マウリシオ・ショーグン 12番勝負

UFCのスーパースター、マウリシオ・“ショーグン”・フアの名勝負集

Mauricio "Shogun" Rua元UFC世界ライトヘビー級王者であるマウリシオ・ショーグンは、長年にわたって世界中のファンを楽しませてきた。そして12月8日、ショーグンはアレクサンダー・グスタフソンと対戦する。勝てば王者挑戦へ一歩近づくだろう。ここで記憶に残るマウリシオ・ショーグンの名勝負を紹介しよう。

2003年10月5日 PRIDE武士道1 vs.小路晃

当時まだ21歳だったマウリシオ・ショーグンのPRIDEデビュー戦。相手はベテランの小路晃。小路は負けることも多かったが、簡単に引き下がるようなファイターではなく、しかもこの時は連勝中だった。ショーグンは優れたテクニックこそ持ってはいなかったが、情熱やポテンシャルを疑うものはいなかった。立ち上がりの出来が悪く、寝技に引き込まれそうなシーンもあったもが、そこから立ち直って小路の頭に連打を浴びせ3:47でTKOにより勝利した。この勝利が、ここからおよそ2年半続く連勝街道の始まりとなり、無名だったショーグンがスーパースターになるきっかけとなった。

2005年4月23日 PRIDE GRANDPRIX 2005 ミドル級GP 1回戦 クイントン・ジャクソン戦

2003年10月5日にPRIDEでデビューし、ベテラン小路晃に勝利したマウリシオ・ショーグンは、そのあと郷野聡寛と滑川康仁を下し、2005年2月にはPRIDE 29で金原弘光に勝利した。その次にマウリシオ・ショーグンの前に立ちはだかったのはランペイジ(暴れん坊)の異名を持つクイントン・ジャクソンだ。ジャクソンは2度目のヴァンダレイ・シウバ戦の敗戦から立ち直り、マウリシオ・ショーグンの兄ムリーロ・“ニンジャ”・ショーグンに勝利していた。このこともありショーグンは若きスターである自身の価値を証明するためだけでなく、兄のリベンジも兼ねてリングに上がった。後の2007年にショーグンは「彼(ジャクソン)はPRIDEのスーパースターで、私はブラジルから出てきた新参者に過ぎなかった。試合は厳しいものになると分かっていた。それにジャクソンのニンジャ(兄)に対する勝利は物議を醸すものだった。これは兄の仇を討つチャンスだった。ところが試合は皆が想像していたよりも簡単なものになった」

簡単だったかどうかは分からないが、確かに印象的だった。恐らくショーグンにとって最もスペクタクルな勝利だった。第1ラウンドにTKOで勝利を収めたのだ。正に“ショーグン”のニックネームにふさわしい勝利だった。

2005年6月26日  PRIDE ミドル級GP 準々決勝 アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ戦

ジャクソン戦の勝利からわずか2カ月。ショーグンはPRIDEのミドル級GP準々決勝で同じブラジル人ファイター、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラと顔を合わせた。両者共にPRIDEで12勝0敗の成績を誇っており、無敗を懸けて対戦した。この試合はPRIDE史上の名勝負の一つとして認知されている。一進一退を繰り返し、両者ともにハイレベルな打撃を見せたこの試合の内容を考えれば、選出は驚きではないだろう。ショーグンが満場一致の判定勝ちを収めたが、中にはノゲイラが勝利にふさわしかったと信じるものもいる。

2005年8月28日 PRIDE ミドル級GP 決勝 ヒカルド・アローナ戦

2005年のPRIDEミドル級トーナメントで大きな2勝を挙げていたショーグン。ミドル級GP決勝の相手はヒカルド・アローナとなった。この対戦は両ファイターにとって4カ月で4戦目となり、燃え尽きが懸念された。しかし、一度開始のベルが鳴れば、ショーグンにとってそれまでの試合は準備運動でしかなかったことが明らかになった。ショーグンは1ラウンド2分54秒でKO勝利し、PRIDEミドル級王者のベルトが授与された。パウンド・フォー・パウンド? 当時ショーグンは間違いなくその候補だった。

2006年2月26日 PRIDE 31 マーク・コールマン戦 結果TKO負け

アローナを倒したショーグンにとって、残された使命は1つ。その伝説を1試合ずつ更新していくことだった。そしてそのいけにえには、マーク・コールマンが指名された。しかしコールマンにテイクダウンを奪われた時、ひじを脱臼してしまい敗れてしまった。そして試合そのものよりも興味深かかったのは、ヴァンダレイ・シウバやフィル・バローニを巻き込んでの試合後の乱戦だろう。そしてショーグンとコールマンの両者はおよそ3年後にUFCで顔を合わせる。そしてその時はショーグンが第3ラウンドでTKO勝利を収めた。

