試合予想 - マーコート vs. 岡見

土曜日のメインイベントは長きに渡ってミドル級コンテンダーとして君臨してきた二人の選手によるミドル級タイトル挑戦者決定戦をフィーチャーしたものだ。

土曜日のメインイベントは長きに渡ってミドル級コンテンダーとして君臨してきた二人の選手によるミドル級タイトル挑戦者決定戦をフィーチャーしたものだ。

ネイト”ザ・グレート”マーコートは20058月にオクタゴンに復帰してすぐのアイヴァン・サラヴェリーを打ち破って以来、185ポンドのトップ選手として活躍してきた。マーコートは再びUFCのタイトルに挑戦するために、岡見勇信に勝利する必要がある。

岡見はミドル級の中心人で物であるアンデウソン・シウバから最後に勝利した男だ。その勝利は約5年前、両選手がUFCへのデビューを果たすほんの数ヶ月前にUFCではないプロモーションで行われ、シウバが失格したために得られたものだった。世界タイトルに挑戦するために、岡見はマーコートを相手に番狂わせを起こす必要がる。

共通のテーマを知りたいって?この試合の勝利はどちらの選手に対しても、その選手を現在の
No.1
コンテンダー、ビクトー・ベルフォートの次に位置づけるものとなる。したがって、土曜の夜にドイツで行われるこの試合には多くの意味が含まれているということだ。

両選手ともに選りすぐりの非常に洗練された選手ではあるが、彼らはどのような試合展開を望むかと言うことに関してはそれぞれの強い好みを持っている。

シルバ、そしてベウフォートに続いて世界でもっとも洗練された選手とも言えるかもしれないマーコートはブラジリアン柔術の使い手としてそのキャリアをスタートさせた後に非常に素晴らしいスタンドの選手として急速に進化してきた。彼の最近の
4
試合は全てノックアウトで決着し、ファンが望む試合のスタイルを作り上げようと言う彼の欲求の証拠の表れで、その結果競技上での成功と同様に人気面でも成功を収めている。

そのため、マーコートは岡見との試合ではスタンドの攻防に専念するのではないか、と言う疑念が生じる。相手がサウスポースタンスとなると、マーコートは岡見の前足の外側に自分の前足が来る上体を保ちながら、右のクロスから、またはスパー万パンチによる右のリードパンチを多用するのではないだろうか。なぜならそうすることによってマーコートの右手は岡見の胸と頭部の正面に陣取り、右のリードを放つのに完璧なアングルを作り出すからだ。これならば岡見にウィンキー・ライト・スタイルのピラー・ディフェンスの体勢を取らせることも無く、ボクシング風の防御をかいくぐる必要も無くパンチを命中させることができるからだ。

もちろん試合に勝利するために、マーコートは時折右のパンチを放つ以外にもやらなくてはならないことがある。確かにデミアン・マイアとの試合では開始ほんの数秒でたった一発の右のパンチで試合を終わらせてしまったことは周知の事実だ。しかし岡見のような一層こなれた相手に対してそれをあてにするのは宝くじが当たるのを当てにするようなものだ。元タイトル挑戦者、マーコートは時折ジャブを放ちながら(岡見を防御に釘付けにするためにも)、左フックで終わる右のリード、そしてボディへの右のミドルを織り交ぜるだろう。

岡見は時折腰が高くなるためボディへのミドルは、特にボクシング流のコンビネーションの打ち終わりに放てば非常に有効な武器であることを見せ付けるはずだ。

数発のパンチを命中させた後、マーコートは同じ攻撃を再び行うために射程外に離れるであろうことは間違いは無いだろう。彼は非常に知的なストライカーで、彼が全てをさらけ出すような渾身の殴り合いを行うことは稀で、相手が反撃を行う前に数初のパンチをあて、素早く相手の射程外へ離れるだろう。

もしマーコートがテイクダウンを瞬間的に防ぐことができるなら、そして技術的なキックボクシングの試合に専念することができるなら、試合時間の
80
パーセントはマーコートが岡見をコントロールすることができるだろう。マーコートはさらにその打撃をテイクダウンのセットアップに用いることにより、皆を驚かせ、その支配率を更に高めることもできるだろう。

