UFCファイトナイト・ストックホルム見どころ:がい旋勝利なるか、グスタフソン出陣

UFCファイトナイト 見どころ
UFC 232:ジョン・ジョーンズ vs. アレクサンダー・グスタフソン【アメリカ・カリフォルニア州イングルウッド/2018年12月29日(Photo by Christian Petersen/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC 232:ジョン・ジョーンズ vs. アレクサンダー・グスタフソン【アメリカ・カリフォルニア州イングルウッド/2018年12月29日(Photo by Christian Petersen/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間6月1日(土)に幕を開けるUFCファイトナイト・ストックホルムは今回が開催6回目を迎え、メインイベントではスウェーデンのエースでライトヘビー級ランキング2位につけるアレクサンダー・グスタフソンがアンソニー・スミス(アメリカ、同4位)を迎え撃つトップランカー同士のサバイバルマッチが行われる。

グスタフソン、メインイベンターの矜恃(きょうじ)を胸に

ストックホルムでメインイベントを務めるのが今回で4回目となるグスタフソン。前回のイベント(2017年5月)では難敵グローバー・テイシェイラを第3ラウンド、見事なノックアウトで葬り、地元ファンの期待に応えた。しかし、グスタフソンにとっての前戦(2018年12月、UFC 232)ではジョン・ジョーンズの持つライトヘビー級タイトルに再挑戦を果たすも、第3ラウンドでのテクニカルノックアウト負けで返り討ちにされている。

タイトルマッチ戦績を0勝2敗としたグスタフソンは、今回はこれまでと違う姿勢で試合に臨むのだという。

「これまで長い間、常にタイトルを狙い続けてきた。寝てもタイトル、起きてもタイトル、次の試合もタイトル挑戦にたどり着くために絶対に勝つと意気込みっぱなしで、そのことがストレスになっていた。だからしばらくはゆったりと構えて、1つ1つの試合に挑んでいこうと思う。まだ32歳で、老け込むには早い。身体は健康だし、練習も楽しい。まずは地元でスミスをぶっ飛ばして、そこから次の面白いチャレンジを探していきたいんだ」

対戦相手のスミスについて、グスタフソンは警戒しつつも不敵な自信をにじませる。

「彼は強打者でハートも強く、経験も豊富だ。本当に厳しい試合になる。だからこそ俺はこの試合をやるんだ。勝てばランキングの動向で有利になる。しかし、もし負けるようなことがあったら、自分にはもう力がないということになるのかもしれない」

両選手には共通点がある。スミスも前回の試合(2019年3月、UFC 235)で、ライトヘビー級のタイトルに挑戦し、ジョーンズに完敗を喫しているのだ(5ラウンド、ユナニマス判定)。

「自分と彼は似たような思いを持っていると思う。彼も負けたばかりで、本来はこんなものではないんだというところを見せたいんだろう。だから準備万端で俺のことを倒しに来ると思う。気持ちは分かる」

「俺としても、ベストな状態の相手と戦い、しっかり倒したいと思っている。だからウォーリア−モードのスミスでやってきてほしい。ファンに楽しいショーをお見せしようじゃないか」

スミス「乱戦に持ち込んで心を負ってやる」

「気分が腐る」とスミスはジョーンズ戦敗戦を振り返る。「気持ちの面で何が悪かったのかが分からない。これまでにあんなに何もできなかったことはなかった。もちろん、ジョンがうまく戦ったということはあるだろうけど、何しろ自分から行けなかったことにイライラするんだ」

ジョーンズ戦に至るまで、16カ月で5試合というハイペースで試合に臨んできたスミスは、ジョーンズ戦後には、しばらく休んで家族と過ごす予定をたてていた。

「でも今回のようなチャンスを逃すことができなかった。負けてすぐに次の試合の予定を入れるのは気が進まなかったけど、今は引き受けて良かったと思っている。もし断れば、あとあと後悔するだろうなと思ったんだ」

同じようにジョーンズに負けたとはいえ、ハートの強さでは一緒にしてくれるなとスミスは主張している。

「アレックスは乱打戦になると気持ちが折れる。オレは絶対に折れない。そこは違いがあるんだ。ジョーンズ戦でもオレは折れなかった。ただ、オレが行けなかっただけなんだ。今回のオレは、どんどん前進してアレックスの顔面に拳をたたき込む。ヤツがオレに近づいてきたら、テイクダウンして殴りつける。ゲームプランなんてない。ここ数試合はいろいろ考えすぎたからな。乱戦に持ち込んで心を折ってやる。それだけだ」

「オレはとにかく、周囲からどう思われようとも、ジョーンズにもう一度挑戦する。グスタフソンはもちろん、全員をぶっ倒して、もはや対戦相手がいなくなって、ジョーンズとの試合を組むしかなくなるまで、勝ち続ければそれでいいんだろ」

【文 高橋テツヤ】
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