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アンソニー・ジョンソンの素顔、謙虚なランブル

 



アンソニー・ジョンソンがUFCで特別な存在になるだろうと理解するのにかかった時間は13秒だった。それは約10年前、今より35パウンド(約15kg)も軽かったジョンソンがフロリダ州ハリウッドで行われた大会(2007年6月12日)でチャド・レイナーとのウェルター級マッチに圧勝した時の話だ。

家族はそれ以前にジョンソンの凄さに気付いていたと言う。2012年当時、インタビューに応じたジョンソンは笑いながらこう明かした。

「いつも従兄のぬいぐるみをボコボコにしていた。ぬいぐるみは殴り返してこないから、家中連れ回してWWEで見るようなボディースラムだったり、飛び乗ったり、殴ったり、技をかけて遊んでいた。小さい頃からトレーニングしていたようなものさ。だから家族は全然驚いていないよ。家族からしてみれば、昔から格闘技が好きだった子供がテレビに出て本当に戦っているだけだからね」

“ランブル”ことジョンソンは常に謙虚だった。相手を一発で倒せるパンチ力を持った男が調子に乗る必要もないだろう。UFC 202でのグローバー・テイシェイラ戦を控えたジョンソンは現在ライトヘビー級ランキング1位につけ、階級のトップとして活躍している。そんなジョンソンは以前から相手に舌戦を仕掛けたり、自分に注目を集めようとしたりは決してしなかった。その落ち着いた性格はジョージア州ダブリン(注:アイルランドではない)でジョンソンを育てた自身の祖父母から受け継いでいるそうだ。

 



「小さい農場で育ったから、いつも思いっきり走り回るだけのスペースはあった」

2008年に51秒でトミー・スピアーを下したジョンソンは当時、プロ4勝1敗、UFCでは1勝1敗という記録を誇っていた。元ジュニアカレッジ(短期大学)レスリング王者であり、凄まじいパンチ力の持ち主であるジョンソンは、たわごとを嫌う性格だった。ジョンソンの祖母はノックアウトよりも、態度を気にしていたとジョンソンはコメントした。

「祖母はテレビでオレの試合を見ている。ルールとかは理解していないみたいだけど、オレが出るのを確認するために見ているらしい。オレが幸せで、トラブルにさえ巻き込まれなければ家族は応援してくれる」

ジョンソンはこれまでオクタゴン内外で浮き沈みを経験してきたが、その中でも変わらなかったことがある。ウェルター級からライトヘビー級に転向した時も、個人的な問題に直面した時も、UFC以外の舞台で挑んだ6試合を経ても、変わらないものがある。ひとつはパワーだ。ジョンソンの威力はアントニオ・ホジュリオ・ノゲイラ、アレクサンダー・グスタフソン、ジミ・マヌワ、ライアン・ベーダーとの4試合を見れば分かる。

2つ目は他のファイターに対する敬意だと言う。

「ケージの中に入って、命を懸けて戦うすべてのファイターを尊敬している」

もう1つ変わらないこと、それはジョンソンが常に勝者であることだ。後ろを振り向かない32歳のジョンソンは前に進むことしか考えていないようだ。

「人生は1度しかない。今の自分にできることをやって、全力を尽くす。できないことなんてない。過去を心配するんじゃなくて、今と未来に集中すればいい」