【注目株】UFCファイトナイト・ニューアーク:ケネディ・エンジーチュクー

UFCファイトナイト
UFCファイトナイト・フィラデルフィア:公式計量に登場したケネディ・エンジーチュクー【アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア/2019年3月29日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・フィラデルフィア:公式計量に登場したケネディ・エンジーチュクー【アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア/2019年3月29日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
スティックとボールを用いるトラディショナルなスポーツのファンであれば、若手の有望株がキャリア初期に何度かつまずいても見限るべきではないと知っている。その考え方はMMA(総合格闘技)の世界でも通ずることがあるのだ。今年初めにオクタゴンデビューでサブミッション負けを喫しながらも、いまだ証明されていない将来性を多く秘めたファイターがいる。ケネディ・エンジーチュクーだ。

Fortis MMAに所属するナイジェリア生まれのライトヘビー級ファイターであるエンジーチュクーはこの階級にしては大きな身体を有し、身長は約198cm、リーチは約211cmにおよぶ。いまだ自身の武器を開発し、このサイズをいかに活用するかを学んでいる最中のエンジーチュクーだが、素材があるのは明白であり、セイーフ・サウドとダラスのクルーたちと共にトレーニングに励んでいるということは、プロのキャリアで足跡を残そうとする本人にとって考えられる限りベストのコーチ陣を擁しているということでもある。

デイナ・ホワイトのチューズデーナイト・コンテンダーシリーズ(DWTNCS)出身のエンジーチュクーはデビュー戦でいきなりの洗礼を受け、サブミッションエースであるポール・クレイグと対峙した。試合開始からの14分はエンジーチュクーがコントロールを握り、トラブルを避けて2ラウンドに渡って優勢で最終ラウンドを迎えたものの、残念ながら自身の経験不足とクレイグの判断力によって、ベテランのクレイグが手首のコントロールを奪ってエンジーチュクーのバランスを崩し、三角絞めで試合を終わりへと導いている。

今回エンジーチュクーが対戦するダルコ・ストシッチは、デビュー戦で傑出したバトルを見せながらも、この春の第2戦ではデビン・クラークに大苦戦した選手だ。

ここで1勝したところでエンジーチュクーがタイトル争いにからむわけではなく、率直なところ、ランキング争いに名を挙げるのにも1年は早いだろう。しかし、エンジーチュクーにポテンシャルがあるのは明らかであり、サウドには才能を育てる能力がある。ゆえに、エンジーチュクーが大幅な進歩を見せ、正しい方向に向けて大きく前進する可能性は十分だ。

そして、そういった要素にこそ、若手ファイターの行く末を見守る上で注意を払う必要性があるだろう。
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