UFCマカオ回顧録

マイケル・ディサントがUFCマカオを振り返る

UFC middleweight Cung Leリーが遂に期待に応えた!

カン・リーは格闘技界でカルト的な人気を誇っている。彼が育ったカリフォルニア州のサンノゼではとりわけそうだ。それはオクタゴンで世界最高レベルのMMAファイターと顔を合わせるはるか前からだ。

とはいえ最初の10試合で、リーは真の実力者から勝利を奪ったとはいえなかった。確かにリーの犠牲者のリストにはフランク・シャムロックの名前がある。しかしシャムロックがピークを過ぎていたのは明らかだった。

そして初めての強敵、ヴァンダレイ・シウバとの対戦は悲惨だった。もちろん、この試合はその年ベストのファイトの一つで、見応えのある試合でもあった。このなかでリーは、最初のラウンドこそ獲ったものの、シウバの獰猛かつ美しいフィニッシュでマットに沈んだ。シウバに負けることは恥ではないが、シウバは下り坂にあるファイターだ。つまり、リーがタイトルを狙う上で、シウバ戦は落とせない一戦だったわけだ。

しかしリーは、UFCマカオで放ったカウンターの右フック一発で、キャリアを好転させてみせた。そのパンチは近年まれにみるKO劇を生んだ。元王者フランクリン(引退後の殿堂入りは確実な存在)はマットに顔から崩れ落ちる際に、完全に意識を失っていた。

リーの試合後のリアクションが勝利がどれほどの意味を持っているかを物語っていた。何故なら、リーはフランクリンのかませ犬程度にしか認識されていなかったからだ。フランクリンはリーを踏み台にもう一度ミドル級王座へ挑むつもりだったのだ。誰かリーにメモを渡し忘れてしまったのだろうか?

フランクリンに厳しい問いかけ

事実を述べよう。リッチ・フランクリンはMMA界史上最高のファイターの一人だ。それと同時に、人格的に優れ、地に足のついたスポーツ界屈指のナイスガイとしても知られている。私は彼に最大の敬意を払っている。

しかしながら、UFCマカオでの敗戦は、「時が来た」ことをフランクリンに思い知らせる結果となった。プロのファイターは、競技そのものによって残酷に葬られるまでに、十分なお金を稼いでおかなければならない。フォレスト・グリフィンはかつて言った。「俺は限界まで戦う。限界を超えたら、あと数試合は金のために戦う。

私はフランクリンはまだまだトップレベルで戦えると思う。しかしもう一度王座に返り咲けるかと問われた場合、相当運に恵まれなければ難しいと言わざるを得ないだろう。また、すでに十分な名声を築いたといえるので、それを確固たるものとするために戦いを重ねる必要もない。

すると残る質問は一つだ。果たしてリーはすでに十分なお金を稼いでいるのか?フランクリン家の経済状況については知るよしもないが、恐らくリーは引退しても十分に稼いでいけるに違いない。故郷シンシナティでは英雄で、ビジネスも営んでいる。UFCの番組でキャスターを務めることもできるだろう。

つまり、フランクリンは今後の戦いで深刻なダメージを負うリスクを背負ってまで、戦い続ける理由はないということだ。フランクリンは試合後、今後について真剣に考えなければならないと語ったが、是非そうして欲しいものだ。なお、私はまだフランクリンには引退して欲しくはない。まだまだいくつかのビッグファイトが控えているに違いないからだ。彼に挑戦したいというファイターもたくさんいるだろう。ただ、彼の理性的な面が、格闘技からこれ以上得るものがないと判断しても不思議ではない。
   

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