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衝撃をもたらすと余裕のホアン・カルネイロ

 

一般の人々とファイターは違う。

第3,675番目の例を挙げよう。自分が1対1で誰かと戦うことを想像してみてほしい。それだけでも十分なストレスを感じるはずだ。では、相手が3人だったら? それも一晩で同時に。

ホアン・カルネイロはそれをこの上なく楽しんだという。

「オレにとっては人生で一番の経験だったと言ってもいい」とUFCのミドル級ファイターは喜々として語った。「アメージングな経験だったよ」

2008年にUFCを離れて以来4勝を挙げていたカルネイロは、2014年10月にオクラホマ州タルサで開催されたイベントに参戦。それは昔ながらのワンナイトトーナメントで、彼はランダル・ウォレス、トレイ・ヒューストンとブロック・ラーソンを連続で破って優勝した。

「オレは3人と戦い、打撃のパワーがあることと、グラウンドやレスリングの強さを証明した。難しかったようで、そうでもなかった気がする。クレイジーなことってあるもんさ。一晩で3試合するよりもたった1戦で苦労することもある。おかしな話だけど、オレは楽しかったよ」

“ジュカオン”にとって一晩で3試合をこなすのはこれが初めてではない。彼は2006年にも同じ経験をしている。この時は決勝で敗れてしまったが、今回はそのような失望もなく、彼は結果的にオクタゴン復帰のチケットを手に入れた。昨年2月にUFCに復帰し、カルネイロはマーク・ムニョスに1ラウンドでサブミッション勝ちを収めた。

「最高だったよ」と彼はUFC 184の勝利について語った。「オレはまだやれるんだってことを確かに証明したし、世界のどんなヤツでも倒せることを証明したんだ。うれしかった」

ところが、彼は突然の小休止を強いられる。肘のけがによって手術が必要となり、2015年9月に予定されていたゲガール・ムサシ戦は中止された。日本時間28日(日)にUFCファイトナイト・ピッツバーグのメインイベントで復帰するカルネイロはデレク・ブランソンと対戦する。普通ならこのような足止めにいら立つはずだが、カルネイロは違った。

「オレたちはこういうことと折り合いをつけなきゃならない。MMAファイターだから、けがはゲームの一部なんだよ。ちょっとだけガッカリしたけど、いら立ちはしなかった。手術が必要になり、待たなければいけなくなったのは不運だったけど、オレは今すごく次の試合に向けてやる気だ」

 



こうした姿勢はなかなか見られるものではない――ことプロスポーツにおいては。だが、37歳のカルネイロにとってはこうした考え方ができたからからこそ、最初のUFC挑戦の時以上に成功できているのだという。

「今の違いは、責任を背負わなくても良くなったことだな。オレはただ試合に出て戦うだけ。昔は頭の中でいろんなことを一度に考えすぎていた。アメリカに来て、ブラジルの生活からアメリカの生活への変化を経験し、責任を背負いすぎていたんだ。そうすべきじゃなかったのに、そうしてしまった。どうしてかは分からない。でも今はただトレーニングして楽しむだけ。以前は心配もしていたけど、もうしないよ」

1度目のUFC挑戦時にカルネイロの戦績は2勝3敗だった。それ以後は8勝1敗に変わっている。家庭人であり、尊敬されるファイターで、コーチでもある彼の人生はすっかり落ち着いた。ミドル級に転向したことも、彼にとってはボーナスだったという。

「今はダイエットを気にしなくても良くなった。いつもより大柄な連中とやるんだから、トレーニングは少しハードになったよ。でも、今は何でも食べられるのを楽しんでいるし、体重をたくさん落とさなくてもいい。不満は言えないな。神は多くの恵みを与えてくださった。それが何よりだよ。戦って、ハッピーになり、トレーニングして、いい人たちに囲まれる」

もし、UFCがワンナイトトーナメントを復活させることがあるとすれば、“ジュカオン”の参戦は決まりだろう。

「100%間違いないね」と彼は笑う。「一晩で数試合やるって考えがオレは大好きだ。実現したら最高のイベントになるはずだぜ」