ネルソンズ、全勝。 ビッグ・カントリー、チーム・ネルソンがフィナーレを圧倒

TUF 16 フィナーレの結果は以下の通り…。
ハードロック・カジノ&ホテル内のジョイントで開催されたTUF 16フィナーレは近年まれに見る衝撃的な決着が連続する大会となった。ジェイミー・ヴァーナーメルヴィン・ギラードのライト級の一戦はヴァーナーの体調不良によりキャンセルされたものの、残りの前11試合のうち5つの階級でKO決着が見られ、さらに9試合がフィニッシュによる決着と言う、キャンセルされた試合を補って余りある熱闘が繰り広げられた。

ロイ・ネルソン vs. マット・ミトリオーン

さまざまな物議をかもした今シーズンのジ・アルティメット・ファイターだったが、最後に笑うのはロイ・ネルソンだった。ロイのチームのメンバーはシーズン・フィナーレを制し、そしてロイ自身もメインイベントでマット・ミトリオーンに秒殺KO勝利を収めたのだ。

シェーン・カーウィンの代打を努める形で約1年ぶりのオクタゴンに急遽登場したミトリオーン、序盤はローキックを相手に叩き込み、巧みな攻防を見せていた。しかしネルソンはミトリオーンに突進し、相手を金網に釘付けにした。

中央に戻ったミトリオーンは間合いを取ってネルソンのコンビネーションにストレートでのカウンターを数度命中させた。しかしパワーに絶対の自信を持つネルソンが強引に距離をつめるて左、右、そして左と命中させるとミトリオーンをぐらつき、マットに倒れこんだ。ネルソンが弧を描く強烈なパウンドで追い討ちをかけるとミトリオーンはなす術なく腹ばいになり、レフリーが1ラウンド2分58秒に試合のストップを宣告した。

TUF 16を締めくくったこのノックアウトでネルソンの1ラウンドKOは6つ目となり、戦績を19勝7敗と伸ばした。初めてのKO負けを喫したミトリオーンは戦績を5勝2敗と落とした。

コルトン・スミス vs. マイク・リッチー

TUF 16のトーナメントでは唯一のKOを見せるなど、順風満帆な歩みを見せていたチーム・カーウィンのマイク・リッチーだったが、チーム・ネルソンのコルトン・スミスの徹底的なレスリングには為す術がなかった。カナダ人スミスは3ラウンドを通じてリッチーを寄せ付けず、最もあたらしいアルティメット・ファイターの座を獲得した。

スミスが即座にテイクダウンに飛び込むと、リッチーはスミスの即頭部にヒジを連打。この一連のヒジ打ちが15分間を通じてもっとも激しい打撃の攻防であったと言えるかもしれない。スミスはそこから1ラウンドを完全にコントロール。リッチーを金網に押し付け、何もマットに投げつけるとかなりの時間を費やしリアネイキッド・チョークを狙い続けた。

2ラウンドに入り両者が互いにキックを交換する展開からリッチーはローブローを被弾し体を“く”の字に曲げた。しかしレフリーのスティーヴ・マザガッティがブレークを命じなかったため、スミスは攻撃を続行、リッチーもこれを強烈なフックで迎え撃ち相手の喉を打ち抜いた。リッチーはレフリーがブレイクを命じるべきでは?とレフリーに目をやったものの、奇妙な時間が経過したのち、再びコルトン・スミスのレスリングが試合を支配し始めた。そこから残り時間全体でスミスはスタンドでもグラウンドでもリッチーのバックを奪い、執拗にリアネイキッド・チョークを狙い続けたが極めることはできなかった。

残り時間1分、リッチーは死力を振り絞り上下を入れ替えるとスミスのバックを奪い、リアネイキッド・チョークからアームバーとフィニッシュを狙ったものの、両者はすでに汗で滑りやすく、最後の逆転のサブミッションが決まることはなかった。

ジャッジは30-27、30-27、そして30-26で米軍軍曹のコルトン・スミスを勝者として支持し、スミスは戦績を6勝1敗と伸ばした。トライスターでトレーニングをつむ、通常は155ポンドで試合をしているリッチーの戦績は8勝3敗となった。

