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CMパンク、デビュー戦は何もできず完敗

日本時間9月11日(日)、アメリカ・オハイオ州クリーブランドのクイックン・ローンズ・アリーナで行われたUFC 203のメインカードより、CMパンク対ミッキー・ガルの試合レポート。

ウェルター級 5分3ラウンド 
CMパンク vs. ミッキー・ガル




CMパンク(本名フィル・ブルックス)は世界最大のプロレス団体WWEの元スーパースター。MMAで戦いたいという夢を追ってプロレスを引退し、名門ルーファスポートにて約2年のトレーニングを経たうえで、37才にして今回MMAデビューを迎える。

対する24才のミッキー・ガルは、人気ウェブ番組"Lookin' For a Fight"の収録に訪れたデイナ・ホワイト代表の前でプロデビュー戦を勝利し、その場でマイクでパンクとの対戦を直訴してホワイト代表の目に留まった選手。この2月にはテストマッチ的なマッチメイクにおいて、プロ未経験のマイク・ジャクソンにチョークで圧勝してプロ2連勝。この大舞台でビッグネームとの対戦を勝ち取った。

デビューまでのトレーニングの軌跡を追った映像を見る限り、プロ格闘家としての実力が付いているのか大いに疑問だったパンク。アマチュアも含めると4戦無敗、茶帯を持つ柔術も打撃も伸び盛りのガルとの戦いは無謀とも思えるが、果たして──パンクは微笑みを浮かべながら、WWE時代と同じ入場曲、"Cult of Personality"でオクタゴンに向かった。

1ラウンド。 オーソドックスで距離を詰めていったパンクに対し、ガルはいきなりダブルレッグでテイクダウン。パンクのガードの中から強烈なパウンドを落とすと、パスしてさらにマウントを取ると、すぐにバックに回る。両足フックを入れてチョークを狙うが、パンクはディフェンス。さらにガルは強烈なパウンドを落としてチョークに。圧倒的不利な状況下でも辛抱強くディフェンスをしていたパンクだが、ついにガルの右腕が喉元に食い込みタップ。2分14秒、パンクのMMA初挑戦は力を全く出し切れないまま終わった。

グラップリングの力を見せつけたガルは「いや、クレイジーな日々だったよ。MMAコミュニティに限らず俺のことを嫌う人も多かったけど、そういうのはやめようぜ。ラブが大切なんだ。俺はギミックじゃない、本物のファイターなんだ。次に戦いたい人間がいる。スーパー・セージ・ノースカットだ! あのガキのヘアをぐちゃぐちゃにしてやりてえんだ! 俺たち"Lookin' For a Fight"から出てきた若手はプロテクトされているとかいう奴らがいるが、そんなの糞食らえ! 戦争だ!」と大いにアピールしてのけた。

敗れたパンクは、悔し涙をにじませながら「俺はチャレンジをしたかったんだ。ものすごく高い山で、今日は頂上に到達できなかったけど、だからこれで諦めるわけじゃない。みんな応援ありがとう。ミッキーはすごいファイターだ。信じられないかもしれないが、俺はまた戻って来るよ。今日は最高に楽しかった。ワイフと結婚した日に続いて人生に二番目にね。無理だという人間も多いけど、人生はぶっ倒されて立ち上がることの繰り返しなんだ。親やら教師やらにやめろと言われている子供達、奴らの言うことなんか聞くな。自分を信じるんだ。常に自分の望む結果が得られるわけじゃないさ。でも人生における真の失敗は、トライしないで終わることだ。こうやってぶちのめされたばかりの男が説教をするのはヘンだけど、関係ねえ。人生最高の時間だったぜ、ありがとう!」と語り、試合では発揮できなかったそのカリスマ性をここで見せつけた。