岡見はマーコートがテイクダウンを狙ってくるとは予想していない。これは岡見がボトムポジションでは危険なファイターではない、と言う意味ではない。おそらく岡見のボトムからの攻撃的なガードはこのディビジョンの平均レベルのものだろう。ポイントとなるのは岡見のゲームプランがテイクダウンにあると言うことが大いに予想されているという部分だ。マーコートのようなより優れた打撃のスキルをもつ選手にとって、自分からそれを仕掛けたばかりに逆にテイクダウンを奪われる危険を冒すほど馬鹿げたことはない。しかしここがこの状況の面白いところだ。岡見は相手のテイクダウンを予想してこない、だからこそ彼は容易にそれに引っかかってしまうに違いないのだ。

ガードの中でのマーコートは爆発的なパウンドを持っている。マーコートは一発のパンチで、またはパンチの連打で相手を仕留めることができるし、ドクターストップを呼び込む相手を切り裂くエルボーも知っている。そしてもっと重要なことはマーコートの上からの
BJJ
技術は優れていると言うことだ。もしディフェンスや打撃の最中に岡見がその腕を出しすぎたら、マーコートは一瞬でその腕を十字に極めるだろう。とは言え、マーコートは再度からのチョークや肩固めを狙って方が良いだろうと思える。十字に失敗した場合は岡見に優位なポジションを明け渡し、マーコートは下からの攻防を強いられるからだ。

岡見に関してはどうだろうか。岡見がスタンドの攻防では無料のランチのような存在だと言う印象を与えたくはない-現実はそれからは程遠い。この選手は非常に優れた直線的なボクシング技術を持っている。岡見はジャブも多用するが、左のリード・ストレートもためらいなく振るってくるだろう。

前足のポジションの取り合いに関しては岡見はそれほどこだわらないだろう。そしてそのために相手は金網の中を横切ると言うよりは岡見の周りを追いかけることになる。しかし岡見は非常に強力な重い拳-一発で相手の意識を飛ばすのではなく-急速に相手を消耗させるパンチを持っている。

また、岡見はスタンドにおいて優れた防御力をもったファイターでもある。彼はグローブをはめた両手で向かってくるパンチを払い落としながら自分の頭を左右にふって、まっすぐ下ることはない。そして相手のミスやブロックの直後に非常に効果的なカウンターを放つのだ。

岡見のスタンドの攻防で最大の穴は、おそらく比較的キックの種類が少ないことだ。クリンチからは非常に強力な膝蹴りを持っているが、キックは別の問題だ。

もし岡見が自分のゲームを行い、そしてマーコートがキレていない場合、スタンドの攻防でも衝撃的な番狂わせを起こすことができるかもしれないが、そのことを頼みにはしていない筈だ。岡見のボクシングスキルは堅実だが、彼のグラウンドでのコントロールとレスリング能力ほどは効果的ではないからだ。

岡見は現在
UFC
を主戦場にしているかつてのトップ・アマチュアレスラーたち、CBダラウェイ、アーロン・シンプソン、そしてチェール・ソネン達とレスリングで試合をした場合勝つことはできないかもしれない。しかし岡見はレスリングを彼のMMAの戦略の中にうまくブレンドし、その結果現在の選手たちの中で、より効果的なレスラーになっているのだ。そしてもう一つ重要な点は、岡見のひとたびグラウンドになったら相手を寝かし続けることができる能力だ。岡見は強靭な腰を以って、対戦相手が彼をスイープしようとしたり、立ち上がろうとしても支配的なポジションを維持し続けるのだ。

結果として、岡見がテイクダウンを決めると、ほとんどの場合岡見がグラウンド以外の選択肢を選ぶまで試合はグラウンドで行われることになる。
MMAの試合から我々が知ることは、グラウンドで長い時間トップポジションをキープした選手が一般的には勝者となる、と言うことだ。マーコートはブラジリアン柔術の正統な黒帯保持者であるが、誰も、マーコート自身でさえボトムポジションから岡見をコントロールできるとは予想していないだろう。岡見がミスを犯せばサブミッションに捉えることができるかもしれないが、マーコートがボトムポジションに陥った場合、マーコートは試合に負けつつある、と言う状態になるだろう。

日本のスター、岡見はそのことを理解している。したがって、岡見はソネンがマーコートに勝利した試合を数時間も研究しただろうと思われる。ソネンは試合中好きなときにマーコートをテイクダウンし、そして全てのラウンドでほとんどずっとマーコートを寝かし続けた。

