日本時間6月11日(日)、オクタゴンが再びニュージーランド・オークランドに上陸する。合計12試合が予定されているUFCファイトナイトのメインイベントを飾るのはヘビー級を代表するKOアーティスト、デリック・ルイスとマーク・ハントの一戦だ。
ベクター・アリーナで開催される今大会にはダニエル・ケリー、ダニエル・フッカー、ベン・グエンといった経験豊富なファイターに加え、まだファンに馴染みの薄い若手実力派も顔を揃える。オークランドのオクタゴンに上がる注目株3人を紹介する。
アレックス・ボルカノフスキー
地元オーストラリアで10連勝を達成したボルカノフスキーは2016年11月にメルボルンで開催されたUFCファイトナイトでオクタゴンデビューのチャンスに恵まれ、粕谷優介を相手に初戦に挑んだ。地元の利もありつつ、2ラウンドで粕谷をノックアウトしたボルカノフスキーは圧巻のUFCデビューを飾るとともに、連勝記録を11に伸ばしている。
その後、2戦目は今年2月に行われたUFCファイトナイト・ハリファックスが予定されていたものの、対戦相手のケガにより試合は取り消しに。今大会でようやくUFC2戦目の出場権が与えられた。
ボルカノフスキーと拳を合わせるのは日本人ベテランファイターの廣田瑞人だ。廣田は昨年12月に実力派コール・ミラーを撃破したほか、プロキャリアを通して多くの強敵を打ち負かしており、ボルカノフスキーにとって過去最大のチャレンジになることは間違いない。ボルカノフスキーと廣田の一戦はメインカード1試合目に予定されている。
ルーク・ジュモー
総合格闘技の世界最高峰であるUFCの舞台に立つための確実な道というのはないが、それでも、着実に連勝記録を伸ばすと同時に、UFC出場経験のあるファイターを撃破すればオクタゴンに続く扉が開く可能性は高い。まさに、その方法でUFCとの契約を勝ち取ったのがジュモーだ。
自動車修理の板金工として働く29歳のジュモーは今年1月、ジ・アルティメット・ファイター(TUF)カナダ&オーストラリアに出場した経歴を持つヴィック・グルジックと対戦し、2ラウンドでノックアウトを奪ってUFCファイトナイト・オークランドへの切符を手に入れた。ジュモーは4年前に現UFCファイターのリー・ジンリャンとジェイク・マシューズに連敗して以来は黒星がなく、現在は6試合連続でフィニッシュを決めている。
今回の対戦相手となるドミニク・スティールはUFCで4試合に出場し、打たれ強さとアグレシッブさを兼ね備えたファイターとして定評を得てきた。“ザ・ジェダイ”ことジュモーとしては、スティールに快勝してファンに自身の実力と存在感を存分にアピールしたいところだ。
ジョン・チャンミ
ナディア・カセムの負傷欠場により、急きょ、TUF経験者でありInvicta FCのベテラン選手であるJ.J.アルドリッチとの試合に挑むことになったのが19歳のジョンだ。
韓国出身のジョンは2015年にプロデビューし、現在まで無敗記録を保持している。直近5試合のうち4試合をフィニッシュで終えており、昨年9月にはベテラン日本人ファイターの薮下めぐみと対戦して白星を挙げた。
現時点でUFC最年少ファイターであるジョンがアルドリッチを下せば、ビトー・ベウフォートとセージ・ノースカットに並び、“UFCで勝利を挙げた19歳”の仲間入りを果たすことができる。
対するアルドリッチはアマチュアのキャリアが長く、過去にはラケル・ペニントンやケイリン・カランらとも対戦している。2014年終盤にプロデビューを果たし、Invicta FCでは4勝1敗と奮闘した。後にTUFシーズン23に参加したアルドリッチは、昨年12月にジュリアナ・リマとの一戦でUFCデビューを遂げている。
ジョンは直近5試合で鋭いパワーだけでなくフィニッシュを察する能力などを披露しており、キャリア最大の舞台で実力が発揮できるかどうかに注目が集まっている。