ショーグン、マチダ、ともにKOで勝利、タイトル・ショットをつかんだのは“ドラゴン” -UFC on FOX 4 メイン・カード結果

UFC on FOX 4 メイン・カードの結果は以下の通り…。

 日本時間8月5日(日) ロサンゼルス-ステイプルズ・センターでかつて無いほどのしぶとさと決意を胸に秘めたブランドン・ヴェラを撃破するのは元UFC王者マウリシオ・“ショーグン”・フアにとっても容易い事ではなかった。しかし4ラウンドでのTKO勝利はショーグンをタイトル挑戦者の一人としてのポジションに留まらせた。その試合も、昨年にダン・ヘンダーソンとこのスポーツ史に残る5ラウンドの名勝負を演じたブラジルの傑物にとって、もう一つのドラマチックな激闘となった。

 だが2ラウンドには強烈な打撃でほとんど試合を決めかけ、ヴェラ(12勝6敗1ノーコンテスト)をボロボロにして見せたショーグン自身はそのパフォーマンスに満足はしなかった。

 「みんな、すまない。今日は最高の自分を見せることができなかった。次はベストの俺を見せる」ヴェラとの一戦を振り返りながらフア(21勝7敗)は語った。「勝利がもっとも大切なことだ。ブランドンのことは非常に尊敬している。彼がよい試合にした、次はどうなるかな」

 試合の直後に皆の頭に浮かんだ疑問はUFC on FOX 4に登場したどのライトヘビー級ファイターがタイトル挑戦権を得ることになるのか? ということだ。

 それがリョート・マチダとショーグンの二人に絞られることは間違いない。しかしUFCプレジデントのデイナ・ホワイトはこの日に行われた試合のアクション溢れる激闘から、次のタイトル挑戦者はマチダになるということを後に宣言した。

 試合に勝利したのはショーグンであったがヴェラはショーグンを攻め立て驚かせた。ヴェラはこれまでになく積極的で、フアを大いに痛めつけたその戦いぶりで、“何も達成していない男”というレッテルを返上しただろう。そしてマチダはタイトル挑戦者が誰になるのかという疑問に明確な答えを出して見せた。

 かつてMMA界最大のミステリーだったリョート・マチダは対戦相手にとって攻略することのできない難敵だった。しかし最近の1勝3敗という戦績を見て、ファンはこの元UFC王者の魔力にいったい何が起きてしまったのだろうかといぶかしむことになった。

 しかしもういぶかしむことも無い。コメイン・イベントで彼が見せたライアン・ベイダーを2ラウンドにノックアウトするという圧倒的なパフォーマンスは、かつてのマチダが復活し、マチダ自身をUFCタイトル挑戦者の最右翼に位置づけた。

 34歳になるマチダは勝利の後にジョー・ローガンに「とてもよい気分だ。素晴らしいパフォーマンスだった。“ザ・ドラゴンは復活した!”と宣言したい」と語った。

 1ラウンドからマチダ(18勝3敗)がジ・アルティメット・ファイター・シーズン8の優勝者を強烈なローキック、ミドルキック、そしてボディへのヒザ蹴りで確実に、そして整然と攻め立てたことを考えれば疑いの無い結果と言えた。観客はライトヘビー級でも最も強烈な右パンチを誇るベイダー(15勝2敗)が突進し、そして、その拳が空を切るたびに“マチダ!マチダ!”と声援を送った。

 2ラウンドに入ると、ベイダーはその積極性に大きな代償を支払うこととなった。元アリゾナ州立大学のレスラーが右の拳をうならせながら突進すると、マチダは完璧な右のカウンターでベイダーのアゴを捉えると、その一撃でベイダーを昏倒させた。その直後となる2ラウンド1分32秒、レフリーが試合の終了を宣告した。

マチダの試合後インタビューはこちら

ジェイミー・ヴァーナー VS. ジョー・ローゾン

 もし前評判どおりの好勝負があるなら、誰もがファイト・オブ・ザ・ナイトに推挙する試合があるとするなら、この二人の最高の秒殺請負人同士の緊張感みなぎる一戦こそが、その試合であるだろう。そして、実際にジェイミー・ヴァーナーとジョー・ローゾンがオクタゴンの中で繰り広げたのはファイト・オブ・ザ・イヤーにも匹敵する激闘であった。

