2RKO負けを喫し、現在ランキング3位のライト級前王者エディ・アルバレスにとっては、今回が復帰戦となる。

対するポワリエは昨年9月、マイケル・ジョンソンに1RKOで敗北したものの、今年の2月にはジム・ミラーとの激戦を2-1の判定で制し、タイトル戦線に再浮上した。現在のランキングは9位だ。

第1ラウンド、オーソドックスからプレッシャーをかけにいくアルバレスに対して、サウスポーのポワリエはワンツーや左ミドルで迎え撃つ。アルバレスはポワリエのパンチをパーリングやウィービングでかわしながら中に入ろうとするが、右をもらって後退。ならばとばかりに狙ったアルバレスのテイクダウンをポワリエが守る。ときに右ハイも交えて攻撃するアルバレスだが、徐々にポワリエのプレッシャーで後退する場面が増えてきた。

第2ラウンドでは前に出たポワリエに対してアルバレスが右ストレートをヒット。さらにテイクダウンを狙うも、ポワリエは金網を背に耐えた。両者が離れた後、伸びのあるジャブを当てるポワリエは距離を詰めてきたアルバレスに左ストレートをたたき込む! ぐらついてコーナーまで下がったアルバレスにパンチからのハイで追い打ちをかけるが、身体を振って打ち返したアルバレスはテイクダウン狙いに転じた。

それを切ったポワリエは強烈な左を連打するも、なおも倒れないアルバレスの左フックが逆にヒット! 体勢を崩したポワリエをコーナーに追い詰めて連打を浴びせたアルバレスはテイクダウンを試みるも、ポワリエがフロントチョークで反撃する。これが深く入ったものの、アルバレスは身体を沈め、捻って首を抜いた。

両者ダメージが残って動きが落ちているなか、アルバレスがダブルレッグでテイクダウン! 立ち上がろうとしたポワリエをがぶって膝を入れる。やがて、ポワリエの片手がマットに付いている状態で顔面に反則打を入れてしまったアルバレスは、さらに膝と両手を付いたポワリエにもう一発。完全に反則のこの一打を見てレフェリーが試合を止めたときには、ポワリエは大流血状態になっていた。眼球にダメージを受けたポワリエは試合続行不可能と判断されている。

レフェリーのハーブ・ディーンはアルバレスがポワリエのダウン状態を見極めるのは難しく、故意ではない反則と判断して、4分12秒の時点でこの試合をノーコンテストとした。

映像を見ながらアルバレスは「僕はダーティファイターじゃない。拳で戦っている最中に起きたことだ。ダスティンにも謝罪したよ」と弁明。

観客からブーイングが上がると、ここでポワリエがアルバレスからマイクを奪い取り「ヘイ! ブーイングは止めろ! この男は世界王者だぞ! 俺がこの男に持っているのは尊敬の念だけだ! この男はウォリアーなんだ。俺たちはこのオクタゴンに上がるたび全てを賭けて戦っている! 確かに不運な事故だったが、エディが言ったように俺たちは拳で戦っていたんだ!」と激しくアピールし、二人はハグした。 

さらにアルバレスは「僕はただ戦っていたんだ。ダスティンはうまく距離をコントロールしていたから、僕は全力で自分の距離に入ろうとしていた。最後のは確かに反則。謝るよ。また試合したいと思う」と述べている。
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