熟考、UFC 143 - パート II

土曜の夜に行なわれたUFC 143に登場したロイ・ネルソンとジョシュ・コスチェック、次の一体…?マイケル・ディサントが見解を述べる。
Roy Nelson vs. Fabricio Werdum - UFC 143

ネルソンはタフそのもの

ロイ・ネルソンは呆れた奴だ。行いが悪い、と言った意味ではない。タフネスと言う意味において呆れてしまうのだ。彼の最近の4試合を見たものは誰であれ、彼が耐久力、そしてハートと根性と言う意味において食物連鎖の頂点近くに位置していると言うことを知っている。彼はまたヘビー級の平均値を上回るパワーも持っている。

問題は、もちろん、ネルソンが真のヘビー級ではないことだ。はっきり言って程遠い。この身長
6フィートのMMAファイターの体格はミドル級のものだ。最近の2試合で20ポンド以上の体重を落としたにもかかわらず、彼は少なくとも30ポンド以上の過剰な体脂肪を身に纏っている。私が言うところの30ポンドと言う数字も恐らく控えめなものだろう。

この男がどれほど強くなりうるのかを想像して欲しい、もし彼が
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ポンドの肉体を作ることができたなら。それが簡単な注文ではないことを私は理解している。それは完全な肉体改造を必要とするだろう。しかしそれをやり遂げる最初の男と言うわけではない。かつてUFCで闘ったジョー・リグスはそのキャリアを300ポンドのヘビー級として始め、そこから170ポンドまで落としたのだ。しっかりとした栄養士の助けと多大な自己統制をもってすれば、ネルソンがミドル級に落とせない理由は私には見当たらない。


贅肉の取れた筋骨隆々のネルソンが、同じ骨格の男達と競い合う様を想像してみて欲しい。彼はひょっとしたら正規王座を脅かす、絶対的なビーストに変貌するだろうと思われる。もちろん私もアンデウソン・シウバという名の男がミドル級という階級を支配していることを知っている。彼は結構強い、しかしネルソンがトップに位置するどのヘビー級達と対戦するよりも、彼はより大きなチャンスを持つことだろう。私の意見は、彼は単純にトップレベルのヘビー級達の手に余る大きさと力強さとの関係を切るべきだ、と言うことだ。

さらに私はもしシウバ、
ビトー・ベウフォートまた他のいかなるミドル級の爆撃機たちは”ビッグ・カントリー”のことをその打撃で止めることができるのだろうか、と疑問に思う。ジュニオール・ドス・サントスはどんなミドル級よりもずっと大きく、そしてよりパワフルなチャンピオンだが、ネルソンをあらゆるもので、それこそ流し台でぶん殴ったがノックアウトすることはできなかった。ミドル級のトップファイターたちが少しでもマシにやれる、といったい誰が考えるだろうか?

また、減量により不利な影響を受けないと仮定したとき、私は果たしてミドル級達がネルソンのパワーに対応できるのだろうかと考える。
ファブリシオ・ウェルドゥムはネルソン戦での勝利の過程で、コブだらけになったことを認めるのに躊躇はしないだろう。フランク・ミアも同じ経験をした。そしてドス・サントスは圧倒的な勝利を収めたものの、ネルソンに何発ものパンチを受ることになった。ここで二つ目の推測、果たしてネルソンは外側から一方的に攻撃される電話ボックスの中で戦うことでも望んでいるのだろうか、が生まれてくる。

私はネルソンがグラウンドでその追加に身に着けているものを用いることの達人であることを知っている。しかし私は体重計の針がぐっと軽い値をさすようになったからと言って彼のグラウンド・ゲームが難しくなるとはとても信じる事ができない。彼は相手の上に寝そべるだけのようなファイターではないのだ。彼はブラジリアン柔術の黒帯、それも
ヘンゾ・グレイシーの元で、だ。つまり彼のグラウンド・ゲームは高度にテクニカルなチェスマッチでそれはより小柄な相手に対して一層効果的になるはずだと私は信じている。

もし
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ポンドが荒唐無稽な夢だとしても、205ポンドはそれほど困難な道のりではないだろう。彼は既にあと20ポンド落とせば一般的な減量を用いるだけでライトヘビー級の世界に参入しうるところまで来ている。ジョン・ジョーンズはこのスポーツきっての最高峰のファイターの一人だが、シウバ戦と同じように、ネルソンはドス・サントスと闘うよりもはるかに大きな番狂わせのチャンスを持つだろう。