 この消耗戦が終わったとき、その手を勝者として挙げられたのは最終ラウンドの2分44秒に元WEC王者から巧みで強力なトライアングル・チョークでタップを奪ったローゾンだった。

 判定にもつれれば勝者はコイン・トスで決めるしかないというようなこの試合が判定になることを防いだそのドラマチックな結末に会場の観客は幸福と興奮に貫かれた。この試合に関しては、様子見の打撃というものは存在しなかった。超攻撃的で獰猛な打撃が試合を通して披露され、その攻防は留まることを知らなかった。突然の復活を遂げたヴァーナー(20勝7敗1分け1ノーコンテスト)は1ラウンドに怪物のような右でローゾンをマットに殴り倒すとその後も何度もキレのあるコンビネーションでボストン・ファイターをぐらつかせ、そしてそのボディをえぐった。しかしヴァーナーのそれらの強烈なパンチやヒジに対してローゾンは決して退がらず、執拗に相手を追い続けた。激しい試合展開が中盤になるとヴァーナーを疲労させ、流れをつかんだローゾンは数度のテイクダウンに成功すると、グラウンド&パウンドでヴァーナーを痛めつけ、そのバックを奪うとリアネイキッド・チョークで相手を脅かした。

 互いに背水の陣の覚悟で決死の戦いを繰り広げる両者に会場の観客はなんども立ち上がって声援を送った。その会場の雰囲気はみなぎる興奮と緊張感で髪の毛が逆立つように感じるほどであった。

 3ラウンドの開始時にヴァーナーとローゾンは互いに敬意を表す抱擁をしてから戦いを再開した。肉体の動きを見る限り、28歳のローゾンのほうが余力を残しているように思われた。しかし序盤に大きなダメージを相手に与えたのは、前回の試合ではそれまで無敗だったエジソン・バルボーザを相手に番狂わせのノックアウト勝利を挙げたばかりのヴァーナーだった。ヴァーナーは教科書どおりの両足タックルを成功させた。ローゾンは立ち上がってキレのあるワン・ツーで反撃。するとヴァーナーは5発のパンチのコンビネーションで突進するとさらに3発のヒジで追い討ちをかけた。それでも前に出続けるローゾン。ローゾンがテイクダウンを試み、ヴァーナーがバタフライ・スイープで上下を入れ替えたところでローゾンは器用にトライアングル・チョークに切り替えた。このトライアングル・チョークが試合を決着させ、会場からは屋根が吹き飛ぶのではないかと言うほどの喚声が沸き起こった。

 この勝利は2006年に元UFC王者のジェンス・パルヴァーを相手に番狂わせのKO劇を演じ、そして昨年10月にはメルヴィン・ギラードをサブミッションで下しているローゾンのキャリアの中でも最大の勝利の一つとなった。

J-ロウが勝利の後に語ったことを聞いてみよう

マイク・スウィック VS. ダマルケス・ジョンソン

 二年近くもオクタゴンから離れていたベテランのマイク・スウィックがダマルケス・ジョンソンをドラマチックにノックアウト。自身10個目のUFC勝利を手にし、復帰戦を華々しく飾った。

 1ラウンド序盤に何度も命中したスウィックの右の強打にうまく対応したダマルケス・ジョンソンのグラウンド&パウンドに晒されたスウィック(15勝4敗)は脆弱に見えた。わずかにふらついているようにも見える足でスウィックは器用にジョンソンの蹴り足をキャッチし、押し倒しながら飛び込むように右のパンチを振り下ろすと、その一撃でユタのファイターを失神させた。2ラウンド1分20秒、レフリーのハーブ・ディーンは試合を終了させた。

 「みんな、俺のことを覚えているか?」負傷と疾病に苦しみ戦線を離れていたスウィックは語った。「(試合中は)やれることは何でもやったぜ。俺が思っていたよりもやつには攻め込まれてしまった。片目で(相手の動きが)見えてないんじゃないかと本当に不安になったよ…」

スウィックの試合後インタビューはこちら

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