UFC 149回顧録

マイケル・ディサントがUFC 149を回顧する。

<a href='../event/UFC-Silva-vs-Irvin'>UFC </a>149 - Barao vs. Faber バラオ時代の幕開け?
 現代MMAで最高の無敗記録を誇るヘナン・バラオが、フェザー級の暫定王者に輝いた。UFCの解説者であるジョー・ローガンは、バラオのことを“タイトルを保持していない中では世界最高のファイター”と称していた。加えて、バラオのトレーニング・パートナーは、フェザー級の現王者で、パウンド・フォー・パウンド候補者の一人であるジョゼ・アルド。奇しくもそのアルドは、過去にユライア・フェイバーを相手に3-0での判定勝利を挙げていた。

 バラオはUFC 149で披露したパフォーマンスにより、自身の能力のキャパシティが、多くの人が予想するよりも、さらに上をいっていることを証明した。あとは、これまで通り“練習の虫”に徹することで、弱点を克服し、その強さの限界値に近づいていけばいい。さらなる成長を求める上で、アルドは最高のパートナーとなるだろう。

 ただし、まだバラオは真の王者になったわけではない。暫定王者にこそなったものの、まだまだバンタム級はドミニク・クルーズの政権が続いている。誰かがクルーズを倒すか、それとも彼が引退するかまでは、その政権は存続する。今回フェイバーと対戦しなかったのも、負傷が原因だった。

 手術を受けたクルーズが試合に出場できるまで、最低10カ月はかかるだろう。その間、バラオは何度か防衛戦を戦わなければならないし、それに専念するべきだ。この経験豊富だが若いファイターにとって、タイトルマッチは最良の糧となる。防衛戦にすべて勝利できれば、クルーズ戦に向けた最高の準備となるはずだ。

 UFC 149がバラオ時代の幕開けかどうかは分からない。ただ、一つだけ私にも分かることがある。それは、クルーズがバラオとの対戦に向けてうずうずしていることだ。

フェイバーはどこへ行く?
 バラオに負けたことにより、フェイバーはWEC時代と併せて、これで五つのタイトルマッチに連続で敗れるという結果となった。Zuffa傘下の大会で新たな対戦相手を見つけるのは難しいだろう。もちろん、フェイバーは現役最高のファイターの一人だし、今後もタイトル挑戦の機会はあるだろう。ただ、特定の階級で王者に輝くということはないと思う。

 今後、ブログやSNSでは、フェイバーが引退すべきか否かという議論が巻き起こるだろう。タイトル戦5連敗は前代未聞の出来事だ。もう王者に輝けないのであれば、どうしてファイトを続ける必要がある?

 ただ、私に言わせれば、引退の是非についてなど語るべきではない。

 ファイターがタイトルのためだけに戦っていると考えるのは馬鹿げたことだ。すでに生涯の生活を経済的に保障されているファイターなら、それも当てはまるかもしれない。タイトルへの飽くなき渇望のみが、身を賭した挑戦へと彼らを駆り立てるのだ。しかし、その他大勢のファイターにとっては、格闘技は生活の糧、つまりは収入を得るための仕事なのである。彼らにだって支払わなければならない住宅や車のローン、大学の基金などがあるのだ。

 UFCで戦うことは、医者や弁護士、セールスマン、その他スポーツ選手と同じことで、ほかのどの職業とも変わりはない。あなたはCEOになれないからといって、サラリーマンをやめるだろうか? それは馬鹿げている。ミネソタ・ティンバーウルブスの控え選手が、自分にはNBAの優勝リングを手に入れたり、MVPになる可能性がないからといって、引退をする必要があるだろうか? そんなことはない。

 フェイバーは、彼がMMAを楽しんでおり、健康的に障害がないのであれば、経済的に満足するまで戦いを続ける資格がある。それに、彼にはもう一度タイトル挑戦のチャンスが与えられるだろう。少なくとも一回は。クルーズとの3度目の対決は、まだまた商業的にも魅力的なカードだ。クルーズがバラオを破り、さらにフェイバーがそれまでに何勝か挙げていれば、カードが実現する可能性は高い。 とにかく、“カリフォルニアン・キッド”にはその資格があるし、それを得るために多くのことを成し遂げてきたのだ。

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