UFCファイトナイト・ロッテルダム見どころ:大巨人対決実現! ストルーフェのがい旋勝利なるか

UFCファイトナイト 見どころ
ステファン・ストルーフェ
ステファン・ストルーフェ
“メイマック”に燃えた8月も過ぎ、約1カ月ぶりの開催となるUFCファイトナイトが日本時間9月3日(日)にロッテルダムで開催される。メインイベントでは地元出身のステファン・ストルーフェ(オランダ、ヘビー級ランキング8位)が、アレクサンドル・ボルコフ(ロシア、同7位)を迎え撃つ。この対決は身長213センチのストルーフェと、200センチのボルコフによるUFC随一の大巨人対決でもある。



“リアル・ドラゴ”、ボルコフが正確無比の打撃を打ち込む

現在4連勝中のボルコフはMMA戦績28勝6敗、28勝のうち21試合をフィニッシュしており、うち15試合が第1ラウンド決着だ。UFCではデビュー戦でいきなり当時ランキング14位のティム・ジョンソンに判定勝ち、2戦目ではストルーフェをノックアウトしたこともあるくせ者、ロイ・ネルソンにも判定勝ちを収めている。

特徴は打撃の正確さで、打撃の着弾率62.7%はヘビー級ではアリスター・オーフレイムの73.2%に次いで第2位だ。ニックネームは“ドラゴ”。もちろんこれは映画『ロッキー4/炎の友情』でアポロを死に至らしめ、ロッキーを苦しめた冷血ロシア人ボクサーにちなんでいる。

「オレはゆっくりとベルトに近づいている。UFCには簡単な試合なんてない。トップ10クラスの試合になると、タフな試合ばかりだ。とはいえ、ランキングは重要ではない。オレが狙っているのはベルトだけだからだ」と語るボルコフが、UFC3戦目にして初のメインイベントで地元の英雄に氷の狂拳をお見舞いする。

体調復活、ストルーフェに第2の風が吹く

身長だけでなく、214センチのリーチもUFC史上最大の男(リーチはジョン・ジョーンズとタイ記録)、“スカイスクレイパー(摩天楼)”ことストルーフェは、サブミッションの仕掛けが1試合平均2.46回という、ヘビー級トップクラスのグラップラーだ。MMA戦績32勝8敗、うち30試合でフィニッシュ、UFC戦績は12勝6敗、ファイトナイトボーナス6回獲得という名勝負製造機でもある。

今回はストルーフェにとって地元開催のUFCで初めてのメインイベントの晴れ舞台となる。前回のUFCファイトナイト・ロッテルダム(2016年5月)ではセミメインイベントに登場し、アントニオ・シウバを第1ラウンドでノックアウトして地元ファンを喜ばせた。

ストルーフェのUFCキャリアは決して順風だったわけではない。日本のファンにとってストルーフェといえば、2013年3月に行われたUFC JAPAN 2013でマーク・ハントに豪快にノックアウトされたシーンが印象に残る。当時、体調不十分のまま日本での試合に強行出場し、ハントにアゴの骨を折られてしまったストルーフェは、試合後の検査で心臓の弁に病気があることが発覚、治療のため欠場に追い込まれてしまう。同じ時期には父親が逝去する不幸も重なった。2014年7月に予定されていた復帰戦では、試合直前の控室で失神してしまい、試合が急きょ中止に。21カ月ぶりにかなったようやくの復帰戦(2014年12月)でも、オーフレイムにノックアウト負けを喫してしまう。

その後、練習拠点を米国に移すなどして力強く復活してきたストルーフェ。「健康上の問題で負けただけで、本来なら連勝が止まらなかったはずなんだ。もう今は病気のことを考えることすらないよ」と語り、ランキングは今の自分の実力を反映していないと怪気炎を上げている。

「だって、自分よりランキング上位の選手の顔ぶれを見ると、もう倒した選手ばかりだ。チャンピオンのスティペ・ミオシッチにもすでに勝った。もちろん彼にもあれ以来、いろいろあったのだろうが、要は同じ男だ。もう一度倒してやってもいい」

「ボルコフはあの身長をいかして、これまではいろんなことを回避してきただけのことで、戦い方には緩慢なところがある。彼にとってみれば、僕はこれまでに戦ったことのない難敵ということになるだろう。そのことを試合でしっかりお見せするつもりだ」と語るストルーフェが、雄大な風車のような回転系サブミッションでがい旋勝利を狙う。

40歳のシングルマザー、レノーの負けられない理由

女子バンタム級ランキング11位のマリオン・レノー(米国)は学生時代にサッカーと陸上で奨学金を得ていたという根っからのアスリートで、カリフォルニア大学ロングビーチ校では7種競技のトップ選手としてもならした。

MMAを志したきっかけは、米女子MMAのパイオニア、ジーナ・カラーノの試合をテレビで見て、「あれでお金をもらえるのなら私もやろう」と思ったことだったという。

レノーは37歳でUFCデビュー、現在は40歳で、UFC女子バンタム級最年長だ。2013年に制作放映されたジ・アルティメット・ファイター18のトライアウトで、年齢を理由に失格させられていた経緯があったことが後に判明、UFCプレシデントのデイナ・ホワイトがレノーに謝罪したとのエピソードも伝えられている。

UFCファイターの傍ら、高校の体育教師という仕事を持ち、15歳の息子のシングルマザーでもあるレノーは、「私はいつも生徒に、常に目標を立て続けなさい、と言い聞かせている。まわりから無理だと思われても、決して諦めてはいけない、実現する可能性はあるのだと教えている」と語っている。

UFCのファイトマネーで、最初の目標である息子さんの大学学費の確保を達成したというレノーは、有言実行、率先垂範で、次の目標を世界チャンピオンになることと定めているのだ。

なお、レノーの対戦相手に予定されていた元UFC女子フェザー級王者ジャーメイン・デランダミーは負傷により欠場することとなった。代わってタリタ・ベルナルド(ブラジル、MMA戦績5勝1敗、UFCデビュー)が急きょの出場を決めている。UFCファイトナイト・ロッテルダムをお楽しみに。

【文 高橋テツヤ】
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