ネルソン完勝! ピケットは引退を勝利で飾れず

日本時間3月19日(日)、 イギリス・ロンドンにあるO2アリーナで行われたUFCファイトナイト・ロンドンのメインカード(セミメインイベントまで)の試合レポート。
ウェルター級 5分3ラウンド 
グンナー・ネルソン vs. アラン・ジョバーン




アイスランド出身、沖縄剛柔流空手とブラジリアン柔術の寵児グンナー・ネルソンは前回、アルバート・トゥメノフの首をネッククランクで捻り上げて一本勝ち。ランキングは9 位だ。対するジョバーンは2015年にそのトゥメノフには敗れたものの、そこから3連勝と勢いに乗っている。

1ラウンド、 試合前から一切感情を表に出さないネルソンは、左足を前に広いスタンスでステップを踏み、ガードを下げたままプレッシャーをかける。対するジョバーンはサウスポーで回りながらロー。その蹴り足を掴んだネルソンは、右を降ってから組み付くがジョバーンは振り払う。

プレッシャーをかけ続けるネルソンは、右ストレートから組みつくと、ジョバーンを金網に押し付けてからテイクダウンに成功! と同時にすぐにサイドに回る。上半身を完全に制したネルソンは、そのまま膝をジョバーンの腹を滑らせるようにマウントを奪取。ジョバーンはエビで抵抗を試みるが、図抜けた腰の重さを誇るネルソンのマウントは崩れない。ネルソンがマウントをキープしたままラウンドが終了した。

2ラウンド、ジョバーンは左右のパンチで前に出るが、ネルソンは右のカウンター。そこから距離を詰めたネルソンは、ジョバーンの動きを伺いながらノーモーションの右ストレート! これで膝が落ちたジョバーンに追撃のハイを浴びせたネルソンは、さらにその首を掴んで引きずり下ろすと、そのままギロチンへ。すさまじい力で締め上げると46秒、ジョバーンはタップした。 

打撃、寝技ともに恐るべき殺傷能力を存分に発揮したネルソンは「落ち着いて戦況を読んで機会を伺うのが僕のスタイルだ。判定じゃなく、いつもフィニッシュしたいんだ。だからたまに時間がかかることもある。そのためには一つではなく、いくつかの武器を持たないとね。向こうの蹴りは良かったね。でも試合前に相手を分析したりはしないんだ。この試合で学んだことを活かして、さらに力を上げていきたいね」と語った。


バンタム級 5分3ラウンド 
ブラッド・ピケット vs. マルロン・ヴェラ




地元英国のベテラン、ピケットは前回ユライア・フェイバーの引退試合の相手を務め、激闘を繰り広げた上で判定負け。今回は自身の引退試合となることを表明している。対するエクアドル出身のヴェラはここまでUFC 戦績2勝2敗だ。

1ラウンド。サウスポー蹴りを狙うヴェラに対し、オーソドックスのピケットは必殺の右のカウンターを狙う。やがて組み付いたヴェラに対し、ピケットは差し返してダブルレッグで抱え上げて豪快にマットに叩き付けてのテイクダウン! しかしヴェラもスクランブルで立ち上がる。スタンドで頭を振りながらプレッシャーをかけ、右を狙うピケット。ヴェラはサークリングしながら左のロー等で距離を取る。

ピケットはさらにプレッシャーをかけ、カウンターの膝を狙ったヴェラに左フックをあてて尻餅をつかせるが、ヴェラも距離を縮めてきたピケットにジャブや膝を当ててみせた。

2ラウンドも、プレッシャーをかけるピケットと、回りながらカウンターを狙うヴェラという展開が続く。やがて組み付いたピケットは、再び抱え上げてのテイクダウンに成功。ガードの中からパウンドや肘を落としてゆく。何発も被弾したヴェラだが、やがて足で距離を取って立ち上がることに成功した。スタンドに戻ると、ヴェラは左のインローやハイ。ピケットはそれにもめげずに距離を詰めて左右のフックを当てて場内を沸かした。

