UFC145を振り返る

マイケル・ディサントがUFC 145を振り返る

ジョーンズはさらなる高みに
 UFCライトヘビー級チャンピオン、ジョン・ジョーンズは今回ラシャド・エヴァンスをあらゆる局面で制圧して見せたことで、彼を巡るすべての否定的意見を払拭し、確固たる地位を築いた。

 振り返ると、UFC 128で王者マウリシオ・“ショーグン”・フアに挑戦するのはエヴァンスのはずだった。しかし、エヴァンスがけがにより欠場したことで、ジョーンズは代役としてそのチャンピオンシップに挑んだ。この小さなきっかけが、MMA界でもっとも成功しているチームの中に火種を生み、さらにジョーンズの実力を疑問視する声を生む原因となった。

 彼はこの勝利でそんな評判を払拭しただけでなく、ジョルジュ・サンピエール(以下GSP)やアンデウソン・シウバに並んでP4P(パウンド・フォー・パウンド)の最有力候補となった。2011年から現在までの期間限定で考えるなら、文句なしのP4Pであろう。

 なぜ、そう言えるのか。2011年から現在までの期間のみを考えると、この間ジョーンズは5戦全勝である。そのすべてが、王者と元王者たちとの戦いである上、格の違いを見せつけた勝利でもあった。

 一方のGSPとシウバもこの16カ月以上無敗であるが、ケガなどが理由により、二人を併せても三試合しかしていない。GSPを見てみると、この間にジェイク・シールズを相手に素晴らしい判定勝利を収めているが、しかしP4Pチャンピオンにとって1勝は少ない。

 また、シウバはこの期間中、元チャンピオンのビトー・ベウフォート岡見勇信に勝利したが、強豪が相手だったことを差し引いても、二つの勝利のみでは物足りない。彼は未だ無敗を誇り、MMAの中で無敵な存在ではあるが、今はこの2011年からの期間のみを考えているので、この間に関してのP4Pはジョーンズであるといえる。

 2011年は間違いなくジョン・ジョーンズの年であった。2012年もそれは変わらないかもしれない。

“ヘンドー”が次の挑戦者に
 UFCのデイナ・ホワイト会長はエヴァンス戦のすぐあとに、次の挑戦者はダン・ヘンダーソンである事を発表した。ヘンダーソンは、元PRIDEミドル級&ウェルター級王者である。また、地球一危険な男と呼ばれたヒョードルをKOし、そしてオリンピックのアメリカ代表に2度選ばれた男である。

 この挑戦者は41歳でピークを過ぎたと思っているファンもいるだろう。だが、実績から見れば、この挑戦者はジョーンズにとって一番難しい相手かもしれない。

マクドナルド vs GSPは次のジョーンズ vs エヴァンスになるのだろうか?
 ローリー・マクドナルドは現在22歳にしてUFC5試合を戦っている。また、この中で敗北を喫したのは、カーロス・コンディット戦のみで、最後の瞬間まで2-0と優勢だったので、あの最後の7秒間さえなければ、その戦績は5戦無敗であってもよかった。

 コンディットが現在ウェルター級の暫定チャンピオンであることからも、マクドナルドのすごさが分かると思う。この彼が今度、自身の指導者でありトレーニングパートナーでもあるGSPが支配するこの階級でどう生きていくのか、に注目があつまっている。

 UFCにはさまざまな若いスターたちがいたが、19歳でヘビー級トーナメントを制したベウフォートに勝るものはいない。ハンドスピードの速さ、グレイシー一族の血筋、さらに甘いルックスで彼は一躍スターとなった。しかし、それからベルトを取るのに7年かかった上、一度も防衛に成功できなかった。このあとベウフォートは素晴らしいキャリアを積み上げたが、それが若き日の栄光に見合うものであったかは分からない。

 ジョン・ジョーンズはベウフォートのように最初から注目されていたわけではない。この無名時代があるからこそ現在が際立っているだけでは? との批判もあるが、そんな事は関係なしに今の彼は素晴らしい。彼は次のアンデウソン・シウバである。

 それはマクドナルドにもいえる。22歳のどのファイターよりも彼は今一番注目を集めている。

 この階級を支配してきたGSPは来月31歳になる。彼がピークを過ぎない限り、政権を奪い取る事は難しいであろう。

 しかし、あと2~3年のうちに必ずマクドナルドはチャンピオンシップに挑むことになる。つまり、GSPとの直接対決を迎える時がくるのだ。まだそんな事を語るには時期尚早なのかもしれないが、しかし今年の終わり、もしくは来年の初めには対戦が実現しているかもしれない。

 その時、二人は同じチームから戦うのか、それともどちらかがチームを離れる事になるのだろうか? こんな事情も、さらにこの階級を面白くしている。

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