殿堂入りの桜庭、UFCとの契約「これからでも」

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UFC殿堂入り式典:囲み取材に応じる桜庭和志【ネバダ州ラスベガス/2017年7月7日(Photo by タイコウクニヨシ)】
UFC殿堂入り式典:囲み取材に応じる桜庭和志【ネバダ州ラスベガス/2017年7月7日(Photo by タイコウクニヨシ)】
UFC殿堂のパイオニア部門に選出され、日本時間7月7日(金)にラスベガスで開かれた式典に出席した桜庭和志が、世界各国のマスコミから取材を受けた。

その中で話題に上がった殿堂入りの感想やブラジルでの経験、日本のMMA(総合格闘技)人気などについて、桜庭は率直に自身の考えを語っている。

Q: 改めて今回の殿堂入りが決まった時のお気持ちを。

桜庭和志: 「えっ、俺?」っていう感じです。キャリアが長いからですかね? 引退はしていないし、「まだ生きてるぞ」って(笑)。

Q: 今までで一番“PRIDE”(誇り)だと思った瞬間はいつですか?

桜庭: 誇りと思った瞬間・・・。いやあ、あんまりそういうことは思ったことがないです。

Q: “グレイシーハンター”や“グレイシーキラー”という異名で呼ばれ始めた時はどんな気持ちだったでしょうか?

桜庭: 「たまたま勝っただけだからなあ」って感じでしたけど。

Q: グレイシーファミリーとは今どういう関係でしょうか?

桜庭: 本人たちと? 普通です。

Q: ブラジルで練習した時の良い思い出はありますか?

桜庭: シュートボクセでの練習は楽しかったですよ。

Q: 今日のこの衣装(羽織袴)やマスクはどのような考えで?

桜庭: これは日本でいう正装というか、日本式でいったほうがいいのかなという感じで。結婚式とかで着るやつです。本当は恥ずかしいからお面を被ったまましゃべりたかったんですけど、(プレゼンターの)ドン・フライに失礼かなと思って(脱ぎました)。

Q: 桜庭さんはいつも何を着て出てくるのかな、試合でどんな動きを見せてくれるのかな、と期待させてくれました。今のUFCではファイターがみんな同じコスチュームを着なくてはいけませんが、それは間違っていると思いますか?

桜庭: う~ん、どうなんだろう・・・。分かんないですけど、僕は人それぞれの個性が出たほうが面白いとは思いますが、いろんな関係とかもあるんじゃないですか?

Q: 今、現役でお気に入りのファイターがいたら教えてください。

桜庭: 今ですか? 僕、あんまり(人の試合を)見ないんで分からなくて・・・。昔のK-1なんかだとマーク・ハントが面白いとか。酒を飲みながら『YouTube(ユーチューブ)』とかで観ていると「うわ、面白え!」って何度も観ちゃいますよ。

Q: マーク・ハントがまだ勝っていることは驚きですよね。

桜庭: すごいですよねえ。

Q: コナー・マクレガーのことをどう思いますか?

桜庭: 名前を聞いたことはありますけど、どの人か・・・。顔と名前が一致しない・・・。

Q: ブラジルでの一番いいトレーニングパートナーは誰だったのでしょうか?

桜庭: マーロン。マーロン、マーロン・・・えっと、下の名前は忘れました。練習以外にも一緒にご飯を食べに行ったりしました。

Q: 昔、タバコを吸っていましたよね? タバコを吸いながらハイレベルのファイターでいることはどれだけ大変ですか?

桜庭: ええっ? 今でも吸ってますよ。あんまり関係ないですよ。そんなバコバコ吸ってるわけじゃないし、試合中は陸上のマラソンのようにずっと動いているわけじゃないじゃないですか。休む時間もあるし。たとえば(相手を)倒してから休んだりとかもあるじゃないですか。

Q: 今、日本でMMAは10年、15年前ほどの人気はなくなっている状態ですが、人気が戻る時期は来ると思いますか?

桜庭: 来るんじゃないですかねえ。でも、その時には僕はもう死んでるかもしんない(笑)。

Q: どうして人気がなくなったと思いますか?

桜庭: なんでですかね? テレビでやんないのもありますよね。オリンピックとかでレスリングが放送されていたりすると、一般の人もレスリングが分かってきたりすることもありますので。

Q: 今もまだトレーニングをされていると思いますが、格闘技にどのような思いがありますか?

桜庭: そんなのは考えないですね。普通に練習をしていることが楽しいんで。関節技の取り合いとかも面白いですし。

Q: あるコメンテーターがUFCに“レジェンド部”というものがあってもいいんじゃないかと言っています。そういう大会があったらどう思いますか?

桜庭: ゴルフのシニアみたいな感じですよね。それは面白いと思います。

Q: 実現したら参加しますか?

桜庭: いや、分かんない(笑)。話があったら出るかもしれないけど、自分から進んでは・・・。

Q: もし出たらどんな相手と戦いたいですか?

桜庭: あー。そこらへんは僕が考えるんじゃなくて、主催の側が決めてくれたら。それからどうやって料理をするか考えます。

Q: 体重差の大きすぎるファイターと戦うことが多かったですが、それはやりがいがあったのか、それともこれはやりすぎだと思うこともありましたか?

桜庭: いや、何人か(対戦相手の候補が)くるわけですよ。やっぱりこっちも意地があるし、逃げたと思われるのが嫌だから(あえて体重差のある相手も自分で選んでいた)。

Q: プロレスとMMAの関係はどう思いますか? プロレスなくして今のMMAシーンは存在していたでしょうか?

桜庭: いや、それは分からないですね。プロレスは魅せることが大事で、MMAは勝つことが大事。そのどっちもが合わさった方が面白いとは思いますけど。

Q: 今でもプロレスはやっていますか?

桜庭: やってます。

Q: WWEの中邑真輔が今、世界で一番有名な日本人プロレスラーでしょうか?

桜庭: それを俺に聞かれても分かんねえ・・・。
 
Q: 彼のファンですか?

桜庭: いや、ファンっていうわけでは(笑)。試合をしたこともあるし、友達、仲間みたいな感じです。

Q: (UFC会長の)デイナ・ホワイトが、一番好きなファイターだった桜庭選手と契約することができなかったのが悔しいというコメントをしていますが。

桜庭: いや、これからでも全然いいですけど(笑)。

Q: ブラジルの選手で一番手応えのあったファイターは誰ですか?

桜庭: 試合はしてないんですが、練習をちょっとした感じでは、ショーグン(マウリシオ・フア)とかニンジャ(ムリーロ・フア/ショーグンの実兄)はすごいなって思いました。

Q: 何か彼らに教えてもらったポルトガル語はありますか?

桜庭: 教えてもらってはいないんですけど・・・。“オーボフリット”とか。

Q: (ブラジルの記者)目玉焼きのこと!?

桜庭: ええ。オーボフリット、トレイス(目玉焼き3つ)!


構成:井上崇宏(『KAMINOGE』編集部)
撮影:タイコウクニヨシ


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