スティペ・ミオシッチは皆の意見を正そうとしている。 クリーブランド州立大学時代にはNCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1アスリートとして野球とレスリングで活躍した経験もあるミオシッチは、UFCタイトルを地元クリーブランドに持ち帰りたいという熱烈な思いを明らかにした。 タイトル獲得がクリーブランドにとってどのような意味を持つのか聞かれると、それはタイトルを持ち帰ったときにしか分からないと迷わず答えたミオシッチ。 日本時間5月15日(日)にブラジル・クリチバで開催されるUFC 198で、ファブリシオ・ヴェウドゥムとのタイトルマッチに挑むミオシッチは「UFCに参戦したときから言ってきたが、オレがここにいる理由はヘビー級タイトル獲るためなんだ」と語った。「どれだけの時間がかかるか分からない。試合ごとに選手として技術を上げているし、多くの試練を乗り越えて強くなってきた。現状にすごく満足している。毎日ファイターとして向上しているし、まだまだ時間(選手人生)もある」 「今までずっとストロング・スタイル(ジム)でトレーニングしてきた。最高のコーチとサポートに恵まれている。みんな家族みたいなものだ。町(クリーブランド)としても、これからタイトルを獲得していって尊敬を勝ち取っていかないといけない」 現在33歳で14勝2敗の優秀な功績を残すミオシッチは、当初、今年2月にヴェウドゥムとのタイトルマッチが実現しかけていた。もともとは前王者ケイン・ヴェラスケスとヴェウドゥムの試合が組まれていたが、ヴェラスケスの欠場を受けて急きょミオシッチが代役を依頼されたのだ。当時、多くの熱狂的なファンはヴェラスケスよりもミオシッチがヴェウドゥムと対決することを喜んだようだが、状況は再び一転し、今度はヴェウドゥムが出場の取り止めを余儀なくされている。 それから3カ月が経ち、クリチバ初開催となる大会でついにミオシッチとヴェウドゥムとヘビー級タイトルマッチが実現する。舞台はサッカースタジアムのアレナ・ダ・バイシャーダだ。
「UFCから、ケインが欠場になったからヴェウドゥムとの試合に出ないかって電話が来たんだ」とミオシッチは説明し始めた。「そしたらヴェウドゥムもケガをしていたみたいで、試合が中止になったんだ。その数週間後にまた電話がきて、今度はフルキャンプでヴェウドゥムと試合をしないかって言われたんだ。いい条件だったし、受けるって言ったよ」 「とにかく試合を組んでもらえて嬉しい。クリーブランドにベルトを持って帰りたい、それだけだよ。ファンのために素晴らしい試合をしたい。良い試合にしてみせる」 ミオシッチはここ最近の2試合で連続KO勝利を飾っており、前試合の白星で8勝目を挙げるなど、今、波に乗っている。2015年5月にはマーク・ハントをTKOで下し、ヘビー級史上3人目となる5ラウンド目でのフィニッシュという記録を残している。 さらに、UFC 195では元王者のアンドレイ・アルロフスキーを54秒で打ち破り、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得。ミオシッチが1分以内に試合を決めたのはこれが3度目だ。 「いつも通り自分の仕事をしたまでさ」と振り返るミオシッチは「オレは全力でトレーニングするファイターだ。アンドレイはタフなヤツだし、(対戦前は)6連勝中だった。それに(アルロフスキーは)元チャンピオンだ。ヘビー級がアブナイ場所だっていうのはみんな知っていることだ。タフな試合になると思っていたけど、良い1発が当たって早く試合を終わらせることができた。みんな常に早く試合を終わらせようとしていると思う。オレと同じように(アルロフスキーが)全力で攻撃してくるって分かっていた。なんとか1発で倒すことができた」とも明かしている。 「25分間をフルで戦うのはキツイよ。でも、だからどうしろっていうんだ? それに向けてトレーニングするしかない。それが25分だろうと、15分だろうとね。25分間戦う準備はできている。もちろん早く終わるにこしたことはないけれど。でも最終的にオレが気にしているのは勝つこと。それしか気にしていない」 格闘技界最高の称号であるヘビー級タイトルを懸けて拳を合わせるミオシッチとヴェウドゥムだが、両者の最近の好調さを考えると素晴らしいタイトル戦になること間違いなしだ。 2度目のUFCキャリアを歩んでいる現チャンピオンのヴェウドゥムはここ6試合負けなし、そのうち4試合をフィニッシュで終えている。UFC 180で挑んだマーク・ハント戦では飛び蹴りで勝利を呼び寄せて暫定王者に輝き、UFC 188ではヴェラスケスをギロチンチョークで下してヘビー級王座統一戦を制した。今回はヴェウドゥムにとって初のタイトル防衛戦となる。決して簡単に終わる試合にはならないだろうが、初めてのタイトル戦に挑むミオシッチは準備万端だと主張した。 「(ヴェウドゥムは)すごくタフだし、チャンピオンであるだけのファイターだ。世界最強になるためには世界最強を倒さないといけない。ヤツはまだオレみたいなファイターを倒していない。ヤツが試合開始から攻撃してくるのは分かっている。オレもそうするつもりだ。ヤツを驚かせてやる。必ず良い試合をするから、ファンは期待してくれていいよ。勝つためにすべてをやる。多くの火花が散ることになるだろう。そして新王者が誕生するのを期待してくれ」