まだ結合を見出せずにもがくコスチェック

間違えてはいけない。
ジョシュ・コスチェックは世界のウェルター級トップ5の一人に位置し続けている。この反骨のベテランは数年にわたってその地位を守り続けてきた。ジャッジによって誤った判定がなされたと信じる人々も多く居る、土曜日のスプリット判定での勝利は彼の歴然たる戦績になんら影響するものではない。勝利は勝利、そしてコスは今回の勝利で実にオクタゴン戦績20戦のうち、15戦で勝利を挙げたことになる。

にもかかわらず、彼がその世界レベルのレスリング・スキルとそのディビジョンでは優れているものとなった彼のスタンド・ゲームを滑らかに混ぜ合わせることに苦しみ続けていることに少々の驚きを覚える。確かに彼は
3人のうち、2人のジャッジの目にはおそらく差を見せることとなった、二度のテイクダウンに成功した。しかしそのテイクダウンは-あえて、しいて私から言うなれば-彼の攻撃の自然な部分より、必要以上の動きを行っているように映った。

私にはコスは試合に対して-スタンドか、それともレスリング-といったように画一的な準備をしているように見え、そのことは彼のパフォーマンスに現れている。この男がもはやそのレスリングだけでは試合を支配することが出来ないと信じる人は
UFC 113DVDを取り出してみて欲しい。コスはその晩、ポール・デイリーをテイクダウンし、グラウンドでコントロールするとグラウンド&パウンドで蹂躙した。それは我々がコスが彼のレスリングで攻防を支配するのを目にした最後の試合になってしまったが、まさに巧妙なテクニックの遂行だった。これは全くを持って残念な話だ。なぜならこの男はその最大の競技的資産を無駄にしているからだ。

コスにはダイナミックな右のパンチがある。彼は相手をノックアウトすることを愛している。相手をノックアウトすることは相手をグラウンドに漬け込み勝利を削り取ることに対して大きな報酬の違いに
表れる傾向がある。それは構わないし良いことだ。だが元AKAのスターは相手にテイクダウンを恐れさせ続けることによってノックアウトするチャンスを増大させるだろう。

テイクダウンの脅威は相手の両手をわずかに低くさせる。これはグラウンドに持ち込まれるのを避けるためにコスの両脇を挿す為だ。テイクダウンの脅威は相手のスタンスを崩すことも出来、それは相手が普段と同じだけのパワーをその打撃に込めることができなくなることを意味する。そしてもちろん、テイクダウンの脅威はキックをほとんど相手から排除する事ができる。なぜなら蹴り足をキャッチすることが試合をグラウンドに持ち込むための最も有効な手段の一つだからだ。

私はコスが未来のチャンピオンだ、と数年来書き続けてきた。私のその考えに変わりはない、ただし彼が本当に彼のレスリングを彼の断続的な攻撃の中に再び組み込むならば、だ。

二つの建設的な批評にも耳を傾ける価値がある。コスはトランクスを引っ張り上げることをやめる方法を見つける必要がある。私には彼が試合用のトランクスをしょっちゅう引っ張り上げるのが彼の癖なのか、それとも分厚い太腿のせいなのかは分からない。どちらにしてもその行いはジョージ・サンピエールと闘ったかれの二戦目の時に初めて表れた。それ以来それは一層頻繁になっている。彼は
GSP
マット・ヒューズ、そしてピアースののジャブを何発も被弾したが、その理由は彼の両手が防御に適した位置にではなく太腿にまで下がっていたからに尽きる。コスが彼のトランクスを握るのを合図に対戦相手が打撃を放っているということを私は保証しよう。彼はこの穴を手遅れにならないうちに消し去るべきだ。

二つ目の考慮すべき課題は左手の稼働率の低さ、だ。コスは大変良いジャブを持っていて、さらにその左フックはとてつもないものだ。しかし彼は土曜の夜に、そのどちらもほとんど放たなかった。どんなに一芸に秀でていようとも、その一芸しか用いないストライカーは攻略しやすいものだ。コスにはそれが分かっている。左手の稼働率を上げれば彼の右は一層効果的になるだろう。


コス、長年連れ添ったコーチと袂を分かつ

試合後会見でコスチェックがサンノゼのアメリカン・キックボクシング・アカデミーの本部ではもうトレーニングをすることはないと発表したとき私は不意をうたれた気がした。たしかにこの男は一つならず二つもカリフォルニアのフレスノに
AKAの名前を冠するジムを所有している。私はサンノゼのAKAを離れると言う決断がはたしてそれらの二つのジムのライセンシングに影響するのかどうか見当も付かない。数週間のうちにおのずと明らかになるだろう。

