ペトルゼリの旅はドイツへ続く

「俺はヘビー級の奴らよりも絶対にスピードがあるし、そして205ポンドの選手たちよりも俺のほうがスピードがあると思う。つまりスピードは絶対的な武器になるだろう。俺は彼が大振りのパンチを振ってくるたびに二発のパンチを叩き込むことができると思っている。彼は俺のスピードと敏捷性に非常に悩まされることになるだろう。」

UFC116でセス・ペトルゼリとの試合の後のロメロのメディカル・リポートはちょっとしたものだった。顎の骨折、ヒザの捻挫、そして大胸筋の断裂。オクタゴンの反対側のペトルゼリはより快活に見せた-少なくとも肉体的には-彼の対戦相手の肘打ちによるほんの小さなコブが頭に一つできているだけだった。

「俺はもう一度戦う準備ができていた。」ペトルゼリは語った。「俺はかすり傷すら追っていなかった。側頭部に当たった一発の肘打ちで小さなコブができていたけど、体全体は非常に元気だった。精神的にも良い状態に感じていた。俺の敗北にはうんざりしたよ。彼は疲れ切って歩いて帰ったけど、彼が勝利して俺が負けになったんだ。」

七月にラスベガスで行われた速い展開のあの試合の最後以外の全ての部分を見た人にとって、ペトルゼリの敗北と言うのはもっとも達し難い結論に違いない。試合のベルが鳴ると鋭い打撃でペトルゼリはロメロを何度もよろめかせ、何度と無くほとんど試合終了、と言う状態が訪れた。

「俺は柔軟な頭を持っていると誓うよ。」ペトルゼリは笑った。「あれはまさにありえなかった。俺は何度も彼を殴って、そして俺には彼が失神しているように思えた。だけど次のパンチの後に、彼は目を覚ましてしまうんだ。俺は本当に驚いたね。あまりにも何度もとどめを刺しに行ったから、俺は攻め疲れしてしまってそれにやられてしまったんだと考えているよ。」

2ラウンドの中盤あたりで立ち直りの早いロメロは全身の力を集中し、前半のトラブルを振り払うとペトルゼリをアームバーで切って落とした。試合のを見ていた全てのファンが忘れることのできない試合となったが、3年以上もUFCで戦い続け、復帰戦を行ったベテラン、セスにとってはただの敗北以外の何者でもなかった。

「勝つこと、それがもっとも重要なことで、本当に不運だった。」146敗のプロ戦績をもつペトルゼリは語った。「試合をしてエキサイティングさを競う人気コンテストで勝てたらって思うよ。それなら俺はクレイジーなキックで興行を本当に素晴らしいものにしつつ、相手を痛めつけることができたからね。毎回勝てるかどうかなんで誰にわかるって言うんだい?すくなくとも打撃に関しては自分の能力いっぱいまでパフォーマンスを出せたから俺はハッピーだよ。だけで殴りすぎて、ノックアウトにこだわりすぎたためにあれほど疲れてしまったってことに本当にがっかりしているんだ。」

それは2007年にウィルソン・ゴヴェイアに2ラウンド、関節技で仕留められて以来の敗北だった。TUFシーズン2以来UFCで試合をしてきたペトルゼリのUFC戦績は02敗となってしまうが、リリースされるとセスは4試合連続で1ラウンド以内での勝利を重ね、その中には当時無敗だったキンボ・スライスを僅か14秒で仕留めるTKO劇も含まれていた。2年近くたった後、ペトルゼリはUFCに復帰し、ロメロとの再戦も、当時話題となったキンボとの再戦も望まず、彼は前に進むことを選んだ。

