UFCファイトナイト・デンマーク見どころ:北欧MMAシーンの新主役、ハーマンソンがい旋

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・フィラデルフィア:デビッド・ブランチ vs. ジャック・ハーマンソン【アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア/2019年3月30日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・フィラデルフィア:デビッド・ブランチ vs. ジャック・ハーマンソン【アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア/2019年3月30日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間9月29日(日)に開催されるUFCファイトナイト・デンマークはデンマークの首都コペンハーゲンで初めて開催されるUFCイベントだ。そのメインイベントではジャック・ハーマンソン(スウェーデン、ミドル級ランキング5位)対ジャレッド・キャノニア(米国、同9位)の一戦が行われる。

前回はジャカレイに勝利、絶好調ハーマンソン

現在4連続フィニッシュ勝利中、過去7戦で6勝と絶好調のハーマンソン。前回は4月にフロリダで、ヨエル・ロメロが欠場したことを受けて急きょの代打出場を果たしたハーマンソンは、経験豊富な大ベテラン、ホナウド・ジャカレイ・ソウザと対戦、判定勝ちを収める大番狂わせを演じ、自身初のメインイベントでキャリア最大の勝ち星を飾ったのだった。

「ジャカレイ戦の勝利で、MMAファンも自分のことをミドル級のトップファイターの1人だと認めてくれたことと思う。ここからはタイトルを目指して一気に登り詰めたい」とハーマンソンは語っている。

キャリア20勝のうち16勝がフィニッシュ勝利(うち11勝がノックアウト、5勝が一本勝ち)というオールラウンドなフィニッシュ力が魅力のハーマンソン。特に打撃では、有効打数と被打数の差が、ミドル級ファイターとしては史上最大の1分あたり平均+2.87発となっており、殴り合いにはまず負けることのないタイプだ。

そんなハーマンソンだが、キャノニアに対しては、グラウンドで勝機を見いだしたいとしている。

「キャノニアは非常に危険な対戦相手だが、グラウンドに持ち込むことができれば、比較的早い時間でフィニッシュできるのではないかとみている。グラウンドにならない場合には、激しいスタンド戦になるだろうが、それでも自分の攻撃の方がシャープだと思っている」

アレクサンダー・グスタフソンの後を継いで「ノルディックMMAシーンの新たなスターになる」と意気込むハーマンソンが、スカンジナビア3カ国の1つ、デンマークで主役を張る。

前回はアンデウソン・シウバに勝利、3階級KO男キャノニア

キャノニアは前回、ブラジルが舞台となったUFC 237(2019年5月)のセミメインイベントで、敵地の英雄シウバと戦い、第1ラウンド4分47秒、テクニカルノックアウト勝ちを収めている。キャノニアが強烈なローキックを放ったところ、シウバは痛みに耐えかねるかのようにヒザを抱えてダウン、それを見たレフェリーが慌てて試合を止めたのだった。

キャノニアの快勝といっていい内容だったわけであるが、この決着にブラジルのファンが激怒、勝利者インタビューを受けるキャノニアには猛烈なブーイングが浴びせられたのだった。

「ファンが自分のことを嫌いなら、こちらもファンのことを好きだと思う理由はない」と試合後のキャノニアは凍り付いたようなコメントを出している。

2015年のUFCデビュー時点ではヘビー級ファイターだったキャノニア。そこからライトヘビー級、そしてミドル級へと、2度の階級転向を果たしてきた。UFCで3つの階級でノックアウト勝利を飾った唯一の選手がキャノニアである。ミドル級転向後はデビッド・ブランチとシウバに連勝と好調。打撃のディフェンス率が現役選手中第8位(67.4%)と高いことが特徴で、ハーマンソンとはいわば矛と盾の関係だ。

「寝ても立っても、ジャックは恐れることなく攻めてくるだろう」とキャノニアは語っている。「それはこちらも同じ気持ちだ。しっかり削って、じっくりノックアウトしてやるさ」

地元デンマークの五輪メダリストがUFCデビュー

今回のイベントには地元デンマークから2名のファイターが出場する。1人は、今回がUFCデビューとなる元五輪銀メダリスト(グレコローマン・レスリング)、マルク・マドセンだ。

レスリング世界選手権では何度もメダルを獲得している実力者のマドセンだが、2008年北京五輪では一回戦敗退、2012年ロンドン五輪では5位と、五輪メダルには恵まれなかった。そんなマドセンは2013年にMMAに転向、ローカル大会で連勝するなどポテンシャルを見せたが、2015年に再びレスリングに復帰すると、2016年リオ五輪で見事に銀メダルを獲得したのである。2018年からは再度MMAに戻り、そこから6連勝を飾って、今回34歳の新人としてUFCデビューを飾ることとなったのだ。MMAに転向するレスラーは少なくないが、その後レスリングに戻って五輪でメダルまで取ったという事例は非常に珍しい。

マドセンにMMAを指導しているのは、デンマーク出身の名選手、元UFCトップコンテンダーのマーティン・カンプマンだ。オリンピック3度出場のスーパーアスリート、デンマークの国民的英雄が観客の期待を一身に背負い、どんな試合を見せてくれるのか、大いに注目される。

もう1人のデンマーク人ファイターは、3年ぶりにUFCに戻ってくるニコラス・ダルビーだ。13勝0敗のレコードをひっさげて2015年に1度目のUFCデビューを飾ったダルビーは、ダレン・ティルとの白熱の名勝負(結果はマジョリティドロー)などで注目されたものの、その後思うように勝ち星に恵まれずにオクタゴンを去ることになった。UFCでのラストファイトとなった試合で眼窩(がんか)底を骨折し、1年以上の療養を余儀なくされ、そこからうつ病やアルコール依存に苦しんだ時期があったことを本人がソーシャルメディアで告白している。

しかし、地域大会で勝ち星を重ね、英国のケージウォリアーズでチャンピオンになったダルビーが今回、地元イベントで2度目のUFCキャリアのチャンスをつかんだ。対戦相手はブラジル版“カウボーイ”、強打のアレックス・オリベイラだから不足はない。母国ファンの後押しを受け、生まれ変わった姿を披露したいところだ。

メイウェザー推薦、“世界最高のファイター”も登場

さらに、ボクシング5階級王者、引退後も何かとお騒がせのフロイド・メイウェザーが自身のソーシャルメディアで「世界最高のファイター」だと称賛したことでおなじみのマフムート・ムラドフ(ウズベキスタン)もUFCデビューを飾る。ムラドフはメイウェザー・プロモーションズが初めて契約を結んだMMAファイターで、現在11連勝中と好調だ。メイウェザーの影響力もあって、ムラドフの試合ハイライト動画はすでに30万回以上再生されている。メイウェザーのお眼鏡にかなったパワフルな打撃パフォーマンスを、この目で確かめよう。

【文 高橋テツヤ】
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