日本時間1月29日(日)、 アメリカ・コロラド州デンバーにあるペプシ・センターで行われたUFCファイトナイト・デンバーのプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。
ミドル級 5分3ラウンド
ネイサン・マーコート vs. サム・アルビー
キング・オブ・パンクラシストに君臨したこともあり、日本にも馴染みの深い37才のベテラン、マーコートは前回、タンデム・マクローリーに2ラウンドKO勝ち。健在振りを示してみせた。対する「スマイリン」ことアルビーは、前回アレックス・ニコルソンに3-0の判定勝利を収め、UFC3連勝中だ。
1ラウンド、いつものようにリラックスして必殺の左を狙うアルビーに対し、マーコートはフェイントを交えて距離を詰めようとする。お互い有効打が出ないまま時間が過ぎて行ったが、ラウンド終盤に前に出たアルビーがクリンチからの膝を放っていった。
2ラウンド、前に出たマーコートの右ストレートがヒット。アルビーは前に出てラッシュを見せるが、マーコートは下がって身体を入れ替える。その後アルビーが前に出て左を当てる場面が増えてきて、マーコートの顔面からは鮮血が見られた。
3ラウンド、前に出て組み付いたマーコートは、足を掛けてテイクダウンを奪うと、立ち上がったアルビーの背後に。そのままアルビーをグラウンドに引きずり込むと両足フックを入れる。しかしアルビーは反転してエスケープし立ち上がる。その後の勝負の時間帯にて、アルビーは左を、マーコートは右を狙うがお互いに警戒して有効打を当てられないまま試合は終了した。
接戦の判定は、3-0 (三者とも29-28)で左を当てたアルビーに。勝者は「なんてこった! ネイト・マーコートのような凄い相手に勝っちまったぜ! 次の相手は誰になるかって? 君らファンがツイッターでそのヒントをくれたんだ! 俺は……ジャック・マーシュマンと戦いてえな! ヨーロッパで俺がもともと戦いたかった男を倒してみせたし、これまで何勝もしているんだ。このスマイリン・サムに相応しい相手だぜ!」と語った。
バンタム級 5分3ラウンド
ハファエル・アスンソン vs. アルジャメイン・スターリング

ブラジルのアスンソンは前回、元王者のTJディラショーに0-3の判定負けを喫し、連勝記録を7で止められてしまっている。現在ランキングは4位。対するスターリングも前回、ブライアン・キャラウェイに1-2で惜敗。こちらはデビュー以来の連勝を12でストップされてしまった。こちらはランキング7位だ。
1ラウンド、踏み込んでの右ローを放つアスンソンに対して、スターリングや低いガードでリラックスしてスイッチをしては、鋭い前蹴りやローを返してゆく。その後、プレッシャーをかけて右を狙うアスンソンに対し、回りながらそれを捌き蹴りを放つスターリングという展開が続いた。
2ラウンド、アスンソンのローがスターリングの股間近くに当たり、スターリングは膝を付いてアピール。アスンソンは攻撃をやめるが、レフェリーは試合続行を命じる。その後踏み込んでのローや右を狙うアスンソンと、回りながらロー等をスターリングという展開が続くが、両者ともに警戒して手数が少なく、場内からはブーイングも出はじめた。
3ラウンド、スターリングは左を下げたままパンチで距離を詰めてゆく。さらにテイクダウンを狙うが、アスンソンは防御。このラウンドはスターリングが前に出て、アスンソンが右でカウンターを狙う展開が続いたが、両者とも有効打を入れることはできず、試合終了。両者は場内からブーイングを浴びてしまった。
判定は2-1 (29-28, 28-29, 29-28) でアスンソンに。「向こうはすごくタフな相手だったから、様子を見て戦わなくてはならなかったけど、言い訳はできないよ。でも(デンバーの)標高の高さは大変だったよ。いい試合をできなくて申し訳ない。今度はもっといい試合をしたいと思う」と語った。
ウェルター級 5分3ラウンド
ボビー・ナッシュ vs. リー・ジンリャン

米国のナッシュは、7勝1敗の戦績をもってオクタゴン初参戦。現在6連勝中だ。対する中国のリーは、前回アントン・ザフィアに1ラウンドKO勝ちを収め、UFC戦績を3勝2敗としている。
1ラウンド、両者オーソドックス。ワンツーから右ローで前に出るナッシュに対し、ジンリャンは強烈な右のカウンターをヒット。効かされたナッシュはすかさずテイクダウンに入るが、ジンリャンは見事にそれをがぶって両者はスタンドに戻った。ジンリャンはその後逆に右ローを当てさらに右ストレートを狙うが、ナッシュはそれに合わせて左フックをヒット! ダウンしたジンリャンの背後からチョークを狙うが、
2ラウンド。強烈な右フックでジンリャンをぐらぐかせたナッシュだが、ジンリャンも右アッパーを当ててお返し。ナッシュはダブルレッグでテイクダウンを取るが、ジンリャンは立ち上がってやがて振りほどく。ラウンド後半、やや動きが落ちて来たナッシュに対して、ジンリャンの右ストレートがクリーンヒット! ぐらついたナッシュに対しジンリャンはさらに右のオーバーハンド! ナッシュはたまらず昏倒し、4分45秒でジンリャンが見事なKO勝ちを決めた。
ライトヘビー級 5分3ラウンド
ルイス・エンリケ・ダ・シウバ vs. ジョーダン・ジョンソン

