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5ラウンドの激闘を制したイェンドジェイチェクが王座を防衛

日本時間2016年7月9日(土)アメリカ、ネバダ州のラスベガスにあるMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されたジ・アルティメット・ファイター(TUF)23シーズンフィナーレのメインイベントの試合レポート。



日本時間2016年7月9日(土)アメリカ、ネバダ州のラスベガスにあるMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されたジ・アルティメット・ファイター(TUF)23シーズンフィナーレのメインイベントで、無敗のUFC女子ストロー級王者ヨアンナ・イェンドジェイチェクと、同級1位のクラウディア・ガデーリャの因縁の再戦がストロー級タイトルマッチという形で実現した。

2014年12月に両者が対戦した際にはスプリット判定でイェンドジェイチェクが勝利していた。その後、TUF23でそれぞれのチームを率いる中で衝突を繰り返した両者の間には個人的な感情が露わになることもあり、激しい戦いが期待された本戦であったが、果たしてそれは予想通りの激闘となった。

両者はグローブを合わせることなく試合を開始すると、開始直後にガデーリャの鋭いジャブがイェンドジェイチェクの鼻を捉え、イェンドジェイチェクがマットに崩れ落ち、まさかの展開に場内が盛り上がる!即座に覆いかぶさるガデーリャだが、イェンドジェイチェクはしっかりと防御を固めながら立ち上がると相手を振りほどく。残り時間3分少々で攻防をスタンドに戻したイェンドジェイチェクだが、ガデーリャはイェンドジェイチェクを金網に押し込むとテイクダウンに成功、即座にハーフガードの状態から数発のパウンドを落とす。しかしここもイェンドジェイチェクは動きを止めずに立ち上がり、攻防をスタンドに戻すと鋭いジャブとローキックを主軸にガデーリャを突き放しにかかる。

足を使って回り込みながらの鋭い打撃を見せるイェンドジェイチェクをガデーリャは金網際まで押し込むと、双差しからのテイクダウンを成功させる。細かなパウンドを顔面に浴びることも厭わず、左手をマットにポストして立ち上がるイェンドジェイチェクだが、攻防がスタンドになってもガデーリャは密着しながら細かなパンチを繰り出し続ける。残り時間1分10秒、片足タックルでしがみつくガデーリャをイェンドジェイチェクが内股で投げ捨てるが、ガデーリャは即座に立ち上がる。残り時間10秒、距離をとったガデーリャにイェンドジェイチェクが歩み寄ったところで第2ラウンドが終了した。

先ほどのラウンドでガデーリャはやや体力を消耗したようだが、開始後45秒で胴タックルで突進するとこれを成功させる。しかしイェンドジェイチェクはこの攻防で一切の妥協を見せず、しっかりと相手を差し上げガデーリャを振りほどくと、ガデーリャはかなり苦しそうな表情を見せ始める。圧倒的なフットワークとハンドスピードの差を見せ始めるイェンドジェイチェクだが、残り時間2分、再びガーデーリャが突進。一度は成功したかに見えたこのテイクダウンをイェンドジェイチェクはしっかりとがぶって潰すと距離をとってスタンドを要求。試合の流れは完全にイェンドジェイチェクが支配し始めているように見える。完全に足が止まったガデーリャだが、攻防がパンチの距離になるとその両拳をふるって必死に食い下がる。

ここまでの巧みなエネルギー・マネージメントで未だに動きの落ちないイェンドジェイチェクは、完全にスタミナの切れた相手を軽やかなフットワークとともに崩しにかかる。しかし距離が詰まるとガデーリャも決死の打撃で応戦し、イェンドジェイチェクのコンビネーションをすんでのところで食い止める。ガデーリャは最終ラウンドのテイクダウン勝負に賭ける作戦か、このラウンドではテイクダウンのそぶりを見せない。イェンドジェイチェクの鋭いパンチでガデーリャの顔面は朱に染まり流血も見られる。

ここにきて始めてグローブを合わせた両者がいよいよ最終ラウンドの攻防を開始する。開始後1分、ガデーリャがついに試合の勝敗を決するテイクダウンに飛び込むと、イェンドジェイチェクを金網に押し付ける。双差しから必死の押し込みを見せていたガデーリャをイェンドジェイチェクが容赦なく突き放し、これまでと変わらぬリズムで鋭いジャブと前蹴りで相手を切り刻む。残り時間2分、再びタックルに飛び込んだガデーリャだが、イェンドジェイチェクはこれをたやすく差し返すと、相手をマットに押しつぶしスタンドでの攻防を要求。その後もイェンドジェイチェクが何度も強烈な打撃でガデーリャを貫くがガデーリャは試合終了のブザーまで気力で王者に食いさがった。

判定は、第3ラウンド以降に有効打撃数で一気に相手を突き放したイェンドジェイチェクが48-46、48-46、48-45のユナニマス判定で勝利。宿敵にして同級1位のガデーリャを再び退けたポーランドの英雄の快進撃はしばらく止まることはないだろう。この一戦でヨアンナ・イェンドジェイチェクは12勝0敗となり、ブラジルのクラウディア・ガデーリャは13勝2敗となった。なお、ガデーリャが喫した2度の黒星は、前述の通りいずれもイェンドジェイチェクによるものだ。

試合後に「彼女のことをとても尊敬しているし、彼女は素晴らしいファイター」とガデーリャを称えたイェンドジェイチェクだが、ガデーリャはこれに対して「王者としてのヨアンナを尊敬しているけれど、一番大切なのは謙虚であること、そして人々に敬意を払うこと」と述べ、両者の心はいまだにすれ違っているようだ。