UFCファイトナイト・ピッツバーグ大会、メインカードの試合レポート
フェザー級 5分3ラウンド
デニス・バミューデス vs. 川尻達也
オーソドックスのバミューデスがオクタゴンンの中央に進み出ると川尻はスタンスをゆっくりと左右に切り替えながら周囲を回り、得意のテイクダウンのチャンスをうかがっている。スピニング・バックフィスト、飛び込みながらのフロントキックと多彩な打撃を散らす川尻だったが、残り時間3分30秒、バミューデスは前に出た川尻の腰をがっちりととらえると高々とリフトしてからテイクダウン。すぐに立ち上がろうとする川尻のバックを奪う。四つん這いの態勢で腰を高く上げて相手をアームバーに誘った川尻は残り時間2分でバミューデスを前に落とすと今度は川尻がバミューデスの腰を捉えてテイクダウンを狙う。バミューデスは川尻の頭を落とし何とかこれをこらえようと試みる中、第1ラウンドが終了した。
川尻のスイッチの際に体が正面になる瞬間を狙い、バミューデスが一気にパンチで前に出る。すぐにこれをタックルで切り返そうとした川尻は、バミューデスのタイトなギロチンに捕まり苦しい体制になったものの攻防をスタンドに戻すことに成功する。残り時間3分30秒、立ち上がった川尻は先の攻防でかなり体力を消耗したように見える。しかし攻防が再開されると数発のスピニング・バックフィストからタックルに飛び込む川尻。バミューデスは押し込まれながらも相手に覆いかぶさり、側面に回り込むようにしてスペースを作るとテイクダウンに固執する川尻の側頭部に強烈なパンチとヒジを連打する。足首にしがみついて動きの止まった川尻から足首を引き抜いたバミューデスはそのまま体重を掛けながら回り込むようにしてバックを奪うと両足を入れコツコツとパウンドを落とす。動きの落ちた川尻が何とか相手の片足を外したところで川尻にとって苦しい第2ラウンドが終了した。
最終ラウンドが始まると、バミューデスは即座にダブルレッグで飛び込むと川尻の背中をマットにつける。左のキムラを狙うような体制からうまく腰を引き抜き立ち上がることに成功した川尻はまたもやバミューデスの腰に密着しテイクダウンを狙うが、これまでの攻防で体力を消耗した川尻は容易にガブられバミューデスに金網に押し込まれてしまう。残り時間2分40秒、相手を突き放した川尻は離れ際にヒザを突き上げる。残り時間1分30秒、動きの落ちた川尻をバミューデスが高々と持ち上げマットに投げ落とす!すぐに立ち上がった川尻だが再びバミューデスにマットに引きずり倒され苦しい体制の中試合の終了の時を迎えた。
ジャッジの判定は三名とも29-28でバミューデスを勝者と採点。かつてはUFCで7連勝を記録し、フェザー級の実力者、クレイ・グイダなどにも勝利しているランキング8位のデニス・バミューデスは戦績を16勝5敗と伸ばしトップ10ランカーの底力を見せつけた。一方UFC参戦当初から上位陣との対戦をアピールし、UFC戦績を3勝1敗と伸ばしてきた日本の川尻達也は35勝9敗2分け、UFC戦績3勝2敗と戦績を落とした。
ミドル級 5分3ラウンド
デレク・ブランソン vs. ホアン・カルネイロ
ブランソンはサウスポー、カルネイロはオーソドックスに構え互いに相手の出方を伺っている。1分少々が経過したところでブランソンが伸びのある左ストレートから一気に前に出るが金網まで詰めた後に自ら距離を取る。この攻防で火が付いたのか、両者が互いに激しい打撃を振り回す。残り時間2分20秒、右のオーバーハンドで突進したカルネイロは、右わきの下をブランソンにくぐられるとバランスを崩し金網際で引き込みを選択。ブランソンはすぐに足元の相手に覆いかぶさり胸を張って強烈な左右のパウンドを連打!休むことなく振り下ろされるパウンドに、動きの止まったカルネイロを見てレフリーのキース・ピーターソンが試合の終了を宣告。時間は1ラウンド2分38秒だった。
このTKO勝利で戦績を15勝4敗と伸ばしたノースカロライナ州のデレク・ブランソンはこの勝利でUFC4連勝。試合後には「トレーニングはハードにやってるからスタミナ切れの心配なんかしないでガンガンいったぜ」と勝利の秘訣を明かした。一瞬の判断ミスが命取りとなったブラジルのホアン・カルネイロはUFC2戦目にして初黒星。その連勝街道は7でストップ、通算戦績を20勝10敗と落とした。
バンタム級 5分3ラウンド<契約体重(キャッチウエイト)>
コーディ・ガーブラント vs. アウグスト・メンデス
