タヴァレスは彼の”コール・オブ・デューティ”に応える

「物事を放り出してしまったり、退屈な男にはなりたくはないだろ。試合が始まったら勝利を目指す、それもエキサイティングなやり方で、だ。」

プロ戦績は10戦に届かず世界クラスの対戦相手との試合経験も無いことを考えれば、ミドル級の有望株、ブラッド・タヴァレスが11日に行われるUFC 125で経験豊富なベテランであるフィル・バローニとの試合のオファーを受けるには若干のためらいがあったことに理解ができる、と言うものだ。しかしその試合が実際に発表されたとき、23歳の若者の心配事は対戦相手に関するものではなく、後方支援活動(試合に向けたトレーニング環境)に関することだけであった。

「その試合のオファーがあったとき、最初はエキサイトしたよ。」タヴァレスは語った。「そのときに思ったことは、俺達にその試合のオファーがくるまで俺はクートゥアのところでトレーニングをしていたってことだ。フィルもそこでトレーニングをしていることを俺は知っているんだ。俺は週の半分をそこでトレーニングをしていて、そのときはそれだけが唯一の問題のように思えた。でも俺は試合を受けて、そしてもし互いに関わりを持たないようにしなくてはいけないなら、それはそれで仕方が無い、って言ったんだ。俺はそのこととは関係なくトレーニングをするし、そのあと俺は彼がAKA(アメリカン・キックボクシング・アカデミー)の所属だと言うことを知ってますますそのあたりのことは俺にとって問題ではなくなったんだ。俺は俺のキャンプをいつもどおりにやるし、全ての練習をやるよ。」

それはハワイのファイター達にとっての初級講座なのだ。試合を受けなければ仲間を失うこともない。そうしなければ生きてゆけないなら、そうするしかないだろう。後戻りはできない-その結果は廃業だ。そしてためらうことなくバローニとの対戦を受けたことで、タヴァレスは僅か51敗と言うプロのキャリアでありながら、BJペン、ケンドール・グローブ、トロイ・マンダロニス、そしてキャッベッジ・コレイラといった選手達と同じ世界の住人になるための最初のテストを通過したのだ。

「俺達は誇りとともに育つんだ。」カイルア生まれのタヴァレスは語る。「生まれてきた土地に誇りを持ちながら俺達は自立している。合衆国の地続きのほかの場所からはるか遠くの太平洋の中で生まれた俺達は俺達が引き継いだもの全てに誇りを持っている。若いうちから俺達の中に埋め込まれるものなんだ。自分自身を、その出生を、家族を誇りに思う、これはハワイ全土で同じようなものだよ。この場所から大きなショーでの試合に向かうどんなハワイのファイター達も全力でハワイの誇りを表現しようとするんだ。」

その誇りは彼らのファイト・スタイルになって現れる。勝つにしろ負けるにしろ、ハワイのファイター達は試合をし、そこで彼らが判定にしがみついたり、勝利を得るためにちびちびと地道に道を切り開くさまを目にすることは無いだろう。時としてそれは惨憺たる結果に終わることもあるが、試合が終わったとき、彼らはその頭を昂然と掲げている。

「物事を放り出してしまったり、退屈な男にはなりたくはないだろ。」タヴァレスは語った。「試合が始まったら勝利を目指す、それもエキサイティングなやり方で、だ。毎回思い通りにはならないかしれない。対戦相手を叩きのめすことができないかもしれない。それはそういうもんだよ。でもひとたびチャンスがあれば、心の底から戦って絶対に投げ出さない。ハワイの多くの人たちは決してやめない、決してあきらめない、そして進み続けるっていうビッグなハートを与えられているって思うんだ。」

多くの部分において、そんなタヴァレスの性格は、新年に対戦するバローニにもあるものだ。勝つか負けるか、バローニは安全策を採ったという批判を受けたことが無い。数年のキャリアの中で、そのやり方は彼に多くの代償を支払わせたが、そのファイト・スタイルが彼を
1312敗と言う戦績ながらも今日のUFCで試合を行う唯一のファイターにならしめたのだろう。そしてその試合に向けて、いつものバローニの口撃が無いのも”ニューヨーク・バッド・アス”が拳を交えることになるこの新星に尊敬の念を持っているのが大きな理由だ。

