ジョン・フィッチ - 7つの決定的瞬間

227日、UFC 127のメインイベントでジョン・フィッチはBJペンと対戦する。これまでフィッチがたどってきた7つの決定的瞬間を振り返ってみよう。

カリフォルニア州サンノゼのアメリカン・キックボクシング・アカデミー・ファイトチームのキャプテン、ジョン・フィッチはハードワークと、ジムに対する自己を省みない奉仕と、そして比類のない手本を示すことによって賞賛を勝ち得た。それこそがチームメイトのほかの誰かではなく、フィッチがチームの誇りを双肩に背負う理由だった。

「それらの全てが俺にとっては大きな意味がある。」フィッチは語った。「俺は全てを名誉と誇りとともに担って、皆をできる限り、可能な限り助けることによってチームの象徴になろうとしているんだ。俺はあまりよくしゃべる男では無いけど行動は言葉よりも雄弁だと信じているし、後に続くファイターとしてのキャリアで成功を望んでいる奴らにとって模範になっていると思うんだ。」

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27日、ジョン・フィッチはUFC 127で元UFC二階級王者のBJペンと対戦する。パーデユー卒のフィッチにとって、この試合はウェルター級のコンテンダーとしての彼の地位を確立し、ジョージ・サンピエールとのリマッチへとつながる大きなチャンスである。ではフィッチはどのように今のポジションにたどり着いたのだろうか?以下に彼のキャリアの7つの決定的な瞬間を見てみよう。
 
マイク・パイルRFC1 – The Beginning – 2002713
結果パイルが1ラウンドにサブミッションで勝利

フィッチはパーデューでアシスタントコーチとしてレスリングを行っている時にMMAと出会った。MMAファイターであったトム・エリクソンがUFCPrideで活躍したマーク・コールマンとそしてゲーリー・グッドリッジを共にトレーニングを行うために彼に紹介をしたことがきっかけだった。

フィッチは当時を振り返り語った。「彼らとロール(スパーリング)することになって、俺が関わってきたスポーツやそのテクニックに対する新しい、本当の感謝の気持ちを持つことになった。俺は”俺にもできるぜ。”って言ったんだ。俺は競技の世界に身を置くことを、それもがっつりとやることを常に愛していたからね。これは神の思し召しだと思ったよ、だって15年前だったら”いつかお前はUFCで試合ができるよ”なんて誰も言わなかった訳だからね。俺は戦うって事に関して何もバックグラウンドを持っていないし、街で喧嘩をした回数のたぶん3倍くらいはプロとして試合をしてきた。俺は試合の相手を選んで回るようなマッチョな奴らとは違うんだ。俺にあるのはただこのスポーツに対する感謝の念だけなんだ。」

そしてMMAの先輩達が彼らがこれまでにどれほど稼いだのかの話をし始めると、フィッチの好奇心は一層刺激された。

「最後に彼らは金の話を始めるんだ。」クスクスと笑いながらフィッチは語った。「始めたばかりでは違った話になると言うことを知らなかったんだ。彼らは1試合あたり7万ドルとか10万ドルって話をしていたけど、最初の23年の間は薄暗いバーで500ドルくらいのギャラで試合をしていたんだ。」

2002
年の7月にマイク・パイルを相手に行った最初の試合ではレスリングとハートはフィッチに軍配が挙がったものの1ラウンド235秒、リアネイキッド・チョークで一本負けを喫した。

MMA
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チアゴ・アウベス I – アルティメット・ファイト・ナイト2006728
結果フィッチが2ラウンドにTKO勝利

フィッチにとってファイターとしての人生の滑り出しは5試合を終えた時点で221ノーコンテストと滑らか、と言うものではなかった。しかしすぐにフィッチはきっかけを掴むと連勝街道を突き進み始めた。その成功は新しいリアリティ・ショー、ジ・アルティメット・ファイターズの準備中であったSpikeTVの目に留まり、フィッチはそのための減量も行った。ところが悲劇が訪れた。

「俺の荷物のチェックインも終わっていた。搭乗の10分くらい前に彼らが電話をしてきて、飛行機に乗らないようにって言ったんだ。」番組から突然降板させられたフィッチは当時を振り返った。「飛行機から荷物を降ろしてもらって、ガールフレンドに電話をしてピックアップに来てもらった。家に戻ってから皆には何が起こったのかを説明しなければならなかったけど、今をもって何が起こったのかは知らないんだ。」

失望しつつもへこたれないフィッチはすぐに試合にもどり連勝を重ね、そして2005年の10月にはUFCに登場、ブロック・ラルソン、ジョシュ・バークマンに連勝した。しかしフィッチの名を轟かせたのは同級の若手ブラジル人ファイター、チアゴ・アウベスを2ラウンドで仕留め、UFC3連勝を飾ったことによるものであった。

ディエゴ・サンチェスUFC 76 – 2007922
結果フィッチが3ラウンド、判定で勝利

もしあなたが運命論者なら、フィッチが降板を余儀なくされたショーの優勝者と対戦することになると言うのは運命だ、と捉えるのかもしれない。そしてディエゴ・サンチェスはフィッチにとって、チームメイト、ジョシュ・コスチェックのために行った5ヶ月前のトレーニングキャンプでそのキャンプの間ずっとフィッチが仮想の対戦相手として演じ続けたファイターであり、コスチェックは”ナイトメア”にプロ戦績で初めてとなる黒星をつけることに成功したのだ。

