メルヴィン・ギラード - 7つの決定的瞬間

メルヴィン・ギラードの過去5年間の軌跡を振り返ってみたときに退屈な部分はない。オクタゴンの内外で”ヤング・アサシン”は弱い人間であれば刈り取られてしまっていたであろう、ジェットコースターのような人生を生き抜いてきた

メルヴィン・ギラードの過去5年間の軌跡を振り返ってみたときに退屈な部分はない。オクタゴンの内外で”ヤング・アサシン”は弱い人間であれば刈り取られてしまっていたであろう、ジェットコースターのような人生を生き抜いてきた。しかしメルヴィンはいまだにしっかりと生き残り、122日にテキサスで行われるファイト・フォー・ザ・トゥループス2でエヴァン・ダナムとのが彼を待ち受けている。ギラードはどのようにここにたどり着いたのだろうか?ここに2006年に彼が己のファイターとしてのキャリアをどのように見ているか、と言う発言がある。

「俺は誰とでも戦うという態度を貫いている。なぜなら俺が歳を取ったり、死んでしまったあとに、俺は人々にMMA界のモハメド・アリとして俺のことを覚えていてもらいたいからなんだ。」ギラードは語った。「伝説として知られ、UFCトレーニングセンターの壁に描かれたいんだ。それが今の俺の目標だね。俺は人々に”あいつはとんでもないファイターだぜ!あいつはリングで全てを出し切るし、折れないハートで戦うやつだ!”って言ってもらいたいのさ。金の問題じゃないんだ。もちろん試合をすることで生活をしたいと考えているよ。ファイターとして裕福にもなりたい。だけど金のために戦っているわけではないんだ。何年たっても人々の記憶に残っていたいんだ。それが俺にとってもっとも大きなことなんだ。」

ジョシュ・ニアー - UFC Fight Night - 2006116
結果ニアーが1ラウンドにサブミッションで勝利
地元の大会で実績を積んだギラードは2005年に行われたTUFシーズン2に登場して世界中にその名が知られるところとなった。猛威を振るったハリケーン、カテリーナのもたらした災害を超えて、ギラードはアイオワ出身の鼻っ柱の強いファイター、ジョシュ・ニアーを相手にしたウェルター級の一戦でUFCデビューを飾った。ギラードは印象的な試合運びを見せた。ニアーを支配しニアーにカットも与えた。そしてギラードがニアーからテイクダウンを奪って観客を驚かせたときには、ギラードが試合を終わらせるだろうと思われた。しかしその後ニアーは奇跡的な盛り返しをみせ、ギラードを三角絞めで極めたのだった。

「俺はニアーをテイクダウンしてレフリーが試合を止めるようにもっとカットを奪ってやろうとしただけなんだ。」ギラードは試合の後に語った。「もし(ラウンドインターバルでドクターが試合を止めたであろう事を)知っていたら、スタンドをキープしてあと130秒の間、パンチを振っていただろうね。あいつのパンチは俺に当たらなかったよ。」

「腹が立っているけど敗北に困惑はしていない。俺はファイターとして、試合は決着がつくまでが試合だって事を理解しているから。」ギラードは続けた。「10分間やられ続けたやつが最後の5分で帽子の中からウサギを取り出すようなことをやってのけるのを何度も見てきたよ。それがこのスポーツの本質で、チェス・マッチみたいなもんさ。」

リック・デイヴィスUFC 60 – 2006527
結果ギラードが1ラウンドKO勝利
ニアー戦の4ヵ月後、ギラードはUFC 60のオープニングマッチで無敗のリック・デイヴィスと向かい合っていた。このファイターは本来の階級である155ポンドに階級を戻したギラードの相手ではなかった。120秒でギラードの左がデイヴィスを倒すと、すぐに右のパンチがデイヴィスの顔面に突き刺さり、僅か137秒で試合は終わってしまった。この勝利によって、もしギラードと殴り合いをしたいなら、すべては己の責任でやるべきだ、と言う雰囲気が生み出された。デイヴィスが再びプロの試合で戦うことはこの後二度となかったのだ。

ジョー・スティーブンソンUFC Fight Night – 200745
結果スティーブンソンが1ラウンドにサブミッションで勝利
デイヴィスに勝利した4ヵ月後、ギラードはゲイブ・ルェディガーをボディへのパンチで一蹴、そしてUFCはギラードにTUFでともに出演した仲間、ジョー・スティーブンソンを対戦相手にUFC Fight Nightでのメインイベントの機会を与えたのだった。その試合は始まるとすぐにスティーブンソンがギラードをギロチンに捕らえてテイクダウンすると僅か27秒で極めきってしまったのだった。父の死を乗り越えて戦ったギラードにとって良くなかったのことは試合後の検査でコカインの陽性反応が出てしまったことで、これによりギラードはサスペンドを宣告された。

