総合格闘技(MMA)はフルコンタクトのコンバットスポーツで、他のコンバットスポーツの競技で使われる幅広いファイトテクニックやスキルを使用することが認められている。スタンディングおよびグラウンドでの、打撃とグラップリングの両テクニックを用いることがルールで許容されている。さまざまに規律の異なる格闘技のアスリートたちが、統一されたルールの下で競技することが可能だ。
ファイティングスタイル
ボクシング
拳で戦うスキル。通常はパッドを装着した革製のグローブを使用する。“スイート・サイエンス(巧みな科学)”と呼ばれることがあり、ボクサーたちは精巧な足の動きや素早いジャブを用いて攻撃する。
ブラジリアン柔術
1920年代半ば、カーロス・グレイシーがブラジル・リオデジャネイロでグレイシー柔術アカデミーを開いた。グレイシーは、柔道の名人である日本の前田光世から学んだスキルを指導。このスキルは自分より大きい相手に対し、より少ない力でより大きな効果を発揮するよう、改良されていく。その使い手たちが禁じ手なしの試合で成功を収めたため、ブラジリアン柔術の評判は広まっていった。
柔術
日本の古武道。投げ、関節技、打撃、武器を使った攻撃などを鍛錬する。
柔道
嘉納治五郎が柔術を元に1882年に創始した日本の格闘競技。現在は投げ技を重視するオリンピック競技となっており、打撃は禁じられている。
空手
多くの流派がある日本の、また、特に沖縄の武道を指す名称。パワフルで直線的な技術で知られる一方、多くの流派ではよりソフトで円形なテクニックも用いられる。よく知られている流派としては極真館、松濤(しょうとう)館、剛柔流、少林流、そして、“アメリカナイズド”された最初の流派であるケンポーがある。
キックボクシング
ボクシングのパンチと格闘技のキックを組み合わせた格闘競技。ムエタイ、フルコンタクト空手、K-1など、さまざまなスタイルとルールが存在する。
カンフー(功夫)
クンフーとしても知られる、中国拳法および武術(ウーシュー)。数百もの流派がある。多くは動物の動きをモチーフとする。よく知られている流派には詠春拳(えいしゅんけん/Wing Chun)、蟷螂拳(とうろうけん/Praying Mantis)、八卦掌(はっけしょう/Pau Kua)、太極拳(たいきょくけん/Tai-Chi-Ch’uan)、シュアイジャオ(Shuai Chiao)などがある
テコンドー
世界で最も多くの人々が練習しているマーシャルアーツの一つであるテコンドーは、派手な足技で知られる韓国式の格闘技。
レスリング
世界最古の格闘技として知られ、打撃を用いず、素手で投げやテイクダウンを試みながら戦う。レスリングのスタイルには、フリースタイルやグレコローマン、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンなどがある。
勝利の方法
サブミッション(SUB)
数十を数えるサブミッションメソッドを受けての、動作、もしくは口頭によるタップアウト。
ノックアウト(KO)
打撃や衝撃によって、アスリートが意識を失う状態。
テクニカルノックアウト(TKO)
打撃や衝撃によって、レフェリーが競技を止める。
判定(U-Dec、S-Dec)
サブミッションやKO、TKOで試合が終わらなかった場合、ジャッジがスコアカードを提示して最終的な判定を下す。
用語
ユナニマス
ジャッジ全員が同じアスリートをウイナーに選ぶ。
スプリット
1人のジャッジがあるアスリートを選び、他の2人のジャッジが別のアスリートを選ぶ。
マジョリティ
2人のジャッジが同じアスリートを選び、最後のジャッジが引き分けと判断。.
ドロー(引き分け)
ユナニマス、マジョリティ、もしくはスプリットのいずれかの判定で引き分けになる状態。
階級
MMAでの競技は体重による階級別で行われる。
男子
フライ級:125パウンド(約56.7kg)
バンタム級:135パウンド(約61.3kg)
フェザー級:145パウンド(約65.77kg)
ライト級:155パウンド(約70.30kg)
ウェルター級:170パウンド(約77.1kg)
ミドル級:185パウンド(約83.9kg)
ライトヘビー級:205パウンド(約93kg)
ヘビー級:265パウンド(約120.2kg)
女子
ストロー級:115パウンド(約52.2kg)
フライ級:125パウンド(約56.7kg)
バンタム級:135パウンド(約61.3kg)
フェザー級:145パウンド(約65.77kg)