マイア、マスヴィダルに辛勝しタイトル挑戦権を獲得

UFC PPV 試合レポート
UFC 211:デミアン・マイア vs. ホルヘ・マスヴィダル【アメリカ・テキサス州ダラス/2017年5月13日(Photo by Ronald Martinez/Getty Images)】
UFC 211:デミアン・マイア vs. ホルヘ・マスヴィダル【アメリカ・テキサス州ダラス/2017年5月13日(Photo by Ronald Martinez/Getty Images)】
ウェルター級 5分3ラウンド
デミアン・マイア vs. ホルヘ・マスヴィダル


日本時間2017年5月14日(日)に米国テキサス州ダラスにあるアメリカン・エアラインズ・センターで開催されたUFC 211メインカードで、ウェルター級ランキング3位のデミアン・マイアと同級5位のホルヘ・マスヴィダルによる次期タイトル挑戦者決定戦ともいえる豪華な一戦が実現した。試合が始まるとマスヴィダルの強烈な打撃に苦しみながらも柔術家マイアがしぶとくタックルに飛び込み続け、フィニッシュには至らないながらもそのグラウンド・コントロールが評価される形で薄氷のスプリット判定勝利をもぎ取っている。

マイアの握手を拒絶したマスヴィダルはゆったりと構えながら、大きく左右のステップで距離を取る。しばらく様子をうかがっていたマイアが超低空タックルで飛び込むと、マスヴィダルもしっかりとこれに反応して体重を掛けながらマイアのタックルを潰してみせた。マイアは一度引き込む素振りを見せつつ再びタックルに切り替え、スタンドのマスヴィダルの背後によじ登る。マスヴィダルにとってはしばらくマイアの背後からのアタックに耐え忍ぶだけの展開が続いたものの、ラウンド終了間際にマイアを前方に振り落とすと、鋭いパウンドを連打してマイアに十分なダメージを与えた様子だった。

マスヴィダルの鋭く重たい右のキックはその後もマイアを襲い続ける。マイアはテイクダウンに飛び込むが、マスヴィダルはきっちりとこれを跳ね返した。タックルががぶられるとマイアは引き込みに切り替え、そこから片足タックルに転じて残り時間2分30秒でスイープに成功。再び立ち上がろうと試みるマスヴィダルの背後を脅かした。残り時間1分、マイアがマスヴィダルの片足を刈ってグラウンドの状態でトップをキープするが、マスヴィダルはマイアの片手を離さず、アタックを許さない。

マスヴィダルの右のミドルとローキックが快音を響かせ、マイアはこのローで右足を痛めたようだ。距離を取りながら時折鋭い打撃を繰り出すマスヴィダルに対し、マイアは左右に回るのみでアタックの素振りを見せずにいた。残り時間2分30秒、辛抱強くチャンスをまったマイアがマスヴィダルのローキックを拾って相手のバランスを崩すと一気に突進。ついにグラウンドでマスヴィダルの背後に完全に回り込む。必死に背中をずらしながらチョークを守るマスヴィダルにマイアが散発的なパンチを振るう中、最終ラウンド終了のブザーが鳴った。

29-28、28-29、29-28のスプリットで勝利したマイアは「実際のところ、彼は俺がUFCで戦った中でもっともすぐれた柔術家だったよ」とマスヴィダルのグラップリング能力を素直に称賛している。

試合後にUFC会長のデイナ・ホワイトから「君のものだ」とタイトル挑戦権のお墨付きを得たマイアは、これで25勝6敗。ウェルター級で8連勝を決めたマイアのタイトル挑戦に異議を唱えるものいないだろう。一方、強烈な打撃と素晴らしいグラップリング能力を見せたマスヴィダルだったが、その善戦むなしく32勝12敗となった。

