ノゲイラの教訓: 柔術は機能する - UFC 153、メインカード結果

UFC 153、メインカードの結果は以下の通り…。
UFC 153で行われたコメイン・イベントでのアントニオ・“ミノタウロ”・ノゲイラとの一戦に先立ち、ヘビー級のデイヴ・ハーマンはノゲイラに対して「柔術は使えない」と言ってのけた。しかし2ラウンドにノゲイラがデイヴ・ハーマンをアームバーで極め切り、ブラジル、リオデジャネイロのHSBCアリーナに詰め掛けたファンを熱狂させたところを見ると、やはりノゲイラにとって柔術は機能したようだ。

36歳のノゲイラ(34勝7敗1分け1ノーコンテスト)は試合が開始されると相手のヒザ蹴りを受け止めながらも突進し、試合をグラウンドでの攻防に持ち込もうとする決意を見せた。しかし両者が攻防をスタンドに戻すまで、その流れをコントロールしていたのはハーマン(21勝5敗)だった。ノゲイラの左のショートはハーマンの警戒を誘ったものの、ハーマンはノゲイラのボディへミドルを叩き込んで応戦した。90秒が経過した頃、ノゲイラは相手の蹴り足をつかむと金網に突進し、そこで距離を取り合った両者は鋭いパンチを応酬した。すぐに右の距離感をつかんだノゲイラだったが、ハーマンは落ち着いて元PRIDE王者にしてUFC王者の攻撃をしのぎ続けた。

2ラウンドが開始され、30秒が経過した頃にノゲイラの左がハーマンをダウンさせると試合の流れは急変した。ノゲイラはすかさずマウントを奪いまずはハーマンの左腕に狙いを定めたが、相手のバックを奪うために左腕狙いを一度は諦め、そしてそこからアームバーに切り替えた。しかしハーマンはこれをたくみに防御し、スタンドに攻防を戻すことに成功した。ハーマンが投げを繰り出し、ひとたびマットにもつれた両者だったが、ここはお互いにすぐに立ち上がった。短時間のパンチの打ち合いからノゲイラがテイクダウンを成功させ、ふたたびアームバーを敢行、今回はそれががっちりと決まり2ラウンド4分31秒にハーマンはタップを余儀なくされた。

グローバー・テイシェイラ VS. ファビオ・マルドナード

同郷のファビオ・マルドナードを2ラウンドにわたり圧倒し勝利を得たその様子を見る限り、グローバー・テイシェイラのハイプ・トレインの速度が落ちることは当分の間なさそうだ。しかしこのライトヘビー級の一戦に関して人々の印象にもっとも残るであろうことは10分間にわたる圧倒的なダメージを受けながらも決して試合を諦めなかったマルドナードの勇気だろう。

「この男は人間とは思えない」対戦相手をたたえてテイシェイラはそう語った。

1ラウンドはこれまで誰も目にしたことの無いほどの一方的な展開だった。テイシェイラ(19勝2敗)は開始後すぐに左フックでマルドナードをぐらつかせた。追い討ちの右に崩れ落ちたマルドナードに襲い掛かったのは肩固めを交えた4分間のグラウンド&パウンドの嵐だった。残り時間1分少々で血まみれになりふらふらのマルドナードがとうとう立ち上がったとき、レフリーのマリオ・ヤマサキが試合をストップさせたとしても誰もが納得しただろう。驚くべきことに、マルドナードは左フックでテイシェイラを捉えるとぐらつかせ、ラウンド終了間際のテイシェイラはテイクダウンでこの窮地をしのがざるを得なかった。

2ラウンドに入るとテイシェイラは相手に一切のチャンスを与えないために、即座にマルドナードをマットに寝かせた。マルドナード(18勝6敗)は立ち上がり、再びテイクダウンされるまでに数発のジャブを相手に叩き込んだ。テイシェイラのグラウンド&パウンドが再開されたが、1ラウンドほどの強烈さはそこには無かった。残り時間が1分の時点で両者を立ち上がらせたレフリーのヤマサキはマルドナードの状態をチェックするためにオクタゴンにリングドクターを呼び入れた。試合が再開され、テイシェイラがマルドナードを捉え続け、このラウンドが終了したときにドクターにより試合がストップされると言う賢明な仲裁が下された。

テイシェイラの試合後インタビューはこちら

エリック・シウバ VS. ジョン・フィッチ

長らくコンテンダーとして活躍するジョン・フィッチが印象に残る素晴らしいパフォーマンスで期待の超新星、エリック・シウバを3ラウンド、ユナニマス判定で下し、老犬が若獅子に貴重な教訓を与えた。

「今夜の俺は誰とやってもボコボコにしていたぜ」ウェルター級のタイトルにも挑戦したフィッチは語った。

ジャッジの判定は30-27、29-28、そして29-28でフィッチ。フィッチはこれで27勝4敗1分け1ノーコンテスト、シウバは14勝3敗1ノーコンテストとなった。

