ドミニク・クルーズ:フラストレーションの中からの便り

「今の俺にできることは、膝の状態をよくして、するべきとをやり、メンタル面でも研ぎ澄まされていることだ”ドミニク・クルーズ
UFC bantamweight champion Dominick Cruz  ドミニク・クルーズはその格闘技人生の中で最も厳しい時期にある。

 予定されていたユライヤ・フェイバーとの王者防衛戦が膝前十字靭帯損傷により中止となってから4か月、王者は自分の体と心と戦っていた。彼の理学療法士が組んだメニューでリハビリをこなし、時間をかける事が復帰への道だという事はわかっているのだが、それでも十分でないという思いが頭をよぎる。

 クルーズはいわゆる「ジムの虫」だ。

 ほとんどの時間を彼はジムで練習をして過ごす。もはやこれは仕事というレベルではなく、彼自身そのものなのだ。そしていまそれが彼から奪われている。怪我をしてから、彼は何かが失われた感覚に襲われている。しかし、無理をしすぎる事がないのは「チャンピオンたる事」という信念があるからだ。

 「プロフェッショナルであるという事は、常に100%であるという事ではないと思う」そう王者は答えた。「もし今、俺が100%で練習に臨んだら、膝は悲鳴をあげるだろう。今自分がプロとしてできる事は、冷静に時をまち、今すべき事をする事だ。本当の王者はそれ理解しているのだと思う。そして俺はそうしている」

 「とってもフラストレーションがたまるよ」リハビリについて聞いたとき、彼はそう言って笑った。「トレーニングを行なったり、戦いたいのに出来ない。人生で一番タフな戦いだよ」

 「『本当にすべきことをしているのか?』自分の事はよくわかっているつもりだけど、それでも心の中でこう問い続けている。いつも『もっとできる事がある』という思いでいっぱいだよ。理学療法を受けるときに最も辛いのは理学療法そのものではなくて、したい事を我慢することだ」

 クルーズの戦いはこれだけでなかった。彼の復帰を望むファンからの、賞賛や励まし、そしてサポートを受け入れる事も戦いだという。

 「もう一つの俺の中での戦いは、俺が戦う事を待っているファンがいるということだ。みな、チャンピオンがベストな戦いをする事を望んでいる。俺はファンの皆に感謝しているし、常にファンが望むような試合をしたい。それに応えられないのが一番心苦しい」復帰をしなければ彼はこの思いからは抜け出せないだろう。

 「このスポーツを始めた日から思っていたのは、試合をこなして自らを誇示することも大事であるが、一番大事な事は勝つためにできる事をし、それを継続しなければならないという事だ。自分に満足できないとき、皆の賞賛を浴びる事はとても心苦しい。俺はみんなの称賛に相応しい選手になれるように、とにかく努力を積み重ねてきた。俺は自分に対しては最も厳しい見方をしている。だから、ファンの期待に応えられない今の状況は心理的な戦いでもあるんだ」

 彼はバンタム級の次期王者挑戦者についても語ってくれた。

 クルーズのフェイバー戦欠場が決まったあと、デイナ・ホワイトはヘナン・バラオをクルーズの代わりに据え、UFC 149にてバンタム級暫定王者決定戦を行った。この試合でバラオは暫定王者に輝いた。

 「俺に言わせるとこれは時期挑戦者決定戦だ」そうクルーズは語った。「もちろんバラオは良くやったと思うけれど、彼は王者ではない。あの試合はチャンピオンシップではなかった。俺と対戦する時は、これがチャンピオンシップだという試合を見せるよ。そのために俺は膝を治すことに専念し、神経を研ぎ澄ませておこうと思う。最高の状態で試合をするためにね」

 他にもこの階級には挑戦者となるべき選手がいる。それが彼のトレーニングパートナーであり、親友でもあるマイク・“ハルク”・イーストンだ。2011年10月にUFCデビューして以来3勝をあげ暫定王者次期挑戦者の呼び声が高い。

 「この事について俺とマイクはたくさん話をしたよ。その可能性が有る事は十分承知している。トレーニングパートナー同士が世界一をかけて戦うなんて最高じゃないか。彼は俺の家族のようだけど、それが戦わない理由にはならない。それにマイクも同じ思いだと思う。だからこそ俺たちは親友なんだ」

 フラストレーションの一方で、彼はこの階級に距離をおいて冷静に見つめる事ができるようになった。

 「この階級はさらに活性化するし、UFCも成長し続けていくだろう。いい戦いをつづける事でより良い選手を生み、そのレベルはさらに上がるだろう。もちろんバンタム級もね」

 現在、この階級とMMAはクルーズ抜きで成長を続け、彼はフラストレーションに苦しんでいる。しかし、彼がオクタゴンに戻った時、人々はクルーズがどうしてこのスポーツの、そしてバンタム級の絶対的王者に君臨していたのかを思い出すだろう。

 「バンタム級は成長し続ける。挑戦者は次々に現れるし素晴らしい選手も出てくる。でも、タイトル戦に出場するまで、この階級の本質はわかりっこないね」とプライドをのぞかせた。

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