2006年9月10日 PRIDE 無差別級グランプリ 2006 決勝戦 シリル・ディアバテ戦

コールマン戦の負傷からの復帰戦で、ショーグンは長い手足から「ザ・スネーク」の異名を持つシリル・ディアバテと対戦した。ディアバテはショーグンが対戦した中で最も打撃の技術に優れたファイターだったかもしれない。そしてディアバテは試合序盤からその手強さを見せつけた。これに対しショーグンは賢いファイターなら誰もが取る戦法で応じた。ショーグンは自分の得意分野で対抗したのだ。ショーグンにとってそれはグラウンドでの勝負だった。ショーグンはUFCでは禁じられている踏みつけにより勝利した。こうしてショーグンは復活を遂げたのだった。

2006年10月21日 PRIDE 32 ケビン・ランデルマン戦

PRIDE初のアメリカ興業で、ショーグンは全米のファンにインパクトを与えたかった。そしてそのためには、コールマンとはチームメイトである元UFCヘビー級王者ケビン・ランデルマンを倒す必要があった。加えて、クイントン・ジャクソンと同様にランデルマンはショーグンの兄ムリーロ・ニンジャを倒していた。そのことがショーグンをさらにやる気にさせた。「モンスター」の異名を持つランデルマンは試合開始からショーグンに襲い掛かるが、それをやり過ごしたショーグンは関節技をしかけてランデルマンを犠牲者リストに加えた。

2007年9月22日 UFC 76 フォレスト・グリフィン戦

PRIDEの終焉とともにショーグンはUFCに活躍の場を移した。UFCデビュー戦となったフォレスト・グリフィン戦は史上最高級の試合が予想された。しかし、第3ラウンド4分45秒にグリフィンがチョークスリーパーで勝利すると、この対戦はこの年の最大のアップセットの1つとなった。これにより、ショーグンは自身の強さを再び証明するために出直しを強いられた。

2009年4月18日 UFC 97  チャック・リデル戦

2度のひざの手術を経たショーグンは、2009年1月にオクタゴンに復帰し、かつての宿敵コールマンを倒した。ケガ以前の面影はなく、ショーグンは最終ラウンドでようやく宿敵を下した。そしてショーグンが本当の意味で復活したかどうかは、モントリオールでのチャック・リデル戦までその結論を待たねばならなかった。100%の状態に戻ったショーグンはUFC 97にて第1ラウンドでリデルを下した。これはショーグンにとって最も満足のいく勝利だったかもしれない。

2009年9月24日 UFC 104 リョート・マチダ戦

コールマン、リデルを下したショーグンは、新たにチャンピオンに輝いたリョート・マチダとUFC 104で対決した。この試合の前までリョートは無敗で、彼を倒すことは不可能だと思われていた。彼の変則的なスタイルは対戦相手を惑わすようなものだった。しかし、ショーグンは明確なプランを持ってこの対戦に臨んだ。アグレッシブに攻撃し、25分間にわたりリョートを困惑させた。

試合が終了した時、多くの人が新たなチャンピオンの誕生を信じたが、結果は48対47の僅差でリョートがベルトを防衛した。

ショーグンは試合の後、「俺の観点では、最後の3ラウンドは自分が勝っていた。俺に声をかけてくれた人は皆、同じことを言っていたよ。俺が勝っていたとね。でも、だからといって何が出来る? 結果は結果だ。とても残念だ」とコメントした。

2008年5月8日 UFC 113 リョート・マチダ戦

公式発表ではリョート・マチダをノックアウトするのに要した時間は3分35秒と発表される。しかし、ショーグンの浮き沈みの激しいキャリアを思えば、そこに辿りつくまでは果てしない道のりだったと言える。そしてこの勝利は間違いなく彼のキャリアの絶頂となった。ショーグンはマチダの解読不能な独特のスタイルを打ち破り、プロ初黒星をつけた。そして、より重要なのは、この勝利でショーグンが遂にライトヘビー級王者に輝いたことだ。ショーグンは遂にUFCチャンピオンになったのだ。

2011年11月19日 UFC 139 ダン・ヘンダーソン戦

ショーグンの政権は長くは続かなかった。ショーグンは2011年3月のUFC 128でジョン・ジョーンズに敗れ王座を失った。ショーグンは失望したものの、その歩みを止めることはなかった。5カ月後の8月28日にフォレスト・グリフィンを破ると、続く11月19日、元PRIDEファイターでもあるダン・ヘンダーソンとの5ラウンドマッチに臨んだ。この試合の結果だけからでは、史上最高の一戦の一つとも評されたこの試合を推しはかることは到底できない。ベストではないかもしれないが、そのぐらいすごい試合だった。この試合を落としたあと、ショーグンは2012年8月にオクタゴンにカムバックし、ブランドン・ヴェラと対戦した。そしてこの時、ショーグンは第4ラウンドTKOでの勝利を手にした。そして12月8日、ショーグンはグスタフソンと対決する。この対決はエキサイティングなものになるに違いない。

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