「コスチェックの試合のためにディエゴ役をやった。」フィッチは語った。「彼がどのように戦うのかを模倣したんだ。2ヶ月の間サウスポーにスイッチしてディエゴがやることは何でもやったよ。おかげでディエゴがどのように考えて、何を狙うのかが分かった、彼の頭の中に少しばかり入り込むことができるんだ。」

そしてそれはフィッチの3ラウンド判定勝利と言う形で表れ、フィッチは170ポンドの序列の中で確固たる地位を確立した。ウェルター級のタイトルへの挑戦権は彼の手中にあった。彼に求められていることはあと一つの勝利を積み重ねることだけであった。

クリス・ウィルソンUFC 82 – 200831
結果フィッチが3ラウンド、判定で勝利

時としてタイトルマッチへの期待感から来るプレッシャーは試合そのものよりも厳しいものとなる。そしてそれが比較的無名ながらも実力のあるファイターから勝利を挙げなければならないとなると、ファイターの精神状態はガタガタになることがあるものだ。もちろん格下のファイターに勝利を収めてもタイトルマッチの権利を手にすることはできないし、ほんの一瞬の集中力の途切れ、形の崩れたパンチによる拳の骨折、ヒジによるカット、たったそれだけで追い求めた夢のチャンスが霧散してしまうのだ。UFC70敗、そして通算で15連勝を重ねていたフィッチはタイトルマッチへの挑戦権を獲得したが、それを確実なものにするためにクリス・ウィルソンを粉砕する必要があった。そしてフィッチはそれを成し遂げた。決して簡単な試合ではなかったが、深海でもがき続けるような3ラウンドを判定でもぎとったのだ。そしてこの試合が終わったとき、フィッチはようやく安堵のため息をつき、その視線をウェルター級のタイトルへと向けたのだ。

ジョージ・サンピエールUFC 87 – 200889
結果サンピエールが5ラウンド、判定勝利

ジョージ・サンピエールを相手に迎えたタイトルマッチの前半はフィッチにとって有利な展開であった。しかし無思慮なキックが全てを変えてしまった。

「あのキックを二度目にけったとき、俺は”俺は何をやってるんだ?”って感じだったよ。」フィッチは振り返る。「セットアップも、距離の調整も無く、とにかく蹴った瞬間にマズイって感じたよ。次に俺が覚えているのは”ドカーン”、俺はキツイのをもらって周りがスローモーションのようになって、そこからは”ひたすらそのラウンドを生き残る”だけだった。」

フィッチが放ったキックに対し、王者は右のパンチで反撃しそこからGSPは巻き返し、最終的には5ラウンドを30の判定で勝利した。ジャッジの判定でフィッチにポイントは入らなかったものの、25分の間、フィッチは勝利を目指して動き続け、試合は決してワンサイドゲームなどでは無かった。サンピエールはフィッチ戦がこれまでで最もタフな試合であったと評しているが、フィッチにとってそのことはほんの慰めにすぎない。

「精神的に勝っていた、なんていうつもりも無い。」フィッチは語った。「あのポジションまでたどり着くために自分が成し遂げたことを誇りに思うし、試合中の俺がやったことも誇りに思う。でもあの時俺はコンプリートではなかった。あの試合以来、俺は己をコンプリートなファイターにするべく励んでいるよ。」

「かつては自分がそこにいる、と考えていた。そして実際に体験して俺は確信を持っている。」フィッチは続けた。「いくつかの間違いをなくし、いくつかの改良を行い、そして世界中で、そして史上最高かもしれないパウンド・フォー・パウンドと考えられているタイトルを争う連中のど真ん中に俺もいるんだ。」

郷野聡寛UFC 94 – 2009131
結果フィッチが3ラウンド、判定勝利

サンピエール戦を終えたあとのフィッチの顔を観た者は、はたしてフィッチがそこから復活できるのかと思ったに違いない。確かに彼は若くてそれが始めての本当の戦いであったのだが、あのような試合は急速にファイターを消耗させてしまうことがある。だからUFC 94でフィッチが郷野聡寛に勝利するだろうとMMA界全体が期待をしていたとは言え、実際に彼がそこで成し遂げたことは語り継がれるであろうことであった。フィッチは、ジョン・フィッチであり続けることでその期待に応え、消耗の兆しも見せずにパウンドを落とし続け、いつものように-効果的で圧倒的な支配力で-3ラウンドの判定勝利をもぎ取った。フィッチは復活した、そして再び連勝街道を突き進む準備はできていた。

ベン・サンダースUFC 111 – 2010327
結果フィッチが3ラウンド、判定勝利

もし精神的にタフなファイターを3人選べ、と言われたら、ジョン・フィッチはあなたの選ぶトップ3に入っているだろう。もし入っていないと言うなら、彼こそそこに入れるべきファイターだ。試合直前の対戦相手の変更に対して大騒ぎをする、フィッチはそんなこととは無縁の男だ。しかし彼の長いライバル、チアゴ・アウベスがUFC 111が行われる週に入ってから欠場を余儀なくされたとき、実力派の熱血ムエタイ・ファイター、ベン・サンダースが単にその代役のオファーを受けただけでなく、自ら進んで名乗り出た、となったらどうだろうか?フィッチは動じる事も、不平を口にすることも無くその痩せ型のムエタイ・マシーンとの対戦を受諾し、そしてニューアークでの試合が始まると、フィッチはいつものように淡々とビジネスをこなしたに過ぎなかった。3ラウンドにわたり、サンダースに何もさせることも無く完封し、再びその筋金入りの実力を証明したのだった。昨年の8月にはアウベスにも連勝、そしてフィッチは2011年前半の最も興味をそそられる対戦カードとなるBJペンをそのダンスの相手に迎えることになったのだ。

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