コリアン・ゾンビの飛躍ジョン・チャンソンは今回のダスティン・ポアリエ戦でメインを飾るまではアンダーカードの選手であり、またUFCに来る前は4戦3敗だった……と言っても、誰も信じないだろう。
UFCデビュー後の彼はまるでモンスターのようだ。UFCではこれで3連勝。そのすべてが近距離からの攻撃によるもので、そしてすべて試合後のボーナスをもらっている。
“コリアン・ゾンビ”のUFC参戦が疑問視されていたことなど、もはや遠い過去のことだ。
正直に言うと、どうしてここまで変わったのかわからない。対戦相手の質が落ちていない事は確かだ。彼がUFC参戦前に敗北を喫している金原正徳とジョージ・ループも素晴らしい選手であったが、彼が勝利したマーク・ホーミニック、ポアリエはそれ以上だ。そして、彼はさらに上を目指すだろう。
フェザー級王者ジョゼ・アルドの防衛戦がすでに日本時間7月22日に組まれているため、チャンソンがいつタイトルに挑戦するかは分からないが、ひとまず試合の展開を予想してみたいと思う。僕が思うに、スタンドではアルドが圧倒し、チャンソンを本当に意識のないゾンビにしてしまうと思う。しかし、グラウンドでならチャンソンはアルドを圧倒するだろう。実際にグラウンドでの攻防に持ち込むのは至難の技だと思うが、果たして…。
サダローは印象には残らなかった さらなる努力が必要である
アミール・サダローはとても親しみやすい選手だ。その謙虚な性格はフォレスト・グリフィンを思い起こさせる。しかし、彼のこの試合はその元UFCチャンピオンを彷彿とさせるものではなかった。しかし、これはサダローだけのせいではない。ジョー・ローガンが「美しい暴力のバレエ」と称するファイトスタイルを披露するためには相手の出方も重要であり、対戦相手のホルヘ・ロペスの消極的な試合運びが災いする形となった。
誰だって毎回スリル溢れる試合をできるわけではない。そしてどちらかと言えば、両者はこの試合で負けないことを優先してしまった。
観客の眠気を誘ったかもしれないが、勝ちは勝ちだ。サダローは前回のファイトで負けてしまったから、このような試合運びを選択したのだろう。
サダローは現在10戦しており、決して経験豊富とは言えないが、UFCの中ではベテランである。
よって、サダローはさらにステップアップし、自分がオクタゴンでどのような特質を発揮したいのかについて考える時期に来ていると思う。ここでウェルター級の一選手で終わるのか、それともトップ選手の中の一人になれるかどうかは彼自身にかかっている。
セラーニは元の巧妙なセラーニを彷彿とさせた
ドナルド・セラーニはUFCの中でもっとも試合後ボーナスに値する、素晴らしい選手の一人だ。彼のファイトスタイルは全ての要素を織り交ぜた、前へ出るスタイルだ。対戦相手のジェレミー・スティーブンスのスタイルを考慮すると、この二人の試合は壮大な戦争になることは必然であった。
が、壮大ではあったが戦争ではなかった。あったのはカウボーイの一方的な攻撃だけであった。
セラーニは巧みに足を使って完全にスティーブンスを制圧していた。足に、ボディに、頭に蹴りを浴びせ、そしてもちろんとび膝まで披露した。パンチも出すことには出したが、今回はほとんど足だけで制圧していた。
スティーブンスは反撃しようとしていたが、セラーニの足に対して打開策が見いだせず、逃げる事しかできなかった。序盤からこのような一方的な展開になり、またセラーニも15分間集中力を切らすことがなかった。前回のセラーニとは別人のようであった。
もし前回のネイト・ディアス戦でもこのような戦いが出来ていたら、彼はライト級のトップ戦線に食い込むことができるであろう。セラーニは次にアンソニー・ペティスとの対戦を望んでいる。この試合が次のライト級のチャンピオン挑戦者を決める戦いになるかもしれない。
ハッピー“フィルシー(汚い)”バースディ!
トム・ローラーはここ4戦中3敗という苦境の中、今回のジェイソン・マクドナルド戦を迎えた。今回負けるとそのキャリアが危ぶまれるため、とてつもないプレッシャーの中にいたことだろう。
しかし、元大学レスラーはそのプレッシャーの中で美しいKO勝利を収めた。相手のマクドナルドは過去にこのような意識が飛ぶような形でKO負け喫したことがない。さらにローリーがこの5年間、KOで勝利したことがないことを考慮すれば、このKO劇は驚きだった。
そんな彼の今回の試合は、彼の29回目のバースディを飾るにふさわしいベストバウトだったと思う。これでタイトル挑戦に近づいたとは言えないが、子供や孫に語り継いでもいい誕生日プレゼントのような試合だったと思う。






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