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アルカンタラやスタシアクが見事な一本勝ち

日本時間10月9日(日)、イギリス・マンチェスターにあるマンチェスター・アリーナで行われたUFC 204のプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。

バンタム級 5分3ラウンド 
ブラッド・ピケットvs. ユーリ・アルカンタラ




地元英国の強打者にしてベテラン38歳のピケットは、前回フランシスコ・リべラに2-1の判定で競り勝って連敗を脱出し、健在を見せつけた。対するブラジルの36歳のアルカンタラは、前回はジミー・リベラに判定負けを喫している。

1ラウンド、サウスポーのアルカンタラが強烈な左ミドルで先制すると、オーソドックスのピケットもローを返しては、必殺の右を狙う。やがて鋭い左ハイを放ったアルカンタラは、強烈な回転ヒジを顔面にスマッシュヒット! さらに左フックを当ててダウンを奪ったアルカンタラは、パウンドの猛攻! それでも抵抗を続けるピケットに対してアルカンタラはマウントへ。すかさず三角締めの形で足を組んだアルカンタラは、そのまま腕十字から三角締めに。1分59秒でタップを奪った。

打撃とサブミッションの双方で圧巻の攻撃力を見せつけたアルカンタラは「神に、そして自分を支えてくれた人々に感謝したい。この試合に向けて今までで一番ハードな練習をしてきたから、集中できていたんだ。柔術の黒帯として、僕の寝技を疑う連中に力を見せたかった。次の相手は誰でもいいけど、ぜひ年内にもう1試合したいね」と語った。

フェザー級 5分3ラウンド 
デビッド・グラント vs. ダミアン・スタシアク




地元英国のグラントは前回、マルロン・ベラに判定勝ちし嬉しいUFC初勝利をあげたところ。対するポーランドのスタシアクも前回、フィリップ・ペジックを1Rチョークで仕留めてUFC初勝利をマークしている。

1ラウンド早々、グラントの蹴り足を掴んだスタシアクがテイクダウンに成功。かついでのパスを狙うが、グラントは距離を取って立ち上がることに成功。スタンドに戻ると、回転形の動きから組み付いたグラントが逆にテイクダウン。しかしスタシアクも立ち上がる。その後もグラントがテイクダウンを決めるが、スタシアクはバタフライガードから跳ね上げて上の体勢でラウンドを終えた。

2ラウンド、グラントはスイッチを繰り返す変則的なステップで距離を詰めては、後ろ廻しや前蹴り、左右のフックをヒット。さらにケージ際に詰めての近距離からのフックやアッパーを当てて、スタシアクを削ってゆく。スタシアクはグラントの蹴り足を掴んでテイクダウンするが、グラントはすぐに立ち上がると、再びスタンドでプレッシャーをかける。

それでもシングルに入ったスタシアクは、ハーフで抑え込むとマウントへ! グラントはフェンスを蹴って脱出するものの、スタシアクはスクランブルを制して再び上を奪ってラウンドを終えた。

3ラウンド、スタンドでプレッシャーをかけるグラントだが、スタシアクは組み付いてシングルに移行してまたしてもテイクダウン。しかしグラントは立ち上がる。スタンドに戻ると再びタックルを仕掛けるスタシアクだが、グラントはそれを押し倒して上に。ガードを取ったスタシアクは、そこから迅速の仕掛けで三角から腕十字に移行! 完全に腕を伸ばされながらも必死に脱出を試みたグラントだが、3分56秒、ついにタップした。

見事な一本勝ちを収めたスタシアクは「お互いアグレッシブだった。向こうはこっちより強いと言っていたけど、結果は僕の勝ちだ。(最後の腕十字では)向こうの腕が壊れるのを感じたよ」と語った。

