2022年の前半にオクタゴンに登場したルーキーたちの中で、最も優れたファイターたちを挙げるとしたら誰だろう? 非公式ではあるものの、1月から6月までに活躍したニューカマーをランク付けしてみよう。
1.ジャック・デラ・マダレナ
若干25歳のジャック・デラ・マダレナはUFCにおける新星を定義するようなファイターだ。西オーストラリア州出身のマダレナは2021年9月にデイナ・ホワイトのコンテンダー・シリーズで戦った。1月にピート・ロドリゲスをノックアウトし、印象的なデビューを果たしたマダレナだが、真にそのポテンシャルを見せたのは6月にラマザン・エミーフをテクニカルノックアウトで制した試合だ。逆境を跳ねのけたマダレナは頑丈でタフなことで知られる26戦のベテランを、第1ラウンドの半ばが過ぎたところで倒している。
2.アンドレ・フィアリョ
通常、このリストには半年で2度以上試合をしたファイターを入れている。しかし、アンドレ・フィアリョはそれどころではない。1月にショートノーティスでオクタゴンに初登場したフィアリョは、上半期に4試合に出場した。戦績としては2勝2敗だったものの、ポルトガル生まれのこのファイターはミゲル・バエザとキャメロン・ヴァンキャンプをノックアウトして注目を集めている。また、判定で負けた初戦のミシェル・ペレイラ戦でも競争力を見せており、6月にジェイク・マシューズに敗れた試合では、マシューズがかつてないくらいの好調だった。アンドレ・フィアリョはこれからも話題になっていくはずだ。
3.ムハンマド・モカエフ
このリストに取り上げられた5人の中でおそらく最も注目を集めていたのが、イギリスに拠点を置くロシア人ファイターのムハンマド・モカエフだろう。高まる前評判からくるプレッシャーに臆することなくクールな姿勢を貫いたモカエフは、3月にコーディ・ダーデンを相手に58秒でサブミッション勝ちを決めた。モカエフはどれほど優れていて、どれほどのポテンシャルを秘めているのか? 今回、たった1試合の活躍でこのリストに選ばれたファイターはモカエフだけだ。
4.チディ・エンジョクアニ
チディ・エンジョクアニのようなベテランファイターを“ニューカマー”と呼ぶのは奇妙な感じがする。しかし、厳密に言うとそれが真実だ。たとえ、2022年2月に行われたエンジョクアニのUFC初試合が、本人にとってはプロ29戦目だとしても。そのデビュー戦の舞台に、エンジョクアニが長時間立つことはなかった。マルク・アンドレ・バリオーを16秒でノックアウトしたエンジョクアニは、3カ月後にドゥスコ・トドロビッチを第1ラウンド4分48秒で沈めている。そう、“たとえ遅くても、やらないよりずっといい”のだ。
5.ジャイルトン・アウメイダ
昨年9月にデイナ・ホワイトのコンテンダー・シリーズでUFCとの契約を勝ち取ったブラジルのジャイルトン・アウメイダは、UFCで2勝を挙げている。ライトヘビー級マッチでダニーロ・マルケスにテクニカルノックアウト勝ちした後、アウメイダはパーカー・ポーターとのヘビー級マッチで第1ラウンドの終了を待たずにサブミッション勝利を決めている。戦えることは間違いないが、アウメイダには自信とカリスマがある。そういった形を取らない資質が、これからもオクタゴンにいるアウメイダを見たいと思わせる理由だ。
その他にこのリストの候補に挙がったファイターにはマハシャテ、マイケル・モラレス、ナタリア・シウバ、平良達郎がいる。