もし岡見が1ラウンドのはやい時点でマーコートをテイクダウンし、ある程度の間、彼を寝かし続けることができれば、ソネン戦の悪夢が急速にマーコートの意識によみがえってくるだろう。そしてそれはマーコートのスタンドがソネン戦のときと同じように慌しいものになってしまうことを意味する。テクニカルな狙い済ました打撃ではなく、フェンスに突っ込むような大振りのパンチになり、本来の優れたバランスを失い、その結果テイクダウンの餌食になるだろう。

どのように岡見はテイクダウンをするべきか?個人的には前半戦を完全にボクシングマッチに見えるようにすることだ。
1ラウンドの最初の30秒、岡見はテイクダウンを狙うそぶりを見せるべきではない。どっしりと低く構え、企みを隠しながらパンチを放つ。するとマーコートは自分が打撃においては優位であることを知るがために次第に安心してしまう。そしてマーコートはパンチの攻防に集中し始める。そのときこそ岡見がテイクダウンのためにタックルに入るべき瞬間だ。

別の選択肢としてクリンチからの手堅い柔道のスキルに頼ると言う方法もある。柔道経験者は金網の中央での投げには常に秀でた存在だ。ただしこの方法には危険がはらんでいる。マーコートはクリンチからの爆発的なヒザとヒジを持っている、と言う事実があるからだ。そして金網中央でのクリンチの攻防はマーコートにヒザ蹴りとヒジ打ちに必要な空間を与えてしまうだろう。結論として岡見はクリンチからのタイ式のチェス・ゲームのような攻防よりも、打撃からの両足タックル、またはマーコートの打撃をかいくぐり、素早く柔道の投げを用いるべきだと思われる。

その日の終わりには、個人的には、マーコートが勝者になるのではないだろうか。机上の理論ではマーコートが相性的に岡見に勝利するだろう。ただし、問題は試合は机上で行われるものではないと言うことだ。そして岡見もまた、理屈の上では彼が不利だとされる状況においても、勝利への手段を見つけるだろう。土曜の夜に岡見が勝つかって?そうだとしても正直私はまったく驚かない。

クイック・ファクト

ネイト・マーコート
•    
31

•    
185cm, 84kg
•    
リーチ 188cm
•    
プロ戦績3392分け(UFC戦績92敗)
•    
過去5試合で41
•    
過去10試合で73
•    
UFC12
戦のうち7戦が3ラウンド以内の決着(内訳は61)
•    
UFC
戦績3敗のうち1度のTKO負け(200777日、アンデウソン・シウバ戦)
•    44.4%
UFC
でのKO/TKO (9戦のうち4)
•    22.2%
UFC
でのサブミッションによる勝利 (9戦のうち2)
•    
過去5戦は3ラウンド以内の決着 (4KO/TKO; 1サブミッション)
•    
最後の試合はTKOによる勝利(2010915日、ルシマール・パルハレス戦)
•    UFC
での平均試合時間 3:25
•    
公式の挑戦者決定戦での戦績 01 (201026日チェール・ソネンに判定負け)
•    
59
日ぶりの試合 (2010915日、ルシマール・パルハレスにTKO勝利)
•    
これまで最長の試合間隔 220 (200634日ジョー・ドークセンに判定勝利から20061010日クラフトン・ウォレスにサブミッション勝利)

岡見勇信
•    29

•    
188cm
84kg
•    
リーチ183cm
•    
プロ戦績265 (UFC戦績92)
•    
過去5試合で41
•    
過去10試合で82
•    
UFC11
戦の内7戦が判定決着 (内訳は52)
•    
UFC
でストップ負けはいまだ無し 
•    33.3% UFC
でのKO/TKO (9戦のうち3)
•    11.1%
UFC
でのサブミッション勝利率(9戦のうち1)
•    
現在2連勝中
•    
公式の挑戦者決定戦での戦績 01 (2007716日にリッチ・フランクリンに判定負け)
•    
104
日ぶりの試合(201081日にマーク・ムニョスに判定勝利)
•    
これまで最長の試合間隔 301 (20081227日にディーン・リスターに判定勝利、20091024日にチェール・ソネンに判定負け)

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