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アリを義父に持つケーシー、ドローに

日本時間6月5日(日)、アメリカ・カリフォルニア州イングルウッドにあるザ・フォーラムで行われたUFC199アーリープレリミナリーファイト(前座試合前半戦)の試合レポート。

ウェルター級 5分3ラウンド 
ショーン・ストリックランド vs. トム・ブリーズ




米英のホープ対決となったこの試合。UFC4勝1敗の戦績を持つ25才のアメリカン、ストリックランドは前戦アレックス・ガルシアにTKOで快勝している。

対するブリーズは、強烈な打撃を武器に10戦全勝を誇る24才の英国の新鋭。前回は日本の寝業師中村K太郎相手に、下から足関節を仕掛けて体勢を入れ替える戦法を有効利用してグラップリングでも優位に立った上で快勝。そのポテンシャルの高さを見せつけてみせた。

1ラウンド。オーソドックスでプレッシャーをかけるストリックランドに、ブリーズはサウスポーからの強烈なインローを放つ。鋭いジャブで前に出るストリックランドに、ブリーズが回りながら蹴りや左ストレートで対抗する展開が続いた。

2ラウンド、右ストレートを当てたストリックランドは、ブリーズのジャブをパーリングしながらプレッシャーを強めてゆく。お互いよく見て攻撃を捌き合うなか、ブリーズも左ストレートのカウンターをヒットした。

3ラウンドも同様の拮抗した展開が続く。残り時間が少なくなり、ブーイングも聞かれるなか、ブリーズはテイクダウンに成功。しかしストリックランドはすぐに立ち上がる。残り時間僅かになって、ブリーズのテイクダウン狙いをすかしたストリックランドは、上を取ってのパウンドの連打。ブリーズが下から仕掛けようとしたところで試合は終了した。

判定は2-1 (29-28, 28-29, 29-28)で、最後に印象点を稼いだストリックランドに。勝者は「俺は打ち合いたかったんだけど、向こうが下がり続けたんだ。ファンに謝りたいね。まさか相手があんなに下がるとは思わなかったよ。まだまだ課題があるから、これからも一試合一試合上に上がって行きたいね」と語った。

ライトヘビー級 5分3ラウンド 
ジョナサン・ウィルソン vs. ルイス・エンリケ・ダ・シウバ




全勝対決となったこの試合。米国のウィルソンは前回、クリス・デンプシーをKOで沈めてオクタゴンデビューを飾っており、通算成績は7戦全勝だ。対するブラジルのダ・シウバは、10戦全勝のプロ戦績をもって今回がUFCデビューとなる。

1ラウンド。サウスポーのウィルソンと、オーソドックスのダ・シウバが強烈な蹴りを交換する。ダ・シウバは前にでて首相撲でウィルソンを捕らえての膝やアッパーを入れるが、ウィルソンも鋭いカウンターのパンチを返してゆく。お互いが有効打を入れるなかでラウンドが終了した。

2ラウンド。強烈な右アッパーを当てたダ・シウバはさらにパンチでラッシュをかけるが、ウィルソンはカウンターのテイクダウン。しかし突き放して立ち上がったダ・シウバはさらに前に出るが、そこにウィルソンは左右のカウンターをヒット。動きが止まったダ・シウバに、さらに強烈な左フック!  倒れたダ・シウバにウィルソンはパウンドを落としてゆくが、ガードを取ったダ・シウバは、体をひねって角度を付けると見事なスイープで逆に上に! そのままマウントを奪うと上からヒジとパンチを落としてゆく。やがてウィルソンの左腕を足で、右腕を腕で抑えたダ・シウバは、無防備な顔面にパウンドを連打。勝負ありと見たレフェリーが、4分11秒で試合を止めた。

ミドル級 5分3ラウンド 
ケビン・ケーシー vs. エルビス・ムタプチッチ




ヒクソン・グレイシーから柔術を学び黒帯を巻くケビン・ケーシーは、前日に亡くなった伝説のボクサー、モハメッド・アリの義理の息子でもある。前回はハファエル・ナタルに3ラウンドTKOで敗れているが、今回はぜひとも勝利を偉大なる義父に捧げたいだろう。

対するムタプチッチは前回のオクタゴンデビュー戦にて、フランシマー・バロッソに判定負け。こちらも、なんとしても勝利が欲しいところだ。

1ラウンド。オーソドックスのムタプチッチがプレッシャーをかけると、サウスポーのケーシーが鋭いインローを放つ。やがてケーシーは猛然とラッシュしてのダブルレッグでテイクダウンに成功。ハーフで胸を合わせて抑え込むと、パウンドを当ててゆく。さらにケーシーは足を抜いてサイドに移行。さらにマウントを狙うが、ムタプチッチはスクランブルして立ち上がることに成功した。

2ラウンド。前に出たムタプチッチに、カウンターのテイクダウンを合わせるケーシー。ムタプチッチはすぐに立ち上がって首相撲からの膝を放つが、ケーシーはしつこく組み付いてゆき再びテイクダウンを取ると、そのままマウントに! 

