フランクリンvsリー:青写真

マイケル・ディサントがUFC MACAOのメインカードを展望する

Franklin vs. Le36戦のキャリアを誇る元王者とわずか10戦のキャリアしかもたない選手が戦うとき、人々は生贄の羊が猛獣の前に差し出されたか、もしくは新鋭が衰えつつあるベテランに引導を渡すためにマッチアップが組まれたと考えるだろう。

しかし、この11月10日に開催されるUFC MACAOのメインイベントに関して、それは当てはまらない。リッチ・フランクリンは確かに元王者だが、峠を越えたわけでも、スケジュールを埋めるためのかませ犬が必要なわけでもない。そしてカン・リーは対戦相手と比べて3分の1以下のキャリアしかない事実を差し引いても、簡単な相手ではない。

フランクリンの調子は上々で、最後のミドル級王座挑戦に向けてギアを上げているところだ。6月にはヴァンダレイ・シウバを倒しており、それは戦術的に特筆すべき内容であった。その試合内容をスタンドではシウバより危険だと思われるリーを相手にも再現したいところだ。

一方のリーは経験の浅い選手のなかでは、最も危険なファイターだと言える。MMA参戦以前は、キックボクシングで17勝0敗、散打で16勝0敗と、立ち技で無敗を誇る。

二人は高齢で、フランクリンは38歳、リーは40歳になった。どちらもキャリア終盤に差し掛かっているのは明らかで、負ければ現役続行に黄信号、勝てば最後のタイトル挑戦に近づく。

元チャンプのフランクリンは、才能に恵まれたストライカーであり、時折すばらしいテクニックをみせてくれる。ただし、相手は20年以上にわたって立ち技で無敗を誇るスペシャリストだ。リーの方が爆発力とテクニックがある上、キックは格闘技界随一の破壊力を誇る。

それはつまり、フランクリンはスタンディングの時の距離感に気を付けるべきだということを意味する。身長とリーチで上回るため、リーの射程距離に入らずとも、有効打を繰り出すことは十分に可能だ。もしリーが距離を詰めてきたら、クリンチに逃げるべきだ。リーはクリンチが得意でない。一方でフランクリンは密着した状態から高い技術を誇っている。ひざ蹴りを入れるか、ケージに叩きつけることで、試合を泥試合に持ち込むことも可能だ。

リーはアマチュアのレスラーで、一方のフランクリンにレスリングの技術はないものの、テイクダウンを奪うことは十分に可能だろう。そしてグラウンドでは明らかにフランクリンに分がある。リーは柔術は持ち合わせていない。グラウンドの攻防が長引けば、フランクリンがサブミッションで試合を制するだろう。

一方のリーは、積極的に攻め、インファイトに持ち込む必要がある。もちろん、クリンチを避けるだけの距離は必要だ。フランクリンの打撃に対しカウンターで合わせるというオプションもあるが、フランクリンは危険極まりない左のハイキックも隠し持っているので、警戒が必要だ。

リーが勝つには、フランクリンをノックアウトするしかない。フランクリンをポイントで上回ることは考えにくい。“エース”はよりオールラウンドなファイターだ。ただ、リーは立ち技界の殺し屋だ。プロ8勝のうち7勝がノックアウトで記録したものだ。さらにフランクリンは一発のある相手に弱いときている。キャリアの敗戦のうち半分以上がノックアウト負けなのだ。

さて、どちらが勝つだろう? フランクリンが有力候補だ。好不調に関わらず、多彩な技を誇るため、勝利へのルートをいくつも持っている。しかしリーには試合をひっくり返す一発がある。観戦する人にとってはまたとないカードだ。

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