UFC 242見どころ:ヌルマゴメドフがアブダビに降臨、ライト級頂上対決! 佐藤天に飛躍の好機

UFC PPV 見どころ
UFC 229:ハビブ・ヌルマゴメドフ vs. コナー・マクレガー【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2018年10月6日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC)】
UFC 229:ハビブ・ヌルマゴメドフ vs. コナー・マクレガー【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2018年10月6日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC)】
5年ぶりにアブダビで開催されるUFCイベント、UFC 242が日本時間9月8日(日)に迫った<編集部注:プレリムの開始は日本時間9月7日(土)23時予定>。

プレリミナリーファイトでは、4月のUFCデビュー戦でベン・サンダースを爽快にノックアウトした日本の佐藤天が、UFC2戦目で強敵ベラル・ムハマッド(アメリカ)と対戦する。

「日本人は強いというところをお見せします」

前回の試合を「思いのほかリラックスして戦うことができた」と振り返る佐藤は、7月上旬にフロリダに拠点を移し、ハードノックス365での練習漬けの日々を送っている。「ここには打撃、レスリング、フィジカルなどの専門コーチがいて、さらにさまざまなタイプのトップファイターがいるため、とても質の高い練習ができています。また、技術を深く掘り下げることもできるので、自分の課題である部分にもしっかり取り組めていています」とトレーニングを明かしている。日々の様子は佐藤のソーシャルメディアにも詳しい。

対戦相手のムハマッドについて佐藤は、「フィジカルが強く、よく動いてアグレッシブに攻めてくる、とてもタフな選手」だと分析、「まずは自分のペースで戦うこと念頭に、自分からプレッシャーを掛けつつ、相手の攻撃はしっかり切って自分のペースに持っていきたいです」と対策を明かしている。

過去6戦で5勝と好調を維持しているムハマッドは、パレスチナ移民の両親を持つムスリムのアメリカ人だ。

ムハマッドは佐藤についての印象を、「サトーはUFCではまだ1試合しかしていないし、ジムもヘンリー・フーフトのところに移ったんだろ? 彼がストライカーだということは知っているが、どんな戦い方をしてくるのかは未知数だ。いい試合になると思う」と語っている。

「アブダビでパレスチナ人として戦うことを誇りに思う」とムハマッドは述べている。「多くの人は、パレスチナ人の苦闘の歴史をよく知らないかもしれないが、アブダビの観客は分かっている。おそらく自分は、特別なエネルギーを感じながら、戦うことになると思う」。

今回の試合に思いを込めるムハマッドだが、層の分厚いウェルター級で頭角を現すためには佐藤にとっても負けられない一番になる。

ヌルマゴメドフ「ケージの中では惨殺あるのみ」

そしてメインイベントに組まれたのはUFCライト級王座統一戦、ハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)対ダスティン・ポワリエ(アメリカ)だ。

アメリカMMA史上、最大のペイ・パー・ビュー(PPV)売上件数を記録したUFC 229(2018年10月)でコナー・マクレガーをフィニッシュし、ライト級王座の初防衛に成功するも、試合後に繰り広げた大乱闘劇によりネバダ州から9カ月間の出場停止処分を受けたヌルマゴメドフ。一方、王者の出場停止を受け、UFC 236(2019年4月)で行われたライト級暫定王者決定戦で、当時13連勝中の現フェザー級王者マックス・ホロウェイを激闘の末に制したポワリエ。この両選手による王座統一戦が、アブダビの地で行われるのだ。

ヌルマゴメドフは、ポワリエの印象、試合の展望を次のように語っている。

「正直、暫定王者になるのはホロウェイだと思っていたのだが、ポワリエがいい試合をしたと思う。彼はグラウンドゲームも悪くないし、打撃はすばらしい。人間としてもファイターとしても敬意を払っているが、試合となればオレとしてはいつものとおり惨殺するしかない。対戦相手は関係ない。ケージの中では惨殺あるのみだ」

「ポワリエは6連勝中だそうだが、こちらは27連勝中なんだ。タフなチャレンジャーだとは思うが、レベルが違う。ポワリエが6連勝してきた相手は、全部ストライカーだろ。オレのように、執拗(しつよう)にレスリングで攻めてくる相手とは戦ったことがないはずだ」

「彼にとってはつらい試合になるだろう。オレは一晩中でもレスリングで攻め続けてやる。ヤツをヘトヘトにさせて、タップさせる。それがオレのゲームプランだ」

さらにヌルマゴメドフは、ポワリエ戦の先に長期政権樹立を見据える。

「今回の試合はいつもと少し違う気はする。マクレガー戦のようなビッグファイトではないから、モチベーションを見つけ出さないといけない。オレのモチベーションは、ここから長く続くレガシー作りだ。そのためには勝たなければならない。オレに言わせれば、長い間無敗であり続けること、それだけが本物の証(あか)しなんだ」

ポワリエ「ハビブの弱点を露呈させてやる」

前回、UFC戦歴実に22戦目にして臨んだ初のタイトルマッチで、見事に念願のタイトルを奪取したポワリエ。フィニッシュ勝利数19を誇る暫定王者は、現在6試合負けなし、特に最近4試合では、アンソニー・ペティス、ジャスティン・ゲイジー、エディ・アルバレス、ホロウェイという殺人ラインアップを退け、まさにファイターとして脂がのりきっている。

「山あり谷ありの長い道のりだったが、とうとう頂点にさしかかった」とポワリエは述べている。「これまでのキャリアでは、負けたこともあったし、くさったこともある。しかし、全てのことは理由があって起きている。敗戦から学んだおかげで、選手として成長してきた。今の自分を形作るためには、全てが必要なことだった」

今回の対戦相手ヌルマゴメドフは、これまでピンチらしいピンチに陥ったこともない強敵エリートだ。ポワリエはこの難敵とどうやって戦うつもりなのだろうか。

「ハビブの弱点はどこか、とよく聞かれるんだけど、勝つためには対戦相手に弱点なんてなくてもいいんだよ。それよりも、俺のプレッシャーとファイトIQ、そしてこれまで積み重ねてきた経験で、ハビブの弱点を露呈させてやろうと思う。彼がこれまで経験したことのないような局面に追い込んでやるつもりだ」

「ハビブの押さえ込みは強い。レスリングでは誰と戦っても圧勝だ。体重のかけ方はすばらしいし、技術への理解度も深い。目標は、試合をグラップリングマッチにしないで、果たし合いにすることなんだ」

「経験上、自分を信じていればうまくいくことを知っている。逆境におかれると人は自らを知る。俺のキャリアはその連続だったんだよ」

2人のチャンピオンがケージに入るUFC 242のメインイベント。ケージから出てくるチャンピオンは1人だ。難攻不落のヌルマゴメドフを、経験に勝るポワリエがどんなトリックで崩すのか。すさまじい死闘の予感がする。

【文 高橋テツヤ】
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