シウバの最初の打撃での仕掛けでその蹴り足をつかんだフィッチはブラジリアン・ファイターをマットに倒し早速有利に試合を展開させた。シウバは立ち上がろうとするものの、しつこく食い下がるフィッチは背後から両足をフックさせるチャンスをうかがいながら右のパンチを振り続けた。ラウンド中盤に差し掛かり、フィッチがスタンディング肩固めを狙ったところでシウバがそれを振りほどき、フロントキック、そして強烈な右をフィッチに叩き込んだ。至近距離から組み合った両者は互いに打撃を繰り出したが、この攻防はフィッチがシウバを金網に押し付けて制し、ラウンド終了のベルが鳴る直前には再び相手をマットに倒すことに成功した。

2ラウンドが始まると見事なアッパーカットでシウバのアゴを捉えたフィッチだったが、170ポンドの有望株は意表をつく足払いでフィッチをマットに転がし、鉄槌を振り下ろして攻防の流れを掴みに掛かった。しかしフィッチは豊富な経験を生かしてこのピンチを生き延びると残り時間3分25秒で脱出に成功、シウバを金網に押し込んだ。ところがフィッチの放った首投げがすっぽ抜け、即座にその背後を奪ったシウバはフィッチの首にリア・ネイキッド・チョークを食い込ませた。何度か際どいシーンが見られたもののフィッチはそこから脱出すると、このラウンド終了間際に相手をアームバーで脅かし試合の流れを再びひっくり返して見せたが、シウバがこれをエスケープしたところで第2ラウンドが終了した。

フィッチの素早いテイクダウンで3ラウンドの幕が開けた。疲労の色を隠せないシウバのバックを奪ったフィッチが右のパンチをふるい落とした。しかし90秒が経過すると、息を吹き返したシウバは体勢を入れ替えフィッチをギロチンに捉えた。この最後のピンチも首を引き抜き危険を脱したフィッチはすぐに試合の支配権を取り戻し、再びシウバをマットに押し倒した。フィッチが両手でパウンドを繰り出し続ける中、シウバはそれをこらえ続けたものの、試合終了のベルによって救い出されるまで為す術がなかった。

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フィル・デイビス VS. ヴァグネル・プラド

8月にフィル・デイビスとヴァグネル・プラドが対戦した際は、不可抗力のサミングによりプラドが試合続行不可能になったため、ノーコンテストと言う結末だった。しかしこの2度目の両者の対戦では、デイビスがプラドをグラウンドで圧倒、2ラウンドにサブミッションでタップを奪いその戦いにはっきりとした終止符を打った。

試合時間2分が経過したころにデイビス(10勝1敗1ノーコンテスト)がプラドをテイクダウンし金網に押し付けるまで両者の間には特筆するような攻防は見られなかった。プラドは攻防をスタンドに戻すために絶え間なく動き続けたが、デイビスは相手をしっかりと抑え込みつづけた。残り時間90秒、プラドは立ち上がったものの即座に両足タックルでマットに倒され、デイビスの威力のある2発の右のパウンドを被弾した。ラウンド終盤に再びプラドは立ち上がったものの、大方の予想通り再びグラウンドに倒された状態でこのラウンドの終了を迎えることになった。

2ラウンドに入ってもテイクダウン祭りが終わることは無く、プラド(8勝1敗1ノーコンテスト)はNCAAディビジョン1のナショナル王者のその手腕に対抗することが出来なかった。ラウンド終盤にデイビスの肩固めを脱出したプラドをアナコンダ・チョークが襲い、万策尽きたプラドは4分29秒にタップを余儀なくされた。

デイビスの試合後インタビューはこちら

デミアン・マイア VS. リック・ストーリー

最後にブラジルで試合をしたのは実に6年も前になるというサンパウロ出身のデミアン・マイアは世界に名を馳せるUFCのコンテンダーの一員となった。今夜、マイアは1ラウンドにリック・ストーリーからタップを奪い、2009年以来久しく見られなかったサブミッション・ビクトリーを母国のファンにプレゼントした。

勢い良く飛び出してきた米国のストーリーにうまく合わせて相手を捕まえたマイアは試合をグラウンドでの攻防に持ち込んだ。ストーリーは立ち上がるものの、ブラジリアン・ファイターはストーリーが体を起こすたびにプレッシャーをかけて相手を寝技に引きずり込んだ。とうとうブラジリアン柔術の魔術師はストーリーのバックを奪うとリア・ネイキッド・チョークからネック・クランクに切り替え1ラウンド2分30秒でストーリーをタップに追い込んだ。

この勝利でマイアは戦績を17勝4敗、ウェルター級戦績を2勝0敗と伸ばし、ストーリーは14勝6敗となった。

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