ギルバートとディエゴが会場を揺るがす:UFC 166 メインカード結果

UFC 166 メインカードの結果を見てみよう。
UFC166のメインカードにおいて、四人の人気者が真価を発揮した。この日、ダニエル・コーミエが相変わらず強さを見せつけ、ジョン・ドッドソンとガブリエル・ゴンザガが見事な1RKO勝ちを飾った。しかしこの日ホンダセンターにおいて話題を独占したのは、ギルバート・メレンデスとディエゴ・サンチェスという、二人のライト級戦士による今世紀最高とも言える戦いであった。

ギルバート・メレンデス vs. ディエゴ・サンチェス
年齢、背、体重、リーチ、その激しさ、長いキャリアと共通点を多く持ったメレンデスとサンチェスの試合は、事前から今大会のファイト・オブ・ザ・ナイトとされていた。そして二人は期待を裏切らなかった。両者は15分間にわたって大打撃戦を展開し、それは解説のジョー・ローガンをして、今まで観た中で最高の試合と言わしめるほどのものだった。判定3-0で勝利したのはメレンデスであったものの、サンチェスも事前の不利の予想を覆す試合ぶりだった。

試合開始と同時に前に出たサンチェスは、メレンデスの蹴りをキャッチするとテイクダウン。そのままバックに回ってボディロックを完成させてチョークを狙うも、メレンデスはエスケープ。逆にボディ打ちで反撃した。序盤は、メレンデスがテクニカルなボクシング技術で、恐れを知らぬサンチェスの突進戦法を翻弄する展開が続く。サンチェスのテイクダウン狙いを鉄槌の連打で迎撃し、カウンターのパンチ、強烈な膝を当ててゆくメレンデス。さらに痛烈な右でサンチェスの額を切り裂いてみせた。しかしサンチェスはその真骨頂を発揮し、決して突進をやめようとしない。ラウンド終盤、両者は足を止めての激しい打ち合いを展開!何発も顔面にパンチをもらったサンチェスだが、レフェリーにブレイクされるまで決して前進をやめなかった。ラウンド終了のベルの音は、観衆の大歓声にかき消された。

2ラウンド、テイクダウン狙いこそ諦めたサンチェスだが、相変わらず振り回しながら突進し、メレンデスにカウンターのフックや膝を何発ももらうこととなる。大きく額を切ったサンチェスはドクターの診察を受けるが、試合は再開。その後もメレンデスは猛攻の手を緩めず、サンチェスのボディに強烈なコンビネーションパンチを叩き込み、さらに強烈なパンチでサンチェスをマットに這わせた! それでもひるまないサンチェスはラウンド後半テイクダウンを奪って見せたものの、メレンデスは容易く振りほどいてさらに容赦なくパンチを当てていった。

最終ラウンド、サンチェスは低い姿勢を取るも、メレンデスがハイキックを放つともとの体勢に。またしても二人は、まるで映画のような凄まじい打ち合いを展開! 場内は耳をつんざくばかりの大声援に包まれた。大流血に追い込まれながらも、決して突進してパンチを振り回すことをやめないサンチェスだったが、そのあまり出血のため二度目のDr.チェックが入る。大観衆の「ディエゴ」チャントの中、やがて試合は再開。メレンデスは力の限りサンチェスを殴りつけたが、鉄の意志を持つサンチェスは鬼の形相で立ち続けては突進を繰り返す。そして残り2分の時点で、パンチを受けながらも飛び込んだサンチェスのアッパーカットがヒット! 崩れたメレンデスに襲いかかったサンチェスはチョークを狙うが、両者の体が血と汗に、まみれて滑り易くなっている中、メレンデスに振りほどかれてしまった。残り1分、大観衆総立ちの中打ち合う両者。やがてメレンデスはバックから足をサンチェスのボディにロックするが、サンチェスはそれを振りほどく。そして残り数秒、両者が足を止めまた一度凄まじい打ち合いを展開する中、試合は終了した。

試合後ジョー・ローガンのインタビューを受けたサンチェスが、5ラウンドでの再戦を要求すると、大観衆はまたしても咆哮。「僕の中では、僕ら二人は世界で最もタフな二人のライト級ファイターだ。ギルには敬服するよ」とサンチェスは語った。

この試合の判定は二者が29-28、一者が30-27。 元ストライクフォース王者のメレンデスはこれで22勝3敗となった。「戦争だったよ。ディエゴと戦うのだからこうなると思っていた。ヤツは決して倒れなかったよ」とメレンデスは語った。敗れたサンチェスはこれで26勝6敗となったが、ファンを失うことはなかった。この試合をみたデイナ・ホワイト社長は、わざわざプレス席に移動してサンチェスを絶賛した。