「彼が俺のことを男としてもファイターとしても尊敬してくれているってのは嬉しいね。だけど彼が俺をどう思っているかって事はあんまり気にならないんだ。」タヴァレスは語った。「俺が気にするのは俺自身がこの試合をどのように見ているか、俺自身がどのようにこの試合を受け止めているか、ってことだけなんだ。ここ数試合の出来栄えや、批評家達が口にするスタミナの問題などはともかく、彼は経験豊富でとても危険な相手だ。人生が懸かった試合って言うのは完全に別物なんだ。言うなれば、誰もが知っていると通り彼の人生はこの試合に懸かっている。この試合でリストラされるかもしれないと言う試合だ。もしこの試合に負けてしまえば彼が
UFC
に復活することはほとんどありえない、だからこそこの試合に彼が掛けているものは計り知れない。俺はおそらくこれまででもっとも危険なフィル・バローニとやることになるってことを知っているよ。」

170ポンドでは32敗と言う戦績に終わってしまったものの、ミドル級に階級を戻したバローニは危険な相手だ。しかしタヴァレスがもっとも危険だとみなしているのはニューヨーク・バッド・アスの重たいパンチでも彼の積極的な攻撃でもない。それは彼がこれまでに用いてこなかった戦略だ。UFCに生き残りをかけたバローニがその未知の部分を活用してくるのではないか、と言う疑念をタヴァレスはもっている。

「彼には素晴らしいレスリングのバックグラウンドがある。たとえ彼がスタンドでの派手な殴り合いが好きだとしても、依然としてそのことは(レスリング能力があるということ)は変わりが無い。」タヴァレスは語った。「だから彼が相手をテイクダウンし、抑え込んで、そして抑え込み続ける可能性が無いとは言い切れない。彼は体格も良くて力も強いから、もし彼がそれを望めばそれを彼の戦略に組み込むことは可能だし、多くの人の裏をかくことができるだろうね。彼は本当に危険な相手だ。俺は”予想できないこと”を予想して試合に備えているんだ。みんなはバローニはロボットみたいに突っ込んできてパンチをぶん回し始めるって思っているけど、俺は彼がテイクダウンを狙ってきたり、ちょっと違った戦略できても驚かないよ。全ては織り込み済みだよ。」

タヴァレスはエクストリーム・クートゥアで、タップアウト・トレーニング・センターで、そしてロバート・ドライズデールの黒帯であるソニー・ノハラの元でと何でも、どこでもトレーニングをしているため、今年の初頭にハワイからベガスに移住してすぐに広く知られる存在となった。それはスムーズな適応であった。

「ハワイからどこか高度の高い場所に移住する多くの人たちが、薄い空気が原因でトラブルを抱えるんだ。だけど俺は結構うまいこと適応できたんだ。」タヴァレスは語った。「俺は運が良かったんだな、多分。人間に関して言えば、俺はベガスの人間が好きなんだ。日常の練習相手でも強くてレベルの高い相手に事欠かないからね。そしてトレーニング以外の生活に関しても、素晴らしいよ。ここにはこの場所にしかない魅力的なものがあるからね。俺はたくさんの地元からの親しい友人達と一緒に住んでいるんだけど、そのことも俺の適応を助けてくれたんだ。移住した結果、ファミリーと、ここにはいない友人達と、そして多分ビーチは本当に恋しくなっているよ。それ以外のものは大体このベガスで手にいいれることができるよ。」

23歳と言う年齢はベガスでのトラブルに巻き込まれる要因ともなるが、タヴァレスはトレーニングスケジュールともう一つの関心ごとに集中することで身を持ち崩すことを避けている-ビデオゲーム、”コール・オブ・デューティー:ブラック・オプス”だ。

「俺はトレーニングとコール・オブ・デューティーのおかげでマジで忙しいんだ。」タヴァレスは笑う。「ほとんどそれしかやっていないんだ。時折砂漠で銃をぶっ放したりってね。でもゲームばかりやっているわけでは無いよ。そのための時間もあるけど今はトレーニングの時だし俺の気持ちはトレーニングに向いている。俺は突っ走っているよ。」

タヴァレスの疾走にバローニの
UFCでの生き残りを賭けた気持ちを加えれば、それは記憶に残る試合をもたらすレシピであり、格闘技ファン達のツイッターのアカウントはこの数週間、盛況だ。タヴァレスは誰も失望することはない、と約束する。

「フィル・バローニと俺とのマッチアップは素晴らしいと思うよ。」彼は言った。「スタイルが試合を作る、だけど俺はどちらにとっても五分々々のスタンドでの真っ向からの殴り合いをするとは言わないよ。ただ、退屈な試合になることだけは絶対に無い。彼は俺の上でお祈りをするように固まったりはしないだろうし、俺も彼の上で寝転がってお祈りなんかはしない。ファンは新年に花火のような試合を見ることになるぜ。」

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