これまで6KOのガーブラントの打撃を警戒して、オーソドックスに構えたメンデスはガードを高く上げている。スタンスをスイッチしながらメンデスの右に回るガーブラントが時折鋭いパンチを繰り出すが、メンデスが徐々に圧力を強めテイクダウンに飛び込む。これを右のショートで迎え撃ったガーブラントはメンデスが後方に倒れこむとすぐにフォローに飛び込むが、オモプラータの態勢にとらえられると腕を引き抜き距離を取る。攻防がスタンドに戻ると右のガードを上げたメンデスは散発的にパンチを繰り出しながら圧力を強めていく。メンデスが自身の右のローキックのフェイントで体が開いたところにガーブラントが三発の左右のパンチで飛び込むと、このうちの二発が相手の顎を捉えてメンデスが後方に倒れこむ!フォローに飛び込むガーブラントとメンデスの間をレフリーのマリオ・ヤマサキが横切り、これをレフリー・ストップと判断したのかガーブラントは両手を挙げて自身を祝福するそぶり一瞬見せるが試合は終了しておらず、その後一発パウンドを入れたところでレフリーが正式に試合の終了を宣告した。
1ラウンド4分18秒でKO勝利を記録したコーディ・ガーブラントはこれで8勝無敗。一方わずか6日の準備期間でこの一戦に臨んだ柔術世界王者のアウグスト・メンデスは5勝1敗と戦績を落としたものの、ストップの瞬間にもしっかりと両足を引き付けガードの態勢をとっており、随所にその実力の片りんを見せつけた。
ミドル級 5分3ラウンド
クリス・カモッツィ vs. ジョー・リッグス
両者がサウスポーで構え向かい合う。まずは得意のローキックで様子を見たカモッツィはすぐにジャブ、そしてローで飛び込むが、このジャブを左目で受け止めてしまったリッグスは顔面を両手でカバーするのが精いっぱいで動きが止まってしまう。カモッツィは頭の下がった相手を制しながら左の膝蹴りをガードの上から5連打!リッグスがなすすべなくマットに倒れこむと同時にレフリーのマリオ・ヤマサキが両者の間に割って入り試合の終了を宣告した。試合時間はわずか26秒だった。
コロラドのカモッツィはこれで23勝10敗。2015年のUFC再挑戦ではミドル級の強豪、ジャカレ・ソウザに敗れたものの、再びUFCでの連勝街道を歩き始めた。同じくUFC復帰組のジョー・リッグスは試合後にカモッツィのヒザで右前腕を骨折したことを明かし、戦績を41勝17敗1ノーコンテストと落とした。
ライト級 5分3ラウンド
ジェームス・クラウス vs. シェーン・キャンベル
攻防が開始されると間もなくオーソドックスに構えたクラウスがスタンスをスイッチするキャンベルを金網に押し込む。クラウスはテイクダウンを試みるがキャンベル体の強さを生かしてそれを許さない。危うく下になりかけたクラウスは身をよじるようにして立ち上がる。いったん距離を取るとクラウスは細かなパンチで相手を崩しにかかり、そのうちの一発の右キャンベルの顎先を直撃。キャンベルは後方に倒れこむがすぐに立ち上がる。クラウスは丁寧に頭をずらしながらの右、そして 豊富なジャブで前に出る。残り時間40秒、素早いシングルでキャンベルの足元に飛び込んだクラウスは立ち上がろうとする相手の背後を奪い両足をフックするとがっちりとリアネイキッド・チョークを食い込ませる!このまま絞めれば失神確実と思われたが、キャンベルはブザーが鳴るまで何とかこれを凌ぎ切った。
開始早々の四つの攻防でキャンベルは鮮やかな支えつり込み足でクラウスをマットに転がしトップ・ポジションを奪取。しかしクラウスは下からのアームバーでスペースを作ると立ち上がることに成功し、即座にキャンベルを金網に押し込む。タックルからバック狙いへと切り替えたクラウスは残り時間2分45秒、うまくポジションをコントロールしながらグラウンドでキャンベルからシングルバックを奪う。再びクラウスのチョークが一瞬がっちりと決まり、場内から歓声が沸き上がるものの、キャンベルはここも難しいクリップファイトを制して脱出!スタンドの攻防になるとガードを固めて足を止めるキャンベルは相手のタックルを誘っているようだ。スクランブルで立ち上がられても気にせずタックルを連発するクラウスにキャンベルがギロチンを狙ったところで第2ラウンドが終了した。
br> パンチで前に詰めてくるクラウスのダブルレッグを警戒してサウスポーに構えたキャンベルはキックで突き放そうと試みる。1分半が経過したところでクラウスは強引に相手を金網に押し込むとしつこくテイクダウンを試みる。腰の後ろでクラッチを組まれたキャンベルはスピニング・エルボー等も繰り出しなんとか相手の脇を差し上げこれを突き放すが、それでもクラウスはしつこく組み付いてくる。残り時間1分25秒、組み付きからの離れ際にキャンベルがまたもや鮮やかな足払いを一閃!マットに倒れたクラウスからすかさずバックを奪ったキャンベルが今度は逆にチョークを狙う。これはクラウスに暴れて逃げられたものの、キャンベルががっちりとトップポジションをキープしながら強烈なパウンドを連打したところで試合終了のブザーが鳴った。
ジャッジの判定は三名とも29-28でクラウスを勝者として支持。この一戦で戦績を23勝7敗と伸ばしたミズーリ州のジェームズ・クラウスだが、これまで22勝20フィニッシュ、UFCでの3勝でもすべてフィニッシュを記録していたクラウスは「いつもフィニッシュを狙っている。この勝ち方にはちっとも満足していないよ」と自身のパフォーマンスを振り返った。対するカナダのキャンベルは要所でそのポテンシャルを見せつけたものの、12勝4敗となった。