UFCファイトナイト・フォルタレザ見どころ:ブラジル人トップランカーの競演! アルドは引退カウントダウン!

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・カルガリー:ジョゼ・アルド vs. ジェレミー・スティーブンス【カナダ・アルバータ州カルガリー/2018年7月28日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・カルガリー:ジョゼ・アルド vs. ジェレミー・スティーブンス【カナダ・アルバータ州カルガリー/2018年7月28日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間2月3日(日)に開催されるUFCファイトナイト・フォルタレザのメインイベントでは、バンタム級タイトルの次期挑戦者候補決定戦と目される待望のリマッチ、ハファエル・アスンソン(ブラジル)対マルロン・モラエス(ブラジル)が行われる。

新時代を作るか、ベルトコレクターのモラエス

バンタム級ランキング4位につけるモラエスは2012年に、アメリカ・ニュージャージー州の『アイアン・アーミー』に加入した。エドソン・バルボーザのスパーリングパートナーとして連れてこられた格好だった。当時のモラエスは戦績7勝4敗、それまで所属していたブラジルのジムでは伸び悩み、「キミはミット持ちとして生きていくしかないよ」などと言われ、引退を考えるほど自信をなくしていたのだという。

しかし、渡米後にはめきめきと頭角を現し、以来戦績は14勝1敗、前所属団体の『ワールド・シリーズ・オブ・ファイティング』ではバンタム級王者として5度の防衛に成功、無敗のまま2017年に満を持してUFCに移籍してきた。ジョン・ドッドソンに判定勝ち、アルジャメイン・スターリングとジミー・リベラには第1ラウンドでのKO勝ちで、現在、強敵を3タテ中と絶好調だ。総合格闘技の最高峰UFCでもベルトを奪取すべく順調に歩を進めている。

今のモラエスは『アイアン・アーミー』でフランキー・エドガーのメイン・スパーリングパートナーを務めている。エドガー流トレーニングの薫陶をたっぷりと受けているのもモラエスの強さの理由の1つだ。コーチのヒカルド・アルメイダは、「この先数年でモラエスは、アンデウソン・シウバやビトー・ベウフォートと同等の、ブラジルMMAの代表選手になるだろう」と予告している。

それほどまでに才能あふれるモラエスが唯一、土をつけられたのが今回の相手のアスンソンなのである。2017年に行われたUFC 212の初顔合わせでは、アスンソンが薄氷のスプリット判定勝ちを収めた。この試合を、コーチのマーク・ヘンリーが振り返る。

「モラエスはすごくやさしい性格なので、試合でうまく気持ちのスイッチを切り替えられるかどうかが課題だった。アスンソン戦でのマルロンは、1分に1回くらい、相手と拳を合わせていたんだ。私はセコンドから、『ヤツの手に触れるんじゃない! これは戦いなんだぞ、もっと意地悪になれ!』と叫んでいたよ。でもこういうことは、実戦で学び取っていくしかないんだね。マルロンにはいい勉強になったと思うよ」

タイトル挑戦へ正念場、アスンソン

対するアスンソンは2011年にバンタム級に転向して以来、11勝1敗という圧倒的なレコードを残してランキング3位まで上り詰めている。唯一の黒星は現王者T.J.ディラショーとの再戦で喫したものだが、2013年の初戦ではアスンソンが勝っている。現在4連勝中で、戦績的にはすでにトップコンテンダーの座にあると評価されても不思議のないアスンソンが今回、すでに倒したことのある急上昇中の若手に母国のメインイベントで胸を貸す。

「もう随分前から、自分にはタイトルに挑戦する資格があると思ってきた。判定勝ちが多いなど、戦い方に批判があることは承知しているが、記録は記録だ。今、念頭にあるのは、(7連勝でやっとタイトルマッチにたどり着いた)デミアン・マイアや、決して不平不満を漏らさないリョート・マチダといった先輩たちの忍耐強い姿だ。本当のチャンスがそのうちやってくると信じて戦うことにするよ」

「チャンピオンになっている自分の姿をイメージすることはできている。これまでのすべての努力や苦労が合流して、ゴールテープを切っているところがありありと目に浮かぶんだ。ここが自分の頑張りどころになる」

レジェンド、アルドのファイナルカウントダウン

UFCファイトナイト・フォルタレザのセミメインイベントには、こちらもブラジル人同士の世代交代戦、ジョゼ・アルドとヘナート・モイカノの一戦が組まれた。ランキングはアルドが2位、モイカノが2つ下の4位につけている。

2009年の『ワールド・エクストリーム・チャンピオンシップ44』に挑戦者として出場し、当時の王者マイク・ブラウンを下した試合から数えて、アルドは実に14試合連続でタイトルマッチに出場し続けてきた。これはジョルジュ・サン・ピエールやデメトリアス・ジョンソンより2回も多いレコードである。そして、その過程で9回連続のタイトル防衛を果たしているアルドがフェザー級の歴史上、最高のファイターであることは衆目の一致するところだ。

しかし、さしもの絶対王者も、2015年にコナー・マクレガーに初のKO負け、2017年には現王者マックス・ホロウェイに連続KO負けを喫するなど、キャリアの峠を越えたのではないかと見られていた。それだけに、前回、15試合ぶりに3ラウンドのノンタイトル戦に出場したUFCファイトナイト・カルガリー(2018年7月)でジェレミー・スティーブンスを第1ラウンドでKOし、涙を流して喜びを爆発させるアルドの姿には、思わず胸が詰まってしまったファンも少なくなかったことだろう。

イベントに先だって開かれたブラジルでのメディアデーで、アルドは残り3試合となったUFCとの契約試合を消化したら引退する旨を明かしている。

「自分はここブラジルでキャリアを終えたいと考えている。残り3試合は全部ブラジルで戦いたい。もはやタイトルを狙うつもりはない。有終の美を、身体を壊す前に飾りたいんだ。これまではカネと引き換えに自分の身体を提供してきた。これからは家族との時間を大切にしたい」

「とはいえ、自分と戦うことになる選手は、よく注意した方がいい。自分は今でも、誰にとっても厄介な選手だ。残り試合を全部勝つつもりだからね」

対するモイカノは2017年のUFC 214で実現したブライアン・オルテガとのキャリア無敗同士対決で敗戦し、キャリア初黒星を喫したことをきっかけに母国ブラジルを離れて『アメリカン・トップ・チーム』に加入、再び連勝街道に復帰した気鋭の29歳だ。前回はカブ・スワンソンをフィニッシュして勢いに乗っており、レジェンドから金星を上げて一気にタイトル挑戦をつかみ取りたいところだ。

ブラジル人トップランカーたちが母国で豪華競演するUFCファイトナイト・フォルタレザ。日本とは正反対に真夏のフォルタレザに吹き荒れるラテンヒートを受け止めて楽しもう。

【文 高橋テツヤ】
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