ブラジルのダ・シウバは前回、ポール・クレイグに腕十字を取られてプロ初黒星を喫したところ。UFC戦績は2勝1敗だ。対する米国のジョンソンはプロ6戦全勝の戦績をもって、これがオクタゴンデビューとなる。
1ラウンド、両者オーソドックス。鋭いジャブを放つジョンソンに対し、ダ・シウバが距離を詰めてクリンチの体勢に。するとジョンソンが綺麗な足払いでテイクダウン! サイドに付いてみせたジョンソンは、ダ・シウバのスクランブルに合わせてアナコンダ・チョークに。足を絡めて締め上げるが、脱力したダ・シウバには効かないと見るや離して立ち上がった。
スタンドに戻ると、前蹴りで前に出るダ・シウバに対し、ジョンソンはキレのあるジャブで迎撃。さらにジョンソンは右アッパーからのダブルレッグでテイクダウンに成功。上からパウンドを放っていった。
2ラウンド、前に出てきたダ・シウバの蹴り足を掴んだジョンソンがテイクダウンに成功。ハーフ上で胸を合わせてパウンドを入れてゆく。シウバがスクランブルを試みると、再びがぶってアナコンダチョークを狙うジョンソンは、バックに回ってパウンドを入れてから改めてダ・シウバに背中を付けさせる巧みなグラウンドコントロールぶり。ダ・シウバはパウンドを被弾しながらもなんとか立ち上がるが、ジョンソンはスタンドでさらに綺麗なジャブを入れてみせた。
3ラウンド。ジョンソンはワンツーからシングルレッグでテイクダウンを取ると、すかさず背後に。さらにダ・シウバを背中に付かせたジョンソンは、立ち上がって距離を取ってからダ・シウバの足を捌いてサイドに。ダ・シウバも下からスクランブルや腕狙いを見せるが、ジョンソンは見事なレスリングコントロールで上をキープ。優位なまま試合を終えた。
判定は3-0 (三者とも30-27)で、ジョンソンに。打撃といいレスリングといい、オクタゴン初登場とは思えない落ち着いた戦い振りをみせて戦績を7戦全勝としたジョンソンは「スタンドでもグラウンドでも優位に立てたと思う。フィニッシュできなかったのは残念だけど、これがUFCデビュー戦だったから。さらに強い相手と戦っていきたいね。戦うのがケージでもストリートでもどこでも僕には同じことだ。緊張することはないよ」と語った。
ミドル級 5分3ラウンド
エリック・スパイスリー vs. アレッシオ・ディ・キリコ

スパイスリーは前回、チアゴ・サントスに1ラウンドチョークで一本勝ちし、UFC初勝利。対するイタリアのディ・キリコも前回、ギャレス・マクラレンに判定2-1で勝利して念願のオクタゴン初勝利を挙げている。
1ラウンド。左手を下げた構えのスパイスリーは、右でプレッシャーをかけて組み付いてボディロックを取ってのテイクダウンを狙うが、ディ・キリコが切り返して上に。クローズドガードを取ったスパイスリーは、左足を上げて三角締めの体勢に! そこからヒジを入れた後、ディ・キリコの頭を両手で押し下げて締めを強めると、2分14秒でディ・キリコがタップした。
見事な一本勝ちを収めた勝者は「僕はトライスター・ジムという世界最高の場所で練習している。GSPやタレック(サジフィーヌ)等のトレーニングパートナーとね。こういうタフな男達と練習していれば、自然に冷静になるし自信も付くよ。できるなら今度はダン(ダニエル)・ケリーと戦いたいね。奴は気に入らないんだ」と語った。
ライトヘビー級 5分3ラウンド
マルコス・ホジェリオ・デ・リマ vs. ジェレミー・キンボール

TUFブラジル3覇者のデ・リマは、ここまでUFC2勝3敗。対するキンボールは現在4連勝中。これがオクタゴンデビューだ。
1ラウンド、両者オーソドックス。デ・リマがプレッシャーをかけて重い右ローを放ってゆくと、キンボールはその足を取って倒す。するとデ・リマは足関節で反撃。キンボールは反転して対処し、距離を取った。スタンドに戻ると、さらに重いローとパンチで前進。圧力に押されて膝を付いたキンボールに豪快な右フックをヒット! これが効いてうつぶせになったキンボールの背後からさらに重い右を連打し 2分27秒でTKO勝利を得た。
快勝したデ・リマは、「向こうがスリップしてできたチャンスに付け込んだんだ。これからももっと試合をしていきたいね。もし相手を選べるなら、(前回敗れた)ガジムラド(アンティグロフ)と再戦したいよ」と語った。