「俺は皆が言うような”キンボ・キラー”としてではなく、素晴らしい総合格闘家として皆に認めてもらいたいんだ。」ペトルゼリは語った。「不幸にも試合ですぐにやられてしまって二度と試合をしなくなったとき、俺は人々に俺がこれをずっとずっとやってきて、そしてそれこそが俺の情熱だ、と言うことを知ってもらいたい。俺は6歳から格闘技をやってきているけど、偉大な格闘家として、それを仕事にした男として、大きなことを成し遂げ、教えたりアドバイスをして人々を助けた男として知ってもらいたいんだ。」

しかしペトルゼリはその日没に向かって歩くまでにまだ多くの試合を残している。そしてロメロに対する突風のような戦いぶりで、敗北と言う結果にもかかわらず新たなUFCでの試合を彼は任された。

「あれは復帰初の試合での敗北だった。だから俺は”牢獄から罰金無しで脱出”カードでも手に入れたんじゃないかと思ったよ。だけどもう後がない。」セスは語った。「今回はまさにやるかやられるか、だ。あのときの俺の戦い方では首を切られることをそれほど心配する必要はなかったけどそれは常に頭のどこかにある、自分では分からないだけだよ。」

1113日土曜日、セスはUFCでの初めての勝利を得るため、同じUFC 116でジョン・メドセンの手洗い歓迎を受けたカーロス・ヴェモラとライト・ヘビー級で戦う。

「彼の最後の試合は相手に固められてしまったね。」ペトルゼリはヴェモラについて語った。「本当に、本当に退屈だけど、試合全体でレスラーがただ固めて塩漬けにしてくるとああなってしまうんだ。それまでのヴェモラの試合では、彼は前に出てパンチを振るいながらテイクダウンを狙う、そして一本でのフィニッシュを狙っていた-これは俺にとっては望むところだ。なぜなら俺もまさに同じことをしようと思っている-俺も前に出て殴ってやるよ。彼はクレイジーな大振りで前に出ながらテイクダウンを狙ってくるだろうけど、そこはしっかりと避けながら狙い済ましたカウンターパンチに専念するよ。」

テクニカルなストライカーであるペトルゼリにとって、ヴェモラとの対戦は興味深い組み合わせだ。なぜならチェコ共和国生まれのヴェモラあらゆる角度から重い打撃を放ち、殴り倒すかテイクダウンを狙ってくるからだ。この手のワイルドなパンチャーには手当たり次第の攻撃が最良の作戦に見えるが、ペトルゼリはこう答えた。

「俺の方がずっとテクニカルなファイターだ。あのような大振りのパンチがあたることはまずないけど、もしあれを食らうとしたら、それは疲れてしまった時だ。来るのが見えていても頭と体が本来あるべき形で連動しない時、貰う筈のないパンチを貰うことになる。それがまさに今度の試合で俺がもっとも望んでいないことだ。俺は試合中ずっとあの大振りに細心の注意をはらいながら爪先重心でサークルし続けるよ。彼はどの試合でも必ずあれを振ってくるからね。」

メドセンに対してそれまでの8試合を全て1ラウンドで勝利していたヴェモラは無策だった。ペトルゼリはヴェモラがライトヘビー級へ階級を落としたことにより多くの潜在的な問題が露見すると指摘する。

「スピードに対応しなくてはいけないのは明らかだ。」ペトルゼリは続けた。「俺はヘビー級の奴らよりも絶対にスピードがあるし、そして205ポンドの選手たちよりも俺のほうがスピードがあると思う。つまりスピードは絶対的な武器になるだろう。俺は彼が大振りのパンチを振ってくるたびに二発のパンチを叩き込むことができると思っている。彼は俺のスピードと敏捷性に非常に悩まされることになるだろう。UFCに来るまでに彼が戦ってきた相手の多くは貨物列車のまん前に突っ立ったまま轢かれてしまったような連中だ。俺はそんなことはしないよ。スピードとフットワークを駆使してサークリングし続ける、それが彼のトラブルになってくれると良いね。」

ペトルゼリが無傷なだけでなく、試合に勝利して日曜の朝を迎えられんことを。

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