ダニエル・コーミエ vs. ロイ・ネルソン
ヘビー級戦士のコーミエが、KOアーティストのロイ・ネルソンをテイクダウンで疲弊させ、さらに打撃でも圧倒して3-0(三者30-27)の判定勝利をあげて、無敗を守った。

ネルソンは249パウンド、コーミエは224パウンドと、いずれも前試合に比べてウェイトを落としてきた両者。様子見からコーミエはシングルレッグに。抵抗したネルソンだが、オリンピックレスラーのテイクダウンは防げず。さらにこのラウンド数回のテイクダウンを成功させたコーミエは、ネルソンの顔面やボディに膝も当て、さらに急所にまで当ててしまいブレイクを命じられた。ネルソンも必殺の右のオーバーハンドを振り回すが、コーミエは冷静にカウンターを見舞っていった。

2ラウンド、ネルソンはローやジャブからコンビネーションを当てようとするが、コーミエはボディワークで当てさせない。やがてコーミエはフェンス際で膝やオーバーハンドを当て、さらにテイクダウンをきめてみせた。しかしネルソンもその巨体を利して立ち上がる。スタミナが切れて来たネルソンに対し、さらにオーバーハンドを当てるコーミエ。ネルソンが挑発するとコーミエはハイキックを打っていく。当たることはなかったが、これによりネルソンはコーミエとの距離を詰めることができなかった。

3ラウンドも同様の展開が続く。巨体に似合わない運動能力で蹴りのコンビネーションを当てるコーミエ。さらに痛烈なパンチを当ててからネルソンをテイクダウン。残り一分となったところでネルソンはアッパーで突進するが、コーミエはうまく間合いを詰めて当てさせず。勝利を得ると、メインにおいてチームメイトのヴェラスケスのセコンドにつくために、早々と控え室に戻っていった。

次回はライトヘビー級で戦うと宣言したコーミエは、これで13戦全勝。対するネルソンは20勝9敗となった。

ガブリエル・ゴンザガ vs. ショーン・ジョーダン
前試合、フライ級戦士による1RKOに負けじと、ヘビー級のガブリエル・ゴンザガはさらに早い1分33秒という時間で、元LSUフルバックのショーン・ジョーダンを仕留めてみせた。

試合開始後、はやくもお互い打ちにいった両者。ローを当てたゴンザガ。対してジョーダンが右、左を出しながら前に出ると、ゴンザガは完璧なタイミングの右をヒット! 崩れ落ちたジョーダンに鉄槌を浴びせて勝負を決めた。

「ジムでの練習が大いに役に立ったよ。過去に犯したミステイクを修正できたんだ。以前の僕は勝ち負けをいつも気にしていたけど、今はただ戦うことに集中できている。これが大事なことさ」とゴンザガは言った。

ゴンザガはこれで16勝7敗に。ここニ試合で相手を仕留めるのに要した試合時間は僅か2分に満たない。またこの試合でゴンザガは、フランク・ミアと並んでヘビー級における最多KO一本勝ち(11)の持ち主となった。敗れたジョーダンは15勝5敗に。

ゴンザガの試合後インタビューはこちら

ジョン・ドッドソン vs. ダレル・モンタギュー
フライ級コンテンダーのザ・マジシャンことジョン・ドッソンが、これがUFC デビュー戦となるダレル・モンタギューを1RでKO。ショーマンに相応しい勝ち方でPPV中継のオープニングを飾った。

試合開始後、フェイントを交えながら打ち合う両者。リーチで劣るドッドソンは、距離を掴もうとする。それを掴みはじめたドッドソンは右を当て、さらに電光石火の左をヒット! 崩れたモンタギューをスープレックスで叩き付けたドッドソンは、さらに肘やアッパーで追撃。片足タックルでしがみついてなんとか凌いだモンタギューは、やがて立ち上がってストレートを放ってみせた。しかし再びドッドソンの目にも止まらぬ左フックがヒットすると、打たれたことすら気づかなかったモンタギューは、ふらついてから顔面から崩れ落ちた! 4分13秒のできごとだった。

勝利を喜ぶドッドソンは、オクタゴンのフェンスを蹴ってのバク宙を繰り返し、最後はすべって後ろ向きに落下した。さらに捻りを加えた宙返りをするも失敗し、自ら大笑いしてのけた。

王者デミトリアス・ジョンソンと5Rの激闘を終えた後、フライ級2位にランクされていたドッドソンは、今回復帰戦を飾り戦績を16勝6敗とした。敗れたモンタギューは13勝3敗に。他の二つの敗戦はUFCヴェテランのロビー・ペラルタとイアン・マッコールの手によるものだ。

ドッドソンの試合後インタビューはこちら

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