この決別で興味深いのはそれが明らかに
AKAとの決別ではない、と言うところだ。MMAウィークリーのデイモン・マーティンによると、それは実際のところヘッドコーチのハヴィエル・メンデスから離脱だけだ、と言うことだ。この数年の間に修復のできない不和がはっきりと作り出され、そしてコスは他の方向に進むことを選択した。

このウェルター級のコンテンダーは長らく彼のコーチを務めてきたコーチ達のうちの二人、”クレイジー”ボブ・クックとデイヴ・カマリロとは関係は保ち続け、試合に備え、そして両者を試合中に彼のセコンドに付けることを計画している。また彼はフレスノの彼のトレーニング・キャンプに来る彼の親しい友人達や
AKAのチームメイトたちには住まいを提供し、給与を支払うことも計画している。

これは間違いなく興味深い発展だ。いつでもトップファイターのコーチ陣の変更はニュースバリューがある。しかしクックとカマリロが彼のキャンプにコンスタントに残る以上、今回の変更にはその価値があるのか私には分からない。だれもがコスが新たな打撃コーチを招聘するものと仮定するはずだが、彼はその点に関しては現時点ではまだ何もアナウンスを行なっていない。

軋轢の舞台裏の詳細を調べるまでもなく、私はこの変更は現実的にはコスにとって良い形で働くだろうと考えている。彼の発展がこの数年に渡って停滞していたことに疑いの余地はない。もしかしたらメンデスとの決別は非難を受けるべきことかもしれない。もしかしたら彼はお決まりの日常の中で快適になりすぎたのかもしれない。”もし”の話は尽きることがない。一つだけ確かなこと、それはもしコスがピアース戦に、彼がそうだと主張している通りに、本当に彼自身を鍛えるなら、変化は必然だ、ということだ。

識者の新しい意見、新しいテクニック、景色の変化、またはそれら全てがまさにドクターがコスに命じることなのかもしれない。彼のフレスノでの日常は明らかにサンノゼでのそれとは異なったものになる。過去の日常からのほんの少しの変化はコスを再び急激な成長曲線の上に飛び乗らせるのに十分なものなのかもしれない。もちろん、最大のリスクは長年のチームメイト達がコスの準備を手伝うためにフレスノまでやっては来ない、と言う可能性だ。そうなってしまった場合は彼は優れたトレーニング・パートナーを確保するために次の一手を必要とするだろう。さもなければこの離脱は悲惨なものになりかねない。

歴史はコスの将来が明るいことを示している、恐らくより良い結果となるだろう。そのキャリア全体を通じて一つの場所、そして同じヘッド・コーチのもとにとどまる優れたファイター達、というのは大いに例外的な存在だ。
GSP、ラシャド・エヴァンス、ジョン・ジョーンズ、アンデウソン・シウバ、ランディ・クートゥア、ビトー・ベウフォート、リッチ・フランクリン、クイントン・ジャクソン、BJ ペン、正規王者達、そして元王者達、そしてその他の多くのファイター達がその輝かしいキャリアを通じて少なくとも一度以上は大きなキャンプの変更を行なっている。エヴァンスに関してはまだ分からないが、そのほかのファイター達はその変更の後の素晴らしい成功を満喫している。私にはコスが先例に倣うだろうと言う感触がある。


ニュー・イヤー、ニュー・ルック:
UFCの新たな装いのTV作品

UFC 143
UFCの新たなPPVフォーマットのお披露目でもあった。イントロは大会のオープニングのトレードマークとなっていたヒザをつく剣闘士からドラマチックな変貌を遂げた。試合時間を表示部分も完全に異なるデザインを披露した。オン・スクリーン、イン・ファイト・スタティスティクスの定期的な利用も初めて行なわれた。そしてUFC 144の番組予告も2011年以前の番組予告とは完全に異なる雰囲気をかもし出した。

ホンネで言って、私は大いに気に入った。私には作品的見地から言って
UFC 143の見栄えは断然好ましい。それにはFXで放送されたプレリムのための製作物も含まれていて、明確にFOXのプロダクション・チームが全体を書き起こし、2011年以前のテレビ放映されたプレリムから大きくステップアップしたものだった、というのが私の意見だ。

皆さんは新しい番組の見栄えや雰囲気をどのように考えているだろうか?私と同じくそれらに明確な違いを感じたのだろうか?下のコメントセクションを通じて私に教えて欲しい。私は皆さんのコメントはいつも読ませてもらっている。

UFC® 143のリプレイはこちらから

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