ウェルター級 5分3ラウンド 
レオン・エドワーズ vs. アルバート・トメノフ




地元英国のエドワーズは前回、ドミニク・ウォーターズに判定勝利してUFC戦績を3勝2敗としている。対するロシア出身のトメノフは、前戦ではガンナー・ネルソンの強烈なネッククランクに屈し、UFCでの連勝を5で止められている。現在ランキング14位。

1ラウンド。サウスポーのエドワーズが先制の鋭い左ハイを放つが、オーソドックスのトメノフは恐れずに距離を詰めにゆく。やがてエドワーズが組み付いてのテイクダウンに成功し、胸を合わせて抑え込む。さらにサイドからマウントとポジションを進めたエドワーズは、一度はトメノフに立ち上がられるもののすぐさま組み付いてバックに。そのまま優位なポジションをキープしてラウンドを終えた。

2ラウンド、トメノフは強烈な右ミドルや右ストレートを放ちながら距離を詰めてゆく。サークリングするエドワーズはそれに合わせてテイクダウンを狙うが、トメノフは振りほどく。その後もプレッシャーをかけてゆくトメノフは、エドワーズのテイクダウン狙いを防いでは強烈な左右フックを当てていった。

勝負の3ラウンド、トメノフはスイッチを交えながら距離を詰め、鋭い左ストレートを放つ。エドワーズはタックルに入るがトメノフは振りほどく。その後、エドワーズはトメノフの右ミドルをキャッチし、シングルに移行してトメノフの体勢を崩すとバックに! そのままグラウンドに引き込むと両足フックを狙いながら左腕を喉元に食い込ませてチョークへ! 3分01秒で見事な一本勝ちを奪った。

地元英国で勝利を飾ったエドワーズは「強力なストライカーと分かっていたからテイクダウンを取ったんだ。向こうはトップ15に入る選手。みんな僕は勝てないと思っていたけど、やったよ! 僕はまだ若くてどんどん強くなっている。ハードな練習を続け、ベルトを目指してやってゆくよ」と語った。

ライト級 5分3ラウンド 
ウーカス・サエウスキー vs. マルク・ディアケイジー




ポーランドの25才のサエウスキーは前回、ギルバート・バーンズの腕十字に一本負け。まだUFCでは勝ち星は上げられていない。対する地元マンチェスターに拠点を置く23才、ディアケイジーはこれまでプロ9戦全勝。これがUFC初参戦となる。

1ラウンド。開始と同時に襲いかかっていったディアケイジーだが、サエウスキーは双差しを取ってテイクダウン。そのままサイドで抑え込む。がっちり胸を合わせて抑え込んだサエウスキーだが、ディアケイジーは持ち前の瞬発力を活かしてやがてスクランブルに成功すると、タックルに移行してサエウスキーを豪快にリフトしてのスラム! 観客を沸かせてみせた。

試合がスタンドに戻ると、再び組み付いたサエウスキーがボディロックからテイクダウンに成功。再び胸を合わせてハーフで抑え込む。しかし下からエビの動きで距離を作ったディアケイジーはヒールを仕掛け、サエウスキーがエスケープしたところで試合をスタンドに戻す。その後はやや消耗が見えるサエウスキーに対して、ディアケイジーがサウスポーから強烈な左のローやハイを放つ場面が目立った。

2ラウンド。ディアケイジーがスイッチをしながら強烈な左右の蹴りや、鋭いアッパーを交えたパンチのコンビネーションでプレッシャーをかけ、スピードの落ちたサエウスキーが回りながら凌ぐシーンが続く。終盤に左フックを当てたディアケイジーは、ケージ際に下がったディアケイジーに距離を詰めると左右フックのラッシュ! さらに膝を入れて右アッパーやストレートを一方的に打ち込むと、4分40秒でレフェリーが試合を止めた。

TKO勝利で会心のUFCデビューを飾ったディアケイジーはバク宙で喜びを表現し、「最高の気分だ。1ラウンドはテイクダウンされてしまったけど、徐々にプレッシャーをかけてチャンスを掴んだんだ」と語った。