低く抑え込んだ後、やがて体を起こしたケーシーはパウンドを入れてゆく。しかしムタプチッチは金網を蹴って立ち上がることに成功。ムタプチッチは首相撲から膝やボディへのパンチを入れると、逆にテイクダウン狙い。さらに腿やボディに膝を入れるなかでラウンドが終了した。

3ラウンド。プレッシャーをかけるムタプチッチは、組み付きに来たケーシーに首相撲から膝。疲労の色が見えるケーシーに対し、ムタプチッチは前に出て首相撲に捕らえての攻撃を続ける。ケーシーはそれを振りほどくと、回りながらムタプチッチのプレッシャーをかわしてゆく。

残り30秒、カウンターでテイクダウンを狙うケーシーだが、力なく逆にムタプチッチに上になられ、そのままマウントを取られてしまう。そのまま体を起こしたムタプチッチは強烈なヒジを連打。絶体絶命かと思われたところで試合終了。凌いだケーシーは笑顔で両手を挙げてみせた。

判定は1-1(29-28, 28-29, 28-28)でドローに。インタビューを受けたケーシーは、前日に亡くなった義父のモハメッド・アリについて聞かれて「試合前はいろいろ大変だったよ。でもサポートしてもらって感謝している。この試合は家族に捧げたい」と語った。次にインタビューを受けたムタプチッチもまた、この試合を偉大なるアリに捧げると語った。

ライト級 5分3ラウンド 
マルコ・ポーロ・レイエス vs. キム・ドンヒョン




メキシコと韓国の対決となったこの日のオープニングカード。メキシコのレイエスは前回、セザール・アルザメンディアにパンチで1ラウンドKO勝ち、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得するという最高のオクタゴンデビューを飾っている。

対する韓国のキム(同国出身でUFCウェルター級強豪のキム・ドンヒョンとは同姓同名の別人)は、前回のUFCデビュー戦で、ドミニク・スティールのスラム攻撃にKO負けを喫している。

1ラウンド、オーソドックスに構える両者。果敢に前に出て右を放つキムに対して、カウンターを合わせるレイエス。構わず前に出るキムが強烈な左フックをヒット! ぐらついたレイエスをさらにケージ際に追い詰めるキムだが、ここで逆にレイエスの強烈な右肘が顔面に炸裂!  

たまらず倒れたキムにレイエスはパウンドを連打するが、キムは殴られながらも立ち上がる。するとさらにレイエスが左フックをヒット! 再びダウンしたキムだが、ガードを取って守って立ち上がる。恐るべきタフネスを見せるキムはさらに前に出て強烈な左右のパンチで反撃! だがレイエスも鋭い左右のカウンターを返してゆく。 その後も両者が足を止めて強烈なパンチを打ち合うなか、嵐の1ラウンドが終了した。

2ラウンド。目を腫らしたキムは再びパンチで前に出てゆくが、レイエスは頭を振りながらカウンターを当ててゆく。打たれても構わず前に出るキムの左フックがヒット! ぐらつくレイエスだが、首相撲で捕まえて強烈な膝を顔面に!

それでも前に出ることをやめないキムは、パンチを受けながらも前進。しかしレイエスは強烈な右ストレートをヒット。さらに左、右、左、右とストレートを当てるが、キムはぐらつきながらも前に出て組み付いてテイクダウンで凌ぐ。消耗しながらも立ち上がるレイエス。

さらに両者による打ち合いが続く。多大なダメージを受けたキムは再び組み付いてのテイクダウンを狙うが、力なくすっぽ抜けて下に。そこにレイエスがパウンドを落とすなかでラウンドが終了。ここまで、UFC史上屈指と言えるほどの壮絶な打撃戦が展開が続いている。

3ラウンド。キムはときにサウスポーにスイッチしながらパンチで前に出て、レイエスがそこにカウンターを狙う展開が続く。やがて前に出たキムに、レイエスがカウンターの右ストレートがスマッシュヒット! たまらず倒れたキムにレイエスが追撃を加えたところで、レフェリーが試合をストップ。1分52秒、すさまじい打ち合いがとうとう幕を閉じた。

凄絶な打撃戦を制したレイエスは、疲労困憊の表情で「メディアやチームメイトに感謝したい。タフなファイトになることは分かっていたよ」と語った。