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パット・ベイリー vs. シェーン・デル・ロザリオ

ザ・ジョイントで行われた2つのヘビー級の激闘の最初の試合には打撃で知られるパット・ベイリーとシェーン・デル・ロザリオが登場。両者は試合の序盤はグラウンドの展開を繰り広げファンを驚かせたものの、その後必然的とも思われるKO決着が生み出された。

第1ラウンドはおなじみのデル・ロザリオのミドルキックとベイリーのローキックが飛び交う展開となった。両者が組み合うと、デル・ロザリオはベイリーのわき腹と太ももに膝を繰り出し、残り時間の大半を両者が攻防を繰り広げることになった金網際まで押し込んだ。そこではデル・ロザリオが5インチの身長差とリーチ差、そして巧みなレスリングを駆使してベイリーをコントロールするとテイクダウンに成功。背後からリアネイキッド・チョーク、そして何度かアームバーに捉えてベイリーを脅かした。タフなベイリーはほんの少々ディフェンスをするとラウンド終了時にはトップ・ポジションを取り返していた。

しかし第2ラウンドに入るとベイリーは、まさにファンが楽しみにしていたもの、そして何故彼が“Hype or Die(盛り上げられないなら死んだ方がマシ!)”と呼ばれているのか、その理由をまざまざと見せ付けた。オーバーハンドの一撃でデル・ロザリオを硬直させ、そのダメージを見て取ったベイリーはパンチを連打しながら相手に突進し、デル・ロザリオを殴り倒した。ベイリーの8勝(5敗)目は2ラウンド26秒に訪れ、デル・ロザリオは13戦のうちわずか2敗目を喫することになった。

感情的なベイリーの試合後インタビューはこちら

ダスティン・ポワリエ vs. ジョナサン・ブルッキンス

フェザー級のダスティン・ポワリエとジョナサン・ブルッキンスはメインカードのオープナーでとんでもなく獰猛な乱打戦を展開しザ・ジョイントに詰め掛けたファンを総立ちにさせ、そして彼ら自身もファイターとしての名声を一層高いものとした。

すでにレスリングで実績を残しているTUF 12優勝者のブルッキンスは打撃の攻防の向上を見せ、1ラウンドの序盤にポワリエに強打を叩き込み距離をつめると、この試合全体を通じて非常に高い精度で命中し続けた下から突き上げるようなフックを多用してポワリエを追いかけた。両者が互いに打ち合いに転じると、共に相手の正面で足を止めてヘビー級の喧嘩屋同士のような乱打戦を展開した。最初のテイクダウンに飛び込んだのはポワリエだったが金網際で動きが止まり攻防をリセットすることを余儀なくされた。

中央に戻るとポワリエは6フィートの身長の相手に対し、ついに距離をつめることに成功した。強烈な右の一撃がブルッキンスを後退させ、そこに左の強打が追い討ちをかけた。距離をつかんだポワリエは素晴らしい精度でその打撃をブルッキンスのアゴに命中させ続けた。序盤とは打って変わった展開となり、ポワリエは前へと打撃の圧力を強め、ブルッキンスをオクタゴン際へと追い込んだ。至近距離からのヒジがブルッキンスをぐらつかせると、ブルッキンスはほとんど本能的にテイクダウンに飛びこんだ。そこをポワリエはすかさずアナコンダ・チョークに捕らえるとグラウンドに引きずり込み、1ラウンド4分15秒、ブルッキンスからタップを奪った。

この勝利でポワリエは5月に“コリアン・ゾンビ”ことジョン・チャンソンに喫したUFCでの唯一の敗北から復活し、戦績を13勝2敗と伸ばした。ブルッキンスは14勝6敗となった。試合後のインタビューでポワリエは、この勝利が5月の-アナコンダ・チョークによる-敗北を清算するだけでなく、挑戦しながらも出演がかなわなかった、そしてジョナサン・ブルッキンスが優勝したTUF 12に対する自身の思いを清算するものであることを明らかにした。

ポワリエの試合後インタビューはこちら

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