今年これまでのところの大きな流れの一つが、かつてはフレッシュな才能を見つけることが難しかったライトヘビー級とヘビー級への新規参戦者の流入だ。昨年9月にデビュー戦で成功を収めたためにその流れからやや外れているものの、カナダの元オリンピック選手だったアルジャン・シン・ブラーを決して見過ごしてはならない。
UFC 215でルイス・エンリケをユナニマス判定で下したブラーは、その一戦をもって無敗の記録をキープしていくための道筋を見いだした。世界級のレスリングをバックグラウンドに持ち、アメリカン・キックボクシング・アカデミーともつながりを持つブラーは、急速にストライキングを上達させつつあるグラップラーだ。最高レベルのスポーツで戦う際にはしばしば大きなプレッシャーがかかるものだが、第一線の国際大会を経験してきたブラーはいかなる重圧にも負けない精神を擁している。
2度目のオクタゴン登場でブラーの相手を務めるのは、ブラーと同様にUFC初戦でユナニマス判定による勝利を収めたアダム・ウィチョレク。ブラーにとってはタフな一戦になるが、勝てばその名はヘビー級における注目すべき名として観衆の記憶に刻まれることだろう。