「サスペンドを食らった後の俺は谷底に叩きつけられたようなもんだったよ。」ギラードはスティーブンソン戦の後にその人生を語った。「俺は凄く落ち込んでいて、自分自身にも頭にきていた。だけど俺は家族に恥をかかせてしまったことに頭にきていたんだ。人々が俺のことをなんて思うと気にしていなかった、今でもそれは変わってないよ、俺のことをネガティブに言われても気にならない。俺はインターネットであらゆる中傷を目にしたよ。あいつらは短いビデオクリップなんかを作っていて俺も笑わせてもらったけど内心傷ついた部分もあったんだ。だって俺はファンを傷つけ、家族に恥をかかせ、そして俺はUFCに傷をつけてしまったからね。俺がUFCに傷をつけてしまったなんてね。このスポーツはすでに過剰に批判にさらされている。だから俺達はこのスポーツのために良い手本として振舞うべきなんだ。だから俺は全ての批判を受け入れて、良い方向に向かうんだ。」

ギラードは彼が置かれていた混乱から抜け出すのにしばらくの時間を要した、しかし運命とはわからないもので数年後に彼はアルバカーキーのグレッグ・ジャクソンのキャンプでスティーブンソンとチームメイトになり、そしてギラードのサブミッションに関する欠点を埋める作業を手伝ったのは他ならぬ”ジョー・ダディ”スティーブンソンなのであった。

リッチ・クレメンティUFC 79 – 20071229
結果クレメンティが1ラウンドにサブミッションで勝利
「俺はもう二度と潰しあいなんてしない。リッチとの試合までは俺は潰しあいをしようとしていたんだ。俺にはもうリッチとも潰しあいをする理由も余裕もないんだ。」

以前にもUFCでは不穏な空気の漂うマッチアップはあった。しかしUFC 79で組まれたギラードとベテラン、リッチ・クレメンティの試合ほど互いに悪意が満ちた試合はかつてなかった。それは土曜日夜に試合のベルが鳴る前にひと悶着が起きるのではないかと誰もが心配するほどのものであった。ありがたいことに両者は当日の夜まで衝突することはなかったが、試合が始まると感情をむき出しにするギラードに対してクレメンティはベテランらしい落ち着きで最高のパフォーマンスを見せ付けた。誰もが予想をしなかった結果だった。

「今度の試合には俺の感情が飛び込んできてそれが俺のアドバンテージになるぜ。」ギラードは試合前に語っていた。「俺の母さんもまた見に来てくれるし、家族も俺と一緒だ。もちろん親父のスピリットも見守ってくれるだろう。だから俺には試合に向けてポジティブなエネルギーがみなぎっているんだ。」

クレメンティは440秒、リア・ネイキッド・チョークでギラードを切って落とした。ギラードの命運は急速に尽きたのだ。

デニス・シヴァーUFC 86 – 200875
結果ギラードが1ラウンドにKOで勝利
クレメンティ戦での敗北の3ヵ月後、ギラードはUFCとは異なるプロモーションの試合でエリック・リーガンを3ラウンドの判定で破った。そしてその4ヵ月後にタフなドイツ人、デニス・シヴァーを相手にUFCに復帰した。ギラードはシヴァーにはあまりにも素早く強烈なパンチを叩き込み、僅か36秒でUFCライト級で注目に値する選手、と言うポジションに復活したのだった。

グレイソン・チバウTUF9 Finale – 2009720
結果ギラードが3ラウンド判定で勝利
3ラウンド、スプリット判定でグレイソン・チバウに勝利というこの試合は、もっともエキサイティングな試合でもなかったし、そしてもっとも印象的な試合でもなかったが、最も重要な試合であったと判断されうる試合となった。スタンドでは秒殺の山を築くギラードであったが、ギラードをマットに寝かせて寝技の攻防に持ち込んでしまえばそれが彼のアキレス腱になりうるということは誰もが知るところの事実だった。しかしこの晩、ギラードはブラジリアン柔術黒帯のチバウの寝技を混乱させ、そして過小評価されていたそのレスリング技術を駆使し、厳しい相手に3ラウンドを戦い抜き勝利を挙げた。確かに次に対戦したネイト・マーコートには2ラウンドに初歩的なミスを犯してサブミッションで極められてしまってはいるが、このチバウ戦に関して言えば、ギラードがそのようなミスを犯すことは稀で、数年にあるかどうかだ、ということを証明したのだった。

ジェレミー・ステフェンスUFC 119 – 2010925
結果ギラードが3ラウンド判定で勝利
アルバカーキーのグレッグ・ジャクソンのキャンプの一員となったギラードはディアス戦での敗北からすぐさまロニス・トーレス、そしてワイロン・ロウ戦で勝利を挙げて復活した。そしてジェレミー・ステフェンス戦で、ギラードはどちらかが倒れるまで彼とパンチで殴り合いを希望する相手と対戦することとなったのだ。UFC 119でのこの一戦はファイト・オブ・ザ・ナイトが期待された一戦であったが、実際に試合が始まるとギラードはカウンターとフットワーク、そしてステフェンスのバランスを崩す素早いキックで3ラウンドを戦った。試合が終わり、スプリット判定で勝利を手にしたのは手堅く戦ったギラードでり、ライト級にあらたなコンテンダーが生まれることとなったのだ。

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