フェザー級 5分3ラウンド
フランキー・エドガー vs. ヤイール・ロドリゲス


細かなステップで前進を続けるフランキー・エドガーに対し、ヤイール・ロドリゲスはスタンスをスイッチしながらゆったりと距離を取る。エドガーは細かく頭を振りながら胴タックルで距離を詰めると片足タックルに切り替えてこれを成功させた。しっかりとロドリゲスの背中をマットにつけたエドガーがゴツゴツと重たいヒジとパウンドを落とし、ロドリゲスはエドガーのポスチャーが崩せない。残り時間40秒、エドガーがしっかりと上体を起こして鋭いパウンドを連打すると、場内から大歓声が沸き起こった。第1ラウンド終了のブザーと同時に立ち上がったロドリゲスだが、その顔面は腫れ上がっておびただしい鮮血が流れ落ちている。

第2ラウンドではロドリゲスがダイナミックなキックを振り回し、エドガーを突き放そうと試みる。しかしエドガーはタイミングの良い両足タックルでロドリゲスを抱え上げるとテイクダウンに成功。これをヒザ十字で切り返そうとするロドリゲスからトップをキープし続け、要所で的確なパウンドを落とし続けた。エドガーのパスガードを警戒するロドリゲスはクローズドガードを取り続け、立ち上がる素振りは見られない。背中をマットにつけながらもヒジを振るって応戦したロドリゲスだが、エドガーの体重の乗ったどう猛なヒジに対しては威力不足の感が拭えなかった。

第2ラウンド終了後のインターバルでロドリゲスの左目が完全にふさがっていることを確認したレフリーのクリス・リードはTKOによる試合の終了を宣告。元ライト級王者、そして元フライ級2位のエドガーがおなじみの圧倒的な運動量を見せつけ、若きメキシコの新星ロドリゲスを粉砕した。この勝利でエドガーは21勝5敗1分け、ロドリゲスは11勝2敗となっている。

ミドル級 5分3ラウンド
クリストフ・ヨトゥコ vs. デビッド・ブランチ


サウスポーに構え中央に陣取るクリストフ・ヨトゥコの外側に細かな飛び込みを繰り返すデビッド・ブランチが、開始1分でヨトゥコの踏み込みに合わせて両足タックルを成功させる。ヨトゥコはブランチの腰骨を蹴ってスペースを作ろうと動き続け、金網を背にして立ち上がった。ブランチが金網にヨトゥコを押し込むも、ヨトゥコはヘッドポジションの攻防を制して綺麗な両足タックルを見せる。しかし、ブランチは即座に立ち上がって再び相手を金網に押し付けた。

ミドルキックのフェイントでブランチの右ストレートを封じながら、ヨトゥコがプレッシャーを掛ける。ブランチはジャブを上下に散らしつつ相手の外へと回り込んでテイクダウンの機会をうかがうが、ヨトゥコは巧みに距離を保って容易にはテイクダウンを許さなかった。ブランチが左ストレートを時折被弾しながら何度か組み付くものの、ヨトゥコは倒されても即座に跳ね起き、スタンドでの攻防を維持し続ける。

豊富にジャブを繰り出しながら前に出るブランチに対して、ヨトゥコは距離を維持してテイクダウンを許さない。残り時間3分15秒、胴タックルに成功したブランチが攻防を四つに持ち込んでテイクダウンを狙い続けるが、1分が経過したところでレフリーのドン・トーネイジが両者にブレイクを命じた。スタンドでの再開後にブランチが両足タックルに飛び込んでこれを成功させたものの、ヨトゥコもすぐに体を起こしてタックルで応じ、相手に主導権を渡さない。残り時間15秒、ヨトゥコの単発のアッパーがブランチの顔面を跳ね上げたが、互いに決め手を欠くまま試合終了のブザーが鳴った。

ジャッジはこの一戦を29-28、28-29、29-28のスプリット判定でブランチの勝利と評価。この結果、約6年ぶりにUFC復帰を果たしたブランチがその連勝記録を11に更新し、通算戦績は22勝3敗となった。一方、現ミドル級9位のポーリッシュ・ファイター、ヨトゥコは19勝2敗と戦績を落とした。
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