3ラウンド、ヴェラが左ハイで前に出るが、ピケットはガードして左右のパンチを返す。スイッチするヴェラはピケットの出鼻に左ジャブ。ピケットも右アッパーやストレートを放つが、ヴェラは左の蹴りやストレートを当てる。やがて不用意に前に出たピケットに、ヴェラの左ハイがクリーンヒット! 膝から崩れるように倒れたピケットにヴェラがパウンドを落とすと、3分50秒、レフェリーが試合を止めた。地元の英雄の敗戦にブーイングが響く中、すぐに立ち上がりレフェリーに抗議をしてみせたピケットだが、ダメージは明白だった。

涙を流しながら勝利の宣告を受けたヴェラは「ロンドン! みんなピケットを称えてくれ。彼と試合ができて本当に名誉だった。そしてこんな大きな試合をさせてもらえてすごく嬉しい。ピケットは本当にタフな男だ。僕が高校生の頃、今フライ級王者のデメトリアス・ジョンソンを倒しているんだ。チーム・オーヤマという素晴らしいチームに出会えて嬉しいよ」と語った。

引退試合を勝利で飾れなかったピケットは大歓声を受けながら、「今、いろんな感情が心を駆け巡っているよ。僕に戦う場を与えてくれたUFCには本当に感謝だ。そして今まで支えてくれたファンの皆、大好きだぜ! 正直今日の試合は勝っていたと思ったけど、一発いいのをもらってしまった。試合を止められるくらいなら、完全に息の根を止められるまで戦いたかったけど、レフェリーは自分の仕事をしただけだと分かっている。これからは家族のために時間を過ごすよ。僕のコーチたちにも感謝している」と語った。


フェザー級 5分3ラウンド 
アーノルド・アレン vs. マクワン・アミルカーニ




地元英国の23歳のアレンは、ここまで11勝1敗の戦績を持ち、UFCでも現在2戦2勝だ。対するフィンランドのアミルカーニは戦績13勝2敗。UFC登場以来3連勝中とこちらも勢いに乗っている。

1ラウンド、サウスポー同士の両者。アミルカーニが飛び前蹴りを仕掛ければ、それをかわしたアレンも前蹴りを返す。さらに飛び込んだアミルカーニはボディロックからテイクダウンに成功。スクランブルを試みるアレンにギロチンを仕掛けるが、アレンは首を守って立ち上がると逆に足をかけてテイクダウンで上を取る。その後もお互いテイクダウンを取り合った両者は、ラウンド終盤には離れて打ち合いに。前に出るアレンにアミルカーニがカウンターの右フックを当てるが、アレンも負けじと左ストレートからハイで攻め込み、両者一進一退、ノンストップで展開した1ラウンドが終了した。

2ラウンド、再び突進してテイクダウンを決めたアミルカーニは、スクランブルしたアレンにダースチョークを仕掛けるが、アレンは首を抜いて上に。ハーフガード上からマウントとポジションを進めるが、アミルカーニもハーフに戻してやがて立ちあがる。スタンドに戻るとアミルカーニは再びタックルに。アレンはそれを10フィンガーギロチンでカウンターを試みるが、アミルカーニはそれを防いで上に。そのままアミルカーニが上のポジションをキープしパウンドを落としていった。

3ラウンド、やや疲れの見えるアミルカーニはまたしてもタックルに入るが、アレンは切る。やがてガードの下がって来たアミルカーニに対し、アレンの左ストレートが炸裂! スタンドでは不利なアミルカーニはシングルレッグに入り、さらにボディロックでテイクダウンを狙うが、アレンはそれを投げて離れることに成功。さらにアミルカーニはテイクダウンに入り、スクランブルするアレンを辛抱強く倒し続けて上に。ハーフガードの上のポジションを確立するが、レフェリーが非常に速いブレイク。残り時間が少なくなると、今度はアレンが両差しからテイクダウンに成功。マウントからバックに回って優位な体勢で試合を終えてみせた。

お互い攻め続けた激闘の判定は2-1(30-27, 28-29, 30-27)でアレンに。UFC無敗を守るとともに地元に錦を飾った勝者は「ロンドン! 盛り上がってるかい! 打撃で行くつもりだったんだけど、レスリングの攻防になってしまったね。でも僕はキックボクシングも打撃もなんでもできるから。向こうもフィニッシュを狙って来たし、こっちも狙った。地元で勝てて最高だ。世界最強の選手を目指してこれからもやっていくよ」と語った。

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