桜庭和志がUFC殿堂入り!

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桜庭和志
桜庭和志
UFCは現地時間3日(土)、総合格闘家の桜庭和志がパイオニア部門にてUFC殿堂入りしたことを発表した。

2017年UFC殿堂入りの式典は現地時間7月6日(木)19時からアメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるパーク・シアターにて開催され、式典の模様はUFCファイトパスにて独占ライブ配信されることになっている。

この殿堂入りを受けて桜庭は「最初に殿堂入りのニュースを聞いた時は驚きました。20年前にオクタゴンで戦った時は自分が他の伝説的な総合格闘家と肩を並べ、UFCの殿堂入りをするとは夢にも思っていませんでした。自分は最高の格闘家を目指すだけでなく、総合格闘技が持つ興奮、そして素晴らしさを世界に伝えたいと思い、ここまで戦ってきました。スポーツとしての総合格闘技の歴史において、自分が何かしら影響を与えることができたのであれば、それは決して自分だけの功績ではありません。尊敬すべき対戦相手、素晴らしいイベントを開催してくれるスタッフ、このスポーツを報道してくれるメディア、そして何よりもこのスポーツを熱くサポートしてくれる多くのファンが可能にしてくれたのだと思います。この殿堂入りはPRIDE時代から総合格闘技を新たなスポーツへと押し上げてくれた日本の総合格闘技関係者に捧げたいと思います」とコメント。



UFCにおいて日本人として初めて勝利を挙げた桜庭はそれらの功績が称えられてパイオニア部門にてUFC殿堂入りを果たすことになった。パイオニア部門は総合格闘技として正式なルールが定められた日である2000年11月17日以前からプロとして活躍し、35歳以上で引退後1年以上の選手が選ばれている。

19年間のキャリアで46試合を戦い、通算26勝17敗1分2ノーコンテストの戦績を誇る桜庭は、その長いキャリアだけでなく、コンバットスポーツと呼ばれる歴史の中で総合格闘家として数多くの記憶に残る試合を戦ってきた。

桜庭にとって初めてかつ唯一のUFCでの対戦は1997年12月21日に横浜で開催されたUFC JAPAN: ULTIMATE JAPANだ。大会直前に負傷した別の選手の代役として出場し、元Extreme Fightingヘビー級王者マーカス・コナンと対戦、1試合目はノーコンテストになったものの、2戦目でUFCヘビー級トーナメントの勝利を収めた。

その後、桜庭はPRIDEに参戦すると、7年間でホイス・グレイシー、ケン・シャムロックら、すでにUFC殿堂入りを果たしている伝説の選手を打ち負かし、さらに元UFCウェルター級王者カルロス・ニュートン、元ヘビー級王者ケビン・ランデルマン、元UFCライトヘビー級王者ランペイジ・ジャクソン、元UFCライトヘビー級王者ビトー・ベウフォート、UFC 13のライト級トーナメント優勝者ガイ・メッツァーといった数々の強豪を倒してきた。加えて、PRIDE参戦中にはUFC殿堂メンバーで元PRIDEヘビー級王者のミノタウロ・ノゲイラに並んでPRIDE史上最高タイとなる11回のサブミッション勝ちを記録している。

また、桜庭はPRIDE以外にも活躍の場を広げ、キング・オブ・パンクラスを2度獲得している船木誠勝、元DREAMスーパーハルクトーナメント王者ミノワマンこと美濃輪育久、そしてキング・オブ・ケイジの元ライトヘビー級王者ヴァーノン・ホワイトらも打ち破ってきた。

桜庭はグレイシー一族との数々の戦いから”グレイシー・ハンター”の異名を持ち、ホイラー、ヘンゾ、ハイアン、ホイス・グレイシーらを次々に沈めてきた。その中でも2000年に行われたホイス・グレイシーとの90分間に渡る試合の勝利は、いまだに総合格闘技史上最高の対戦として多くのファンの記憶に残っている。

UFC会長のデイナ・ホワイトは桜庭の殿堂入りを受けて次のようにコメントした。

「桜庭は私のお気に入りファイターの一人だ。本来の階級をはるかに超えて戦ってきた。いまだかつて答えられていない疑問のひとつに、彼がもしキャリアを通して自分自身の階級で戦ってきたなら最強の名を手に入れられたのではないか、というのがある。彼は国宝級のファイターだが、本来の体格よりも50パウンド(約23㎏)大きい階級に押しとどめられてきたのだ」

歴史においては桜庭がパウンド・フォー・パウンドのランキングでどこまで上位に上り詰めたのか、誰にも分からないかもしれない。ただ、UFC殿堂のファイターリストにその名が刻まれることに異論を唱える者はいないはずだ。
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