デイナ・ホワイトのチューズデーナイト・コンテンダーシリーズ(DWTNCS)を足がかりとしてすぐさまビッグウェーブを起こすファイターたちがいるのに対し、ユサフがUFCフェザー級にたどり着くさまはそのファイトスタイルがごとく、クリーンで洗練されながらもまぎれのない印象深さを与えるものだった。
26歳のユサフはDWTNCSシーズン2でマイク・デイビスを相手に圧倒的な勝利を決めたのを元にUFCとの契約を勝ち取った。UFCではスーマン・モクタリアンを第1ラウンドで沈めたのに続いてブラジルのシェイモン・モラエスをユナニマス判定で下している。今週末により大きな舞台へ歩みを進めるナイジェリア出身のユサフは、ナンバリングイベントのメインカードでベテランのガブリエル・ベニテスと対戦する。
ユサフのバトルには華やかなところがないが、だからこその面白さがある。根本的に安定していて基本に忠実なユサフのスタイルは、パワーのある一撃で華々しい結末を飾るというより、素早いジャブとシャープなキック、優れたフットワークでライバルを次第に崩していくものだ。対戦するライバルにとっては休まるときがなく、自分のリズムを確立しにくい、厄介な相手といえる。
一方、ジ・アルティメット・ファイター(TUF)ラテンアメリカに参戦していたベニテスは、昨年にチリでウンベルト・バンデナイをノックアウトした試合を含む2連勝を決めた状態でアナハイムへと向かう。31歳のベニテスはこれまでユサフが対峙してきた中で最も戦歴があり、経験を積んだファイターだ。そんな相手を倒すことができれば、才能あるファイターの多いフェザー級でベニテスがトップ